「一生幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」の意味とは?海外の論文で”本当か”を徹底検証してみた

釣りをしているイメージ

「一時間幸せになりたかったら酒を飲みなさい。三日間幸せになりたかったら結婚しなさい。八日間幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい。一生幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」

釣りをする人なら、一度はどこかで目にしたことがある言葉ではないでしょうか。釣具店のポスターや、釣り好きな人のSNSのプロフィール、釣り雑誌のコラムなどで、この格言はたびたび登場します。

でも、ふと立ち止まって考えてみると、不思議な言葉です。

お酒や結婚の幸せは「すぐに終わる」のに、なぜ釣りだけが「一生」なのか。そもそも、この言葉は誰が言い出したのか。そして何より、本当に釣りを覚えると一生幸せでいられるのか。

港や堤防に行くと、70代や80代とおぼしき方が、朝早くから元気に竿を振っている姿をよく見かけます。「釣りをしている人は、年をとっても元気な気がする」。そう感じたことがある人も多いと思います。

この記事では、そんな素朴な疑問からスタートして、格言の由来と意味をひもとき、さらに日本ではあまり紹介されていない海外の論文や国家規模の調査データを使って、「釣りと幸せ」「釣りと健康」の関係を徹底的に検証していきます。

少し長い記事になりますが、読み終わるころには、次の休日に釣り竿を持って水辺へ出かけたくなっているかもしれません。

目次

1. はじめに、この言葉は誰が言い出したの?

日本で広めたのは作家・開高健

この格言を日本で広く知られるものにしたのは、作家の**開高健(かいこう・たけし)**だといわれています。

開高健は1930年生まれ、芥川賞を受賞した小説家であり、同時に世界中の川や海を旅した大の釣り好きとしても知られた人物です。アマゾン川の大魚を追った釣り紀行『オーパ!』は、今でも釣り人の間で「名作」として読み継がれています。

その開高健が、エッセイなどの中で「中国の古い言い伝え」として紹介したのが、この「一生幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」という言葉です。豪快で、ユーモアがあって、どこか人生の本質を突いている。彼の文章の魅力とこの言葉の雰囲気がぴったり重なったことで、釣り人の間で一気に広まったと考えられています。

実は言い回しがいくつもある

この格言には、実はいくつものバージョンがあります。よく見かけるのは次のような形です。

  • 一時間幸せになりたかったら、酒を飲みなさい
  • 三日間幸せになりたかったら、結婚しなさい
  • 八日間幸せになりたかったら、豚を殺して食べなさい
  • 一生幸せになりたかったら、釣りを覚えなさい

ほかにも「一晩」「一日」「一週間」「一年」など、期間の部分が入れ替わったものや、「豚」のくだりが抜けて三段構成になっているものもあります。人から人へ口伝えで広がっていくうちに、少しずつ形が変わっていったのでしょう。

英語圏でも「中国のことわざ」として有名

面白いのは、この格言が日本だけでなく、英語圏の釣り人の間でもよく知られていることです。

英語では、おおむね次のような内容で紹介されています。

一時間幸せになりたければ酔っぱらいなさい。三日間なら結婚しなさい。八日間なら自分の豚をつぶして食べなさい。永遠に幸せになりたければ、釣りを覚えなさい。(英語版の内容を筆者が意訳)

アメリカの釣りフォーラムや、キリスト教系のブログ、講演のネタ帳のような場所でも、「Chinese proverb(中国のことわざ)」としてたびたび引用されています。日本語版の「一時間・三日・八日・一生」という構成と、ほぼ同じ形です。

「本当に中国のことわざなのか?」はよくわかっていない

では、この言葉は本当に中国の古典に書かれているのでしょうか。

結論から言うと、はっきりとした出典は見つかっていません。中国の古い書物のどこに書かれているのかを示した資料は、少なくとも一般に確認できる範囲では見当たらないのです。

実は、よく似た事情を持つ有名な言葉があります。それが「魚を与えれば一日食べられる。魚の釣り方を教えれば一生食べていける」という格言です。こちらも「中国のことわざ」「老子の言葉」として世界中で紹介されていますが、名言の出典を調査するアメリカのサイト「Quote Investigator」などの調べでは、はっきり文章として確認できる古い例は19世紀のイギリスの文章にさかのぼるとされています。中国の古典に同じ文章は見つかっていないという指摘もあります。

「中国の古い知恵」というラベルは、言葉に深みと説得力を与えてくれます。そのため、出どころのはっきりしない名言が「中国のことわざ」として広まっていくのは、世界中でよくあることなのです。

「一生幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」も、もしかすると同じような道をたどってきた言葉なのかもしれません。

