以前、「日本語はなぜ難しい?」外国人が苦戦する5つの理由を徹底解説!という記事を書きました。

文字の種類、語順と主語の省略、察する文化、敬語、同音異義語。書き終えてからも、ずっと頭の片隅に引っかかっていることがありました。それは、日本語って一人称代名詞が多すぎない?ということです。
少し思い返してみてください。今日、あなたは自分のことを何と呼びましたか。
職場では「私」、気心の知れた友達の前では「俺」や「僕」、関西の友達となら「うち」、子どもの前では「パパ」「ママ」「先生」。自分の名前で呼ぶ人もいるでしょう。さらにアニメや漫画に目を向けると、「おいら」「ワイ」「拙者」「某」「朕」「わし」…と、とどまるところを知りません。
英語なら”I”ひとつで済む場面なのに、日本語はなぜこんなに自分の呼び方があるのでしょうか?
日本語を学ぶ外国の方が頭を抱えるのも無理はありません。
この記事では、次の疑問をひとつずつ解きほぐしていきます。
- 「一人称代名詞」とは何か(超かんたんに解説します)
- 一人称がこんなに多いのは日本だけなのか(世界の一人称を一覧で紹介します)
- 洋画の吹き替えや字幕で「俺」「僕」と話していた俳優さんは、本当にそう言っていたのか
- 日本のアニメ・漫画・小説で「おいら」「ワイ」と言うキャラは、英語だとどうなるのか
シヴィエさん日本語の一人称、数えだしたらキリがないよね…
アマエビちゃん自分でも場面によって呼び方を変えてるのに、気づいてなかったかも。
少しだけ長い記事になりますが、日本語の見え方がちょっと変わるはずです。最後までおつきあいください。
1. 「一人称代名詞」とは?超わかりやすく解説!
1-1. そもそも「人称」とは
まずは言葉の整理から始めましょう。「一人称代名詞」と聞くと難しそうですが、中身はとてもシンプルです。
「代名詞」とは、名前の代わりに使う言葉のことです。「あれ」「それ」「彼」「あなた」などがそうです。そして「人称」とは、会話の中で誰を指しているかを3つに分けた呼び方です。
| 人称 | 誰を指す? | 日本語の例 | 英語の例 |
|---|---|---|---|
| 一人称 | 話している本人 | 私・俺・僕 | I / we |
| 二人称 | 話しかけられている相手 | あなた・君・お前 | you |
| 三人称 | その場にいない人や物 | 彼・彼女・それ | he / she / it / they |
つまり一人称代名詞とは、話している本人が自分のことを指すときに使う言葉です。「私」「俺」「僕」「うち」は、すべて一人称代名詞です。
ちなみに、小説やゲームで「一人称視点」と言うことがありますよね。あれも同じ「一人称」で、「私(僕)が見たこと」として語られる書き方という意味です。
1-2. 英語の”I”と日本語の一人称は、ここが違う
英語の一人称は、基本的に”I”(私は)と”me”(私を)、そして複数の”we”(私たち)です。日本語の一人称は、これとは仕組みが少し違います。
- 形が変わらない 英語は”I”と”me”で形が変わりますが、日本語は「私が」「私を」のように、言葉の形そのものは同じままです
- 複数は後ろに足す 英語の”we”は別の単語ですが、日本語は「私たち」「僕ら」のように、後ろに言葉を足して作ります
- 言わなくても通じる 英語はほぼ毎回”I”を言いますが、日本語は「お腹すいた」だけで「私はお腹がすいた」という意味になります
- 選べる数がやたらと多い これが今回のテーマです
1-3. 日本語の一人称は「名詞」から生まれた
では、なぜ日本語には一人称がこんなに増えたのでしょうか。大きなヒントは、日本語の一人称が、もともと普通の名詞だったという点にあります。
19世紀の日本語研究者バジル・ホール・チェンバレンは、日本語の文法書の中で、日本語の「代名詞」は、もとの意味がはっきり分かる名詞にすぎないと説明しています。英語で言う”your humble servant”(あなたのしもべ)という言い回しが、「私」の意味になるのと近い感覚だと述べているのです。
実際、今でも一人称には、もとの意味の名残があります。
- 私(わたし) 「個人的な」「私的な」という意味も持っています。「公」の反対側の言葉です
- 僕 漢字としては「しもべ」を意味する字です。ふだん使うときには意識しませんが、もとはへりくだった言い方だったことが分かります
- 自分 「自分自身」という意味の言葉です。体育会系や軍隊などで一人称として使われてきましたが、最近は若い男性が気軽な一人称として使う場面も増えているといわれます。なお関西では、相手のことを指して「自分」と呼ぶ(つまり二人称になる)こともあります
- うち 「内」、つまり身内・仲間という意味から来ています。「うちの犬」のように、「私たちの」という意味でも使えます
- わし 「わたし」がなまって縮んだ形だと説明されています。年配の男性や博士のイメージが強い言葉です
- 俺 もともとは男女の区別なく使われた言葉でしたが、現代では男性が同等か目下の相手に使う言葉になりました