ただ、出典がはっきりしないからといって、この言葉の価値が下がるわけではありません。大事なのは「誰が言ったか」よりも、「この言葉が何を伝えようとしているのか」。そして「それは本当なのか」です。次の章から、そこを掘り下げていきましょう。

2. 「一生幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」を徹底解説

四つの幸せを並べると見えてくるもの

この格言のおもしろさは、四つの「幸せ」を並べて、その「持続時間」を比べているところにあります。一つずつ見ていきましょう。

① 一時間の幸せ=お酒

お酒を飲むと、すぐに気分がよくなります。緊張がほぐれ、楽しくなり、嫌なことを忘れられる。でも、その効き目は長くは続きません。酔いがさめれば元どおりで、飲みすぎれば翌朝は二日酔いが待っています。

これは「すぐに手に入るけれど、すぐに消える幸せ」の代表です。

② 三日間の幸せ=結婚

ここはこの格言の中でいちばんクスッと笑えるところでしょう。もちろん、結婚の幸せが本当に三日で終わるという意味ではありません。結婚式の高揚感や、新婚の「特別な気分」は、やがて日常に溶けていく。そんな人生の真理を、少し皮肉っぽく表現しているのだと思います。

実はこれ、心理学の研究でもある程度裏付けられています。アメリカの心理学者リチャード・ルーカスらが、ドイツで長期間にわたって同じ人たちを追跡した大規模調査のデータを分析したところ、結婚の前後で人生の満足度は一時的に上がるものの、平均すると数年のうちにもとの水準に近いところまで戻っていくという傾向が見られました。

これは「快楽順応(かいらくじゅんのう)」と呼ばれる現象です。人間は、うれしい出来事にもつらい出来事にも、だんだん慣れていく性質を持っています。新しい車を買ったときの喜びも、昇進したときのうれしさも、時間がたつと「当たり前」になってしまう。この性質があるからこそ、人はつらい出来事からも立ち直れるのですが、同時に「一度の大きな喜び」だけでは、幸せが長続きしないということでもあります。

③ 八日間の幸せ=豚を食べる

かつての農村では、豚をつぶすのは特別な日のごちそうでした。家族や親戚、近所の人たちが集まって、何日もかけてその肉を楽しむ。お祭りのような、ぜいたくなひとときです。

でも、どんなごちそうも食べてしまえばなくなります。肉が尽きれば、宴も終わり。これは「特別なイベントの幸せ」を表していると読めます。

④ 一生の幸せ=釣りを覚える

そして最後に来るのが「釣り」です。ここで注目してほしいのは、格言が「釣りをしなさい」ではなく「釣りを覚えなさい」と言っている点です。

お酒、結婚、ごちそう。この三つはどれも「手に入れる」「消費する」タイプの幸せです。一方、釣りを「覚える」というのは、技術や知識を身につけて、それを自分の中に持ち続けることを意味します。

一度身についた技術は、なくなりません。季節が変わっても、場所が変わっても、年をとっても、何度でも使えます。しかも、釣りには「これで完璧」というゴールがありません。潮の読み方、仕掛けの工夫、魚の習性、道具の使い方。覚えれば覚えるほど、新しい発見が出てきます。

つまりこの格言は、「消費する幸せは長続きしないが、育てていく幸せは一生続く」という人生の知恵を、釣りに託して語っているのだと解釈できます。

心理学から見た「覚える幸せ」

アメリカの心理学者リーフ・ヴァン・ボーヴェンとトーマス・ギロヴィッチは、2003年の研究で「モノを買うこと」と「体験にお金を使うこと」を比べ、体験のほうが人を長く幸せにしやすいと報告しました。体験は思い出として残り、人に語ることができ、自分らしさの一部になっていくからだと考えられています。

釣りは、まさに「体験」のかたまりです。大物をバラした悔しさ、初めて自分で釣った魚の手ごたえ、夜明けの海の色、友人と笑い合った帰り道。そうした体験が積み重なって、その人だけの物語になっていきます。

さらに、ハンガリー出身の心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した「フロー」という考え方もあります。フローとは、時間を忘れるほど何かに没頭している状態のことです。フローが起きやすいのは、「難しすぎず、簡単すぎない」課題に取り組んでいるとき。そして、自分の上達が実感できるときだと言われています。

釣りは、この条件にとてもよく当てはまります。初心者には初心者の、ベテランにはベテランの「ちょうどいい難しさ」が常にあるからです。

「魚の釣り方を教えなさい」とのちがい

先ほど紹介した「魚を与えれば一日食べられる。魚の釣り方を教えれば一生食べていける」という格言と比べてみると、さらにおもしろいことがわかります。

こちらの格言が伝えているのは、「生きていくための自立」です。釣りは「食べるための手段」として登場しています。

一方、「一生幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」の釣りは、食べるためではなく「幸せのため」の釣りです。お酒やごちそうと並べられていることからもわかるように、ここでの釣りは「楽しみ」そのものとして描かれています。