英語の”I”は、「私」という意味しかありません。でも日本語の一人称は、言葉そのものに別の意味や雰囲気がくっついているのです。だから使うたびに、「へりくだっている」「親しみがある」「偉そう」といった印象が、一緒に相手に伝わってしまいます。
さらに日本語の代名詞は「新しいメンバーが加わり続ける」仕組みになっています。専門的には「開いたグループ(開放語類)」と呼ばれ、普通の名詞が新しい代名詞として使われることが、今も続いています。先ほどの「自分」はその最近の例です。
1-4. 代表的な一人称をざっくり一覧にしてみた
ここで、よく見かける一人称のイメージをまとめてみます。あくまで「世間一般に持たれているイメージ」であり、使う人や地域によって違いがあります。
| 一人称 | 持たれやすいイメージ |
|---|---|
| わたくし | とても丁寧。ビジネスや公式な場 |
| わたし | いちばん標準的。男女とも使いやすい |
| あたし | くだけた女性の話し方のイメージ |
| 僕 | やわらかい男性の話し方。学生や少年、目上の人の前でも使いやすい |
| 俺 | 仲間うちで使う、くだけた男性の話し方 |
| うち | 関西を中心に、若い人が友達同士で使うイメージ |
| 自分 | 体育会系。最近は若い男性にも |
| おいら | 威勢のいい庶民、いたずら好きの少年のイメージ |
| ワイ | 関西弁由来とされ、ネット上でも広まった砕けた言い方 |
| わし | 年配の男性、博士、長老のイメージ |
| 拙者(せっしゃ) | 侍や時代劇のイメージ |
| 某(それがし) | 古風な武士のイメージ |
| 麿(まろ) | 平安貴族のイメージ |
| 我輩(わがはい) | 偉そうな、文豪風のイメージ。夏目漱石の小説の題名でおなじみ |
| 朕(ちん) | 皇帝や王様 |
下のほうの「拙者」「某」「麿」「朕」あたりは、現実の私たちの暮らしではほとんど耳にしないのに、フィクションの中ではおなじみという点が面白いところです。この不思議については、第4章でもう一度出てきます。
1-5. 実は、子どもでも場面で使い分けている
「大人だから使い分けられる」と思われがちですが、日本の小学生のデータを見ると、子どもたちも驚くほど上手に使い分けています。
日本語学の研究者である三枝令子氏(2009年)の調査(2008年に小学生を対象に実施)を、英語版Wikipediaが紹介していますが、その結果の一部を表にしました。
| 場面(男子児童) | いちばん多かった一人称 | 次に多かった一人称 |
|---|---|---|
| 友達と話すとき | 俺(72%) | 僕(19%) |
| 家族と話すとき | 俺(62%) | 僕(23%) |
| 授業中 | 僕(85%) | 俺(13%) |
| 初対面の来客に対して | 僕(64%) | 俺(26%) |
| 担任の先生に対して | 僕(67%) | 俺(27%) |
男子児童は、友達や家族の前では「俺」、授業や先生の前では「僕」へと切り替えていることが分かります。女子児童では、初対面のお客さんに対しては「わたし」が75%、担任の先生に対しても「わたし」が66%でした。
小学生が、誰に向けて話すかによって一人称を無意識に着替えているのです。私たち日本語話者にとっては当たり前すぎて気づきにくいことですが、これだけでも十分すごいことです。
1-6. 「一人称は135個あった」という留学生のスピーチ
在ノルウェー日本国大使館のサイトには、日本語を学ぶノルウェーの大学生が書いた、「一人称、多いね…」というスピーチ原稿が掲載されています。
その学生は、日本語の一人称を自分で数えたところ、135個もあったと話しています(学生自身の数え方で、公式な数字ではありません)。さらに、日本語のクラスで毎回違う一人称を使って、友達や先生を困らせたそうです。ノルウェー語よりもはるかに多いというのですから、外国の方にとっては本当に驚きの世界なのでしょう。
古い言い方や方言、ネットの言葉まで含めれば、数え方次第でもっと増えるかもしれません。
1-7. 一人称は「言わない」こともできる
ここまで読むと、「日本語は一人称だらけの言語」と思うかもしれません。ところが実際は逆で、日本語は一人称をあまり使わない言語でもあります。
日本語には「主語を必ず言わなければいけない」という決まりがありません。たとえば「寂しい」だけで「私は寂しい」という意味になります。自分以外の気持ちを言うときは、「寂しそう」のように形が変わります。同じように「猫が欲しい」は、聞いた人が自然と「私が」と受け取ります。「あげる」と「くれる」のように、動詞の中に「誰から誰へ」が含まれていて、一人称がなくても分かる言葉もあります。
ですから、英語の”I”のように「毎回言わないと文が成り立たない」わけではなく、使うときはわざわざ選んで使うのです。これは私の見立てですが、日本語の一人称が多いのは、「普段は言わないぶん、言うときには自分の立場や気持ちまでしっかり込めたい」という性質の表れなのかもしれません。
2. 一人称がこんなにあるのは日本だけ?世界の一人称を一覧で紹介!