どちらも「釣りを覚えること」を一生の財産として語っている点では共通しています。釣りという行為が、古くから「人生を支えるもの」の象徴として使われてきたことがよくわかります。

3. 本当に釣りを覚えたら一生幸せになるのか?徹底検証

格言の意味はわかりました。では、いよいよ本題です。本当に釣りをすると、人は幸せになるのでしょうか。

ここからは、日本ではあまり紹介されていない海外の研究や国家規模の調査を中心に見ていきます。

オーストラリア政府の国家調査「釣り人は、釣りをしない人より幸福度が高い」

釣りと幸福度の関係について、もっとも規模の大きいデータのひとつが、オーストラリア政府による全国調査です。

オーストラリアでは、農業資源経済科学局(ABARES)、キャンベラ大学、オーストラリア・レクリエーショナル・フィッシング財団などが共同で、全国の釣り人の社会的・経済的な実態を調べる大規模調査を行い、2023年に結果を公表しました。同じ規模の全国調査は、実に20年以上ぶりだったそうです。

この調査で明らかになったのは、次のようなことです。

  • オーストラリアの大人のおよそ5人に1人、約420万人が毎年レジャーとして釣りをしている
  • 釣りをする人は、平均すると、釣りをしない人よりも幸福度(ウェルビーイング)が高い
  • さらに、釣りに行く回数が多い人ほど幸福度が高い
  • 釣りは、人とのつながり、自然とのつながり、リラックス、そして推奨される運動量の確保に役立っている可能性がある

「釣りをする人のほうが幸せ」というだけでなく、「頻度が多いほど幸せ」という、量と効果の関係まで見えてきたのは興味深いポイントです。

また、この調査では、釣りが家族の絆を深める活動になっていることや、釣りをしない人からも好意的に見られていることなども報告されています。

スペインの研究「熱心な釣り人ほどストレスが低い」

次に紹介するのは、スペインで行われた研究です。2019年に、スペインの海で釣りを楽しむ244人の釣り人にアンケート調査を行い、釣りの頻度とストレス、睡眠、食生活の関係を調べました。

その結果、ひと月あたりの釣りの時間が長い人ほどストレスの点数が低い傾向があり、もっとも熱心な釣り人は、そうでない釣り人と比べてストレスの点数が最大で約15%低かったと報告されています。

さらにおもしろいのは、釣りに行く時間が長い人ほど、魚介類を食べる量も多かったという点です。自分で釣った魚を食べる機会が増えるのですから、当然といえば当然かもしれません。研究チームは、これが健康面にもよい影響をもたらしている可能性があると指摘しています。

また研究者たちは、釣りは高齢者でも参加しやすい屋外活動であることから、持続可能な形で管理された釣り場へのアクセスを整えることが、社会全体の健康づくりにつながるかもしれないとも述べています。

アメリカの退役軍人を救った「フライフィッシング」

釣りが心に与える影響について、もっとも心を動かされるのが、アメリカの退役軍人を対象とした研究です。

アメリカには「プロジェクト・ヒーリング・ウォーターズ」という非営利団体があります。戦争で心や体に深い傷を負った退役軍人や現役軍人に、フライフィッシング(毛ばりを使った釣り)を教える活動をしている団体です。釣りそのものだけでなく、毛ばりを自分で巻く技術や、竿を自作する技術まで教え、仲間と一緒に川へ出かけます。

この活動の効果を調べた研究がいくつもあります。

**2013年の研究(ヴェラらの研究、米国の軍事医学誌に掲載)**では、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱える退役軍人が、この釣りプログラムに参加したときの変化を調べました。その結果、参加直後には注意力の向上や前向きな気分の高まりが見られ、さらに不安や落ち込み、ストレスによる体の不調が大きく、しかも持続的に減っていたと報告されています。睡眠の質の改善も見られました。

**2017年の研究(ベネットらの研究)**では、戦闘で障害を負った退役軍人40人が4日間の釣りプログラムに参加しました。その結果、PTSDの症状、うつ症状、ストレス、日常生活の困りごとがプログラム前後で大きく減少し、さらに3か月後の時点でも「余暇への満足度」が高まっていたことがわかりました。

2022年の研究では、このプログラムに長期間参加している117人を調べたところ、PTSD、不安、うつ、ストレスのいずれも減少傾向にあり、特にストレスの減少ははっきりとした差として確認されました。

参加者たちの声を集めた別の研究では、「竿を振っていると、ストレスがすっと溶けていく」といった感想も紹介されています。

もちろん、これらの研究は参加人数が限られており、釣りだけが効果の原因だと断定できるわけではありません。自然の中で過ごすこと、仲間がいること、何かを学ぶこと。そうした要素が組み合わさった結果だと考えるのが自然です。でも、それこそが「釣りを覚える」ということの中身そのものではないでしょうか。

研究結果から見える「釣りと幸せ」の答え

ここまでの研究をまとめると、次のようなことが言えそうです。

  • 釣りをする人は、しない人よりも幸福度が高い傾向がある
  • 釣りの頻度が多いほど、幸福度が高く、ストレスが低い傾向がある
  • 心に深い傷を負った人でさえ、釣りを通じて回復していく例がある

ただし、ここで一つ大事な注意点があります。これらの多くは「観察研究」と呼ばれるタイプの研究です。観察研究とは、実際の人々の暮らしを調べて「こういう傾向がある」と明らかにするものです。「釣りが幸せの原因である」と完全に証明するものではありません。

たとえば、「もともと元気で幸せな人だから、釣りに行ける」という逆の可能性もあります。健康で、時間に余裕があり、趣味を楽しめる環境にある人ほど釣りに行きやすい、という面は否定できません。

とはいえ、国も、研究の手法も、対象者もまったく異なる複数の研究が、そろって同じ方向の結果を示していることは、とても心強い事実です。「釣りは幸せにつながる」という格言は、少なくとも科学的に見て「根拠のない言い伝え」ではない、と言ってよさそうです。

4. 釣りをしている人はお年寄りでも元気?その理由を科学で探る

堤防で元気に竿を振る高齢の釣り人。その姿は、単なる「気のせい」ではないかもしれません。ここでは、釣りが年齢を重ねた人の心と体を元気にする理由を、いくつかの角度から見ていきます。

理由① 釣りは「ちょうどいい運動」になる

「釣りって座っているだけでしょう?」と思う人もいるかもしれません。でも、実際には釣りはかなり体を使います。

運動の強さを表す指標に「METs(メッツ)」というものがあります。安静に座っている状態を「1」として、その何倍のエネルギーを使うかを表した数字です。アメリカの研究者たちがまとめた「身体活動の概要集(コンペンディウム)」の2024年版では、釣りのMETsは次のように示されています。

釣りのスタイルMETs(目安)
ボートやカヌーに座って釣る2.0
釣り全般3.5
岸辺に立って釣る3.5
川岸を歩きながら釣る4.0
胴長(ウェーダー)を着て川の中に立ちこんで釣る6.0

3METs以上は「中くらいの強さの運動」とされています。つまり、岸に立って竿を振る釣りは、ふつうのウォーキングと同じくらいの運動量があるということです。川の中を歩き回る渓流釣りやフライフィッシングになると、6METs、これは軽いジョギングに近いレベルです。

しかも、釣りは何時間も続けて楽しむのが普通です。釣り場まで歩き、荷物を運び、竿を振り、魚とやりとりをし、立ったりしゃがんだりを繰り返す。本人は「運動をしている」という意識がほとんどないまま、気づけば数時間体を動かしている。これが釣りのすごいところです。

「健康のために歩かなきゃ」と思うと続かないのに、「魚を釣りたい」と思うと自然と何時間も動けてしまう。これは、習慣づくりという点でも非常に理にかなっています。

理由② 水辺にいるだけで、心が回復する

釣り人が必ず身を置く場所、それは「水辺」です。

イギリスのエクセター大学を中心とする研究チームは、イングランドに住む約2万人のデータを分析し、1週間に合計120分以上自然の中で過ごす人は、まったく自然に触れない人と比べて、「健康状態がよい」「心の状態がよい」と答える割合がはっきり高いことを明らかにしました。

おもしろいのは、120分未満ではそうした差がほとんど見られなかったことです。また、120分を一度にまとめて過ごしても、何回かに分けても、効果に差はなかったといいます。そして、この傾向は高齢者や、長く続く病気を抱えている人にも共通して見られました。なお、効果は週200〜300分あたりで頭打ちになり、それ以上増やしてもさらに上がるわけではなかったそうです。

週末に一度、半日釣りに出かければ、それだけで120分は軽く超えます。釣りは「自然の中で過ごす時間」を無理なく確保できる、とても効率のいい趣味なのです。

さらに、海や川、湖などの水辺の環境は「ブルースペース」と呼ばれ、森や公園などの「グリーンスペース」と並んで、近年ヨーロッパを中心に研究が進んでいる分野です。アメリカの海洋生物学者ウォレス・J・ニコルズは、水のそばにいるときに人が感じる穏やかで満ち足りた心の状態を「ブルーマインド」と名づけ、同名の本で広く紹介しました。

理由③ 「ぼんやり集中」が脳を休ませる

アメリカの心理学者、レイチェル・カプランとスティーブン・カプランの夫婦は、「注意回復理論」という考え方を提唱しました。

私たちは仕事や勉強、スマホを見ているときなど、「意識して集中する力」を使い続けています。この力は使いすぎると疲れてしまい、イライラしたり、ミスが増えたりします。

一方で、揺れる木の葉や流れる水、波の音のように、自然と目が向くけれど頭を酷使しない対象に触れていると、この「集中する力」が回復していくと考えられています。カプラン夫妻は、この状態を「やわらかな魅了(ソフト・ファシネーション)」と呼びました。

釣りの時間は、まさにこの「やわらかな魅了」のかたまりです。ウキのわずかな動きをぼんやり見つめる。竿先の震えに耳をすます。水面のきらめきを眺める。適度に集中しながらも、頭は休まっている。この独特の心の状態が、日常の疲れをリセットしてくれるのかもしれません。

理由④ 人とのつながりが生まれる

釣りは一人でも楽しめますが、実は人とのつながりを生みやすい趣味でもあります。

堤防で隣になった人と「何が釣れてますか?」と声をかけ合う。釣具店の店員さんと情報を交換する。仲間と朝早くから車で出かける。釣った魚を家族や近所におすそ分けする。

先ほどのオーストラリアの国家調査でも、釣りが家族の絆や人とのつながりを支えていることが報告されていました。高齢になると、仕事を離れたことで人との接点が減りがちです。釣りは、年齢や職業に関係なく、自然と会話が生まれる「居場所」になってくれます。

理由⑤ 頭をフル回転させる「知的なゲーム」

釣りは、実はとても頭を使う遊びです。

今日の天気、風向き、潮の満ち引き、水温、季節、魚の習性。これらをもとに「どこで」「何時に」「どんな仕掛けで」釣るかを考える。うまくいかなければ原因を考えて、エサを変えたり、場所を移動したりする。

これは一種の「仮説と検証」の繰り返しです。毎回条件がちがうので、同じ答えが通用しません。こうした知的な刺激が、年齢を重ねても頭をいきいきと保つことにつながっている可能性は十分に考えられます。

理由⑥ 「釣れるかどうかわからない」から、やめられない

釣りの最大の魅力は、「釣れるかどうか、わからない」ことかもしれません。

心理学では、いつ報酬がもらえるかわからない状況のほうが、人はその行動を続けやすいことが知られています。毎回必ず釣れるなら、すぐに飽きてしまうでしょう。「今日は釣れるかもしれない」「次の一投で来るかもしれない」という期待が、何十年たっても人を水辺へ向かわせるのです。

しかも、釣りの場合はこの「わからなさ」が、ギャンブルのようにお金を失う方向ではなく、体を動かし、自然を感じ、技術を磨く方向へと向かいます。これは、人間の本能をうまく健康的に活かした遊びだと言えるのではないでしょうか。

理由⑦ 釣りには「引退」がない

多くのスポーツは、年齢とともに続けるのが難しくなります。でも釣りは、体力に合わせてスタイルを変えながら、一生続けることができます。

若いころは磯や渓流で体力勝負の釣りを。年を重ねたら、足場のいい堤防や釣り公園、船釣りで。さらに体が動きにくくなっても、車いすで楽しめる釣り場も増えています。

「生涯現役でいられる趣味」であること。これこそが、「一生幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」という格言のいちばんの根拠なのかもしれません。

5. 他の趣味と比べてみる、世界の科学データから見る「長寿と元気」

では、釣りは他の趣味と比べて、どれくらい健康や長生きに役立つのでしょうか。ここでは、世界の大規模研究のデータを見ながら比べてみます。

16か国・9万人の研究「趣味がある人は、うつ症状が少なく幸福度が高い」

2023年、世界的に有名な医学誌『ネイチャー・メディシン』に、非常に規模の大きい研究が発表されました。

ロンドン大学(UCL)の研究チームが中心となり、日本の研究者も加わって、イギリス、日本、アメリカ、中国、そしてヨーロッパ12か国の合わせて16か国、65歳以上の約9万3千人のデータを分析したものです。なお、このうち5万7千人あまりは日本の高齢者のデータで、日本の大規模な高齢者調査(JAGES)が大きく貢献しています。

その結果、趣味を持っている人は、うつ症状が少なく、自分の健康状態をよいと感じ、幸福度や人生の満足度が高いという傾向が、国を問わずほぼ共通して見られました。この結果は、配偶者の有無や仕事、収入などの影響を取り除いたあとでも変わらなかったといいます。

さらに、4〜8年にわたって同じ人を追いかけたデータから、「趣味を始めたあとに、うつ症状が減り、幸福度が上がる」という時間の流れも確認されました。研究者たちは、あくまで観察研究なので因果関係を断定はできないとしつつも、趣味が心の健康を支えている可能性を示す結果だとしています。

また、趣味を持つ人の割合が高い国ほど、平均寿命や国民の幸福度も高い傾向が見られたことも報告されています。

つまり、「釣りだから」という以前に、そもそも趣味を持つこと自体が、年を重ねてからの心の健康にとって大切だということです。

どのスポーツが寿命を延ばす?デンマークの25年間の追跡調査

趣味の「種類」によって、健康への効果にちがいはあるのでしょうか。これについて興味深いデータを示しているのが、デンマークのコペンハーゲンで行われた研究です。

「コペンハーゲン市心臓研究」と呼ばれるこの調査では、約8,500人を最長25年間にわたって追跡し、どんなスポーツをしている人が長生きしているかを調べました。2018年に医学誌『メイヨー・クリニック・プロシーディングス』で発表された結果は、次のとおりです。

スポーツの種類運動しない人と比べて延びた寿命(推定)
テニス9.7年
バドミントン6.2年
サッカー4.7年
サイクリング3.7年
水泳3.4年
ジョギング3.2年
体操3.1年
ジムでの運動1.5年

意外なことに、運動量の多いジョギングやジムでのトレーニングよりも、テニスやバドミントンのほうが寿命の延びが大きかったのです。

研究者たちが注目したのは、上位のスポーツがいずれも「相手や仲間が必要なスポーツ」だったことです。つまり、人との交流を自然と伴う運動ほど、長生きと強く結びついていたのです。研究チームも、社会的なつながりが重要な要素である可能性を指摘しています(ただし、これも観察研究なので、因果関係は確定していません)。

残念ながら、この研究の項目に「釣り」は含まれていません。でも、この結果は釣りを考えるうえでとても大きなヒントになります。釣りは、仲間と出かけたり、釣り場で知らない人と交流したりと、社会的なつながりを生みやすい活動だからです。

ゴルフをする人は死亡率が約4割低い?スウェーデンの研究

同じく「屋外で、長時間、仲間と楽しむ」趣味として、よく比較されるのがゴルフです。

スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究チームは、2009年に約30万人のゴルファーのデータを分析し、ゴルフをする人は同じ年齢・性別・経済状況の人と比べて死亡率が約40%低く、寿命に換算すると約5年長いことに相当すると報告しました。

ゴルフは、ゆっくり歩きながら長時間を屋外で過ごし、仲間と会話を楽しむスポーツです。この特徴は、釣りととてもよく似ています。

ダンスや園芸の研究から見えること

体を動かす趣味だけでなく、他のさまざまな趣味についても研究があります。

ダンスについては、2003年にアメリカの医学誌『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』で、ニューヨークの高齢者約470人を追跡した研究が発表されました。その結果、さまざまな余暇活動の中でも、ダンスを頻繁にする人は認知症になるリスクが大幅に低いことがわかりました。音楽に合わせて体を動かしながら、ステップを覚え、相手と呼吸を合わせる。そうした「体と頭と人とのつながり」の組み合わせが、脳によい影響を与えている可能性があると考えられています。

**園芸(ガーデニング)**については、2017年に日本とイギリスの研究者による複数の研究をまとめた分析(メタ分析)が発表され、園芸をすることで、うつ症状や不安の軽減、生活の満足度や生活の質の向上など、さまざまな健康上のよい効果が見られることが示されました。

比べてわかった「長生きする趣味」の共通点

ここまでの研究を並べてみると、心と体を元気にし、長寿につながりやすい趣味には、いくつかの共通点があることが見えてきます。

共通点テニスゴルフダンス園芸釣り
適度に体を動かす
人とのつながりが生まれる
自然の中で過ごす
頭を使う・学び続けられる
高齢になっても続けやすい
成果(収穫)を楽しめる

※研究結果と各趣味の一般的な特徴をもとに、筆者がわかりやすく整理したものです。科学的な評価点ではありません。

こうして見ると、釣りは「運動の強さ」だけならテニスやダンスにかないません。しかし、自然の中で過ごすこと、学び続けられること、高齢になっても続けられること、そして釣った魚を食べる楽しみまであること。これだけ多くの「長生きの条件」をバランスよく満たしている趣味は、実はそう多くありません。

なお、正直にお伝えすると、「釣りをする人はテニスをする人より長生きか」といった、釣りと他の趣味の寿命を直接比べた大規模な研究は、現時点では見当たりません。ここで紹介した比較は、それぞれの研究から見えてくる「元気の条件」をもとにした考察です。この点はぜひ頭に入れておいてください。

6. 論文や文献から見つけた、思わず人に話したくなる釣りの話

ここでは、本筋からは少し外れますが、調べていく中で見つけた「へえ」と思える釣りの話をいくつか紹介します。

「生きがい」がある人は長生きする

釣りの話に入る前に、日本発の有名な研究を一つ紹介させてください。

東北大学の研究チームが宮城県大崎市の約4万3千人を7年間追跡した研究(2008年発表)では、「生きがいがある」と答えた人に比べて、「生きがいがない」と答えた人は、死亡のリスクが約1.5倍高かったと報告されています。

この研究は海外でも大きな注目を集め、「IKIGAI(生きがい)」という日本語は、今では英語圏でもそのまま通じる言葉になりました。

釣り人にとって、「次の休みはどこに行こう」「あの魚をいつか釣りたい」という思いは、まさに生きがいそのものです。釣りは、日々の生活に「楽しみな予定」をつくってくれる趣味でもあるのです。

370年以上前から「釣りは心を穏やかにする」と言われていた

1653年、イギリスでアイザック・ウォルトンという人物が『釣魚大全(ちょうぎょたいぜん)』という本を出版しました。釣りの技術だけでなく、釣りを通じた人生の楽しみ方や、自然への感謝を語ったこの本は、英語で書かれた本の中でも特に多く版を重ねた一冊として知られています。

この本の中でウォルトンは、釣りを「穏やかな心を育てる営み」として描き、聖書の一節を引いて「静かであることを学べ」と語っています。

370年以上も前のイギリスの人が、現代の科学者が研究で確かめつつあることを、すでに体験として知っていたのです。先ほど紹介した開高健も、このウォルトンの本を深く愛した一人でした。

「釣りをしている時間は、寿命から差し引かれない」

英語圏の釣り人の間には、もう一つ有名な言い伝えがあります。「神々は、人が釣りに費やした時間を、その人の寿命から差し引かない」という言葉です。

これも「古代バビロニアのことわざ」などと紹介されることがありますが、出典ははっきりしていません。ただ、世界のどこでも、釣り人たちが「釣りをしている時間は、人生のボーナスタイムのようなものだ」と感じてきたことは確かなようです。

ここまで紹介してきた研究を見ると、この言い伝えも、あながち大げさではないのかもしれません。

乳がんを経験した女性のための「釣りのリトリート」

アメリカには、プロジェクト・ヒーリング・ウォーターズのほかにも、釣りを心の回復に役立てる活動があります。そのひとつが「キャスティング・フォー・リカバリー」という団体です。

この団体は、乳がんを経験した女性たちを対象に、フライフィッシングを学ぶ無料の週末合宿(リトリート)を開いています。竿を振る動きは、手術後の腕や肩のリハビリにもなると言われ、同じ経験をした仲間と川辺で過ごす時間が、心の支えになっているそうです。

日本ではまだあまり知られていませんが、欧米では「釣りを心と体のケアに活かす」という考え方が、少しずつ広がってきています。

釣り人は「自然の見張り番」でもある

オーストラリアの国家調査では、もう一つおもしろい結果が報告されています。それは、熱心な釣り人ほど、釣り場で環境の異変や違法行為に気づき、それを報告しやすいということです。また、多くの釣り人が、ごみ拾いや生息地の保全といった活動にも参加していることがわかっています。

毎週のように同じ川や海に通っていると、水の色や魚の数、生き物の変化に自然と敏感になります。釣りは、自然から恩恵を受けるだけでなく、自然を守る「見張り番」の役割も果たしているのです。

誰かの役に立っているという感覚は、それ自体が幸せの大きな源です。こうした側面も、釣り人の幸福度の高さにつながっているのかもしれません。

「釣り日誌」をつけると、釣りはもっと楽しくなる

最後に、少し実践的な話を。

ベテランの釣り人の中には、釣行のたびに「釣り日誌」をつけている人が少なくありません。日付、天気、潮、場所、使った仕掛け、釣れた魚とその時間。こうした記録を積み重ねていくと、「この季節のこの潮なら、あの場所がいい」といった自分だけの法則が見えてきます。

これは、第2章で紹介した「フロー」や「覚える幸せ」をさらに深める習慣でもあります。記録を見返すことで、自分の上達がはっきり目に見えるからです。自分の成長を実感できることは、趣味を長く続けるための大きな原動力になります。

また、釣れなかった日の記録もちゃんと残しておくのがポイントです。釣れなかった理由を振り返ることで、次の釣行が楽しみになり、「また行きたい」という気持ちが自然と湧いてきます。

7. まとめ 幸せは「釣れた魚」ではなく「釣りを覚えること」にあった

ここまで、「一生幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」という格言について、由来から科学的な裏付けまで、じっくりと見てきました。最後に、各章の内容を振り返ってみましょう。

① 言葉の由来について
この格言を日本で広めたのは、作家・開高健だといわれています。英語圏でも「中国のことわざ」として知られていますが、中国の古典に明確な出典は見つかっていません。

② 言葉の意味について
お酒や結婚、ごちそうといった「消費する幸せ」は、時間とともに薄れていきます。心理学でいう「快楽順応」です。それに対して、釣りを「覚える」ことは、一生使い続けられ、しかも終わりのない学びをもたらしてくれます。この格言は、「育てていく幸せこそが長続きする」という人生の知恵を伝えています。

③ 釣りと幸せの関係について
オーストラリアの国家調査では、釣りをする人はしない人より幸福度が高く、頻度が多いほど幸福度が高いことがわかりました。スペインの研究では熱心な釣り人ほどストレスが低く、アメリカでは釣りが心に傷を負った退役軍人の回復を支えていました。

④ 釣り人が元気な理由について
釣りは、ウォーキング並みの運動量があり、自然の中で過ごす時間を自然と確保でき、脳を休ませ、人とのつながりを生み、頭を使い、そして年齢に関係なく一生続けられる趣味です。

⑤ 他の趣味との比較について
16か国9万人の研究では、趣味を持つこと自体が高齢期の心の健康を支えていました。デンマークの研究では、人との交流を伴うスポーツほど寿命の延びが大きいことがわかりました。釣りは「運動」「自然」「つながり」「学び」「生涯続けられること」という、長生きの条件をバランスよく満たしている趣味だと言えます。

⑥ 知っておきたい釣りの話
「生きがい」が長寿につながること、370年以上前から釣りが心を穏やかにすると語られてきたこと、そして釣りを心と体のケアに活かす取り組みが海外で広がっていることを紹介しました。


こうして振り返ってみると、この格言の本当の意味が見えてきます。

幸せは、釣れた魚の大きさや数にあるわけではありません。

夜明け前に目を覚まし、今日の潮を読み、仕掛けを工夫して、水辺でじっと待つ。釣れた日はもちろん、釣れなかった日でさえ、「次はどうしようか」と考える楽しみが残る。その繰り返しの中で、体が動き、心が整い、人とつながり、少しずつ上達していく。

「一生幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」という言葉は、幸せとは一瞬で手に入れるものではなく、一生かけて育てていくものだと、そっと教えてくれているのかもしれません。

そしてその答えは、今、世界中の科学者たちのデータによって、少しずつ裏付けられようとしています。

もし、あなたがまだ釣りをしたことがないなら、まずは近くの釣り公園や、足場のいい堤防から始めてみてはいかがでしょうか。レンタルの釣り道具がある施設も増えています。最初の一匹を釣り上げたときのあの手ごたえが、もしかすると、あなたの「一生の幸せ」の始まりになるかもしれません。

ただし、水辺に出かけるときは、ライフジャケットの着用や、熱中症・天候の急変への備え、立ち入り禁止区域や釣り場ごとのルールの確認など、安全への配慮を忘れずに。釣りを一生の楽しみにするための、いちばん大切な「覚えること」です。


参考文献・参照元

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  • 2024 Adult Compendium of Physical Activities「Fishing & Hunting」 https://pacompendium.com/fishing-hunting
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  • 開高健『オーパ!』集英社、1978年

ご注意

この記事は、公開されている研究論文や公的機関の調査報告などをもとに、筆者が一般の方にもわかりやすいよう情報を整理・解説したものです。紹介した研究の多くは「観察研究」であり、釣りやその他の趣味が健康や寿命を延ばすことを直接証明するものではありません。また、研究結果の数値は各研究の条件のもとで得られたものであり、すべての人に同じ効果があることを保証するものではありません。

持病のある方や体力に不安のある方は、新しい活動を始める前に医師にご相談ください。釣りを楽しむ際は、ライフジャケットの着用、天候や潮位の確認、熱中症対策、立ち入り禁止区域や漁業権・釣り場のルールの遵守など、安全とマナーに十分ご注意ください。

この記事の内容を参考にされたことにより生じたいかなる損害やトラブルについても、当ブログおよび筆者は一切の責任を負いかねます。あらかじめご了承ください。情報は記事執筆時点のものです。最新の情報は各参照元をご確認ください。

釣りをしているイメージ

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この記事を書いた人

手帳が続かない・考えすぎて動けない、そんな時期を何度も経験してきました。
手帳歴20年以上、GTD・振り返り・小さな習慣を実践しながら、少しずつ自分なりの整理術を見つけてきた人間です。
「頑張りすぎない改善」をテーマに、手帳・習慣化・心理・オカルト・日常の気になることを丁寧に発信しています。

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