2-1. 結論から言うと「日本だけではない」
先に答えを言ってしまうと、一人称がたくさんある言語は日本語だけではありません。ただし、世界の中ではむしろ少数派で、東アジアや東南アジアの言語に集中していることが、言語学の研究で分かっています。
2-2. 一人称がほぼ一つの言語
多くのヨーロッパの言語は、基本の一人称がほぼ決まっています。
- 英語 I
- ドイツ語 ich(イッヒ)
- フランス語 je(ジュ)
- スペイン語 yo(ジョ)
もちろん、これらの言語にも使い分けはあります。ただし、使い分けの中心は「あなた」の側です。たとえばフランス語やドイツ語には、親しい相手に使う「あなた」と、丁寧に話す相手に使う「あなた」の2種類があります(言語学では「T-V区別」と呼びます)。英語も昔は”thou”と”you”で使い分けていました。
一人称のほうは、王様が「わたしたち」の意味で自分のことを”we”と呼ぶ(英語圏で「王の“we”」と呼ばれる言い方)という特別な例を除けば、場面によって何種類も使い分ける仕組みにはなっていません。
2-3. アジアの国々の一人称を並べてみた
一方、アジアの言語に目を向けると、日本語に負けず劣らず多彩な世界が広がっています。
| 言語 | 代表的な一人称の例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 中国語 | 我、咱(ザン)、本人、人家 | 「我」がもっとも一般的です。「咱」は聞き手を含める言い方です。「人家」は女性が親しみを込めて使うことが多く、甘えた雰囲気になります |
| 韓国語 | 나(ナ)、저(チョ) | 「나」は気楽な言い方、「저」はへりくだった丁寧な言い方です |
| タイ語 | ผม(ポム)、ดิฉัน(ディチャン)、ฉัน(チャン)、เรา(ラオ)など | 「ポム」は男性の標準的な一人称ですが、「髪の毛」という意味の言葉でもあります。「ラオ」は本来「私たち」ですが、くだけた「私」としても使われます |
| ベトナム語 | tôi(トイ)に加えて、anh(兄)、chị(姉)、em(弟・妹)などの親族を表す言葉 | 「tôi」は丁寧な場でも使える唯一の人称代名詞ですが、実際には家族を表す言葉で自分や相手を呼ぶことがとても多いです |
| インドネシア語 | saya(サヤ)、aku(アク)、gue(グー)など | 丁寧さや親しさで使い分けます。名前や家族の呼び方で自分を指すこともあります |
2-4. 海外の研究では「代名詞を避ける言語」と呼ばれている
ここからは、日本語の記事ではあまり見かけない、海外の言語研究の話です。
世界の言語の構造を比べる国際的なデータベース「WALS(世界言語構造地図)」には、「丁寧さのために代名詞を避ける言語」という分類があります。ドイツの言語学者ハルムブレヒトが2013年にまとめたもので、ここに入っているのは、世界中でたった7言語です。
- 日本語
- 韓国語
- ベトナム語
- インドネシア語
- クメール語(カンボジア)
- タイ語
- ビルマ語(ミャンマー)
見事に、東アジアと東南アジアばかりです。トロント大学での2020年の学会ポスターでは、これらの言語の代名詞を、ヨーロッパの言語の代名詞とは別のタイプとして整理しようという試みが紹介されています。ポスターによれば、このタイプの代名詞には次のような共通点があるとされています。
- 数が決まっておらず、新しい言葉がどんどん加わる
- 人間だけを指すことが多い(物や動物には使わない)
- 親族を表す言葉や肩書きと、とても近い仲間として扱われる
- そもそも使わずに済ませることが多い
日本語にもほとんど当てはまりますよね。日本語の一人称が多いのは、日本語が変わっているからというより、この地域の言語に共通する性質だと考えられるのです。
さらに、タイ語、ビルマ語、マレー語、インドネシア語、ジャワ語、韓国語を調べた別の研究では、これらの言語で、親族の呼び方などが人称代名詞の代わりに非常に多く使われていることが報告されています。英語や中国語でもこうした言い方はありますが、使われる範囲はずっと限られています。
2-5. 「自分の呼び方」に社会の仕組みが見える
では、なぜこうした言語では、一人称が増えるのでしょうか。海外の研究では、人間関係を言葉の中に組み込んでいるからと説明されることが多いです。
たとえばベトナム語では、初対面の人同士が年齢を聞き合うことがあるそうです。年齢が分かって初めて、お互いを「兄」「姉」「弟」「妹」のどれで呼べばいいかが決まるからです。呼び方は、相手との年齢差だけでなく、話している人の気持ちまで映し出します。女性が自分の名前で自分を呼ぶのも、よくあることだと報告されています。
タイ語でも、先輩を表す「ピー」や後輩を表す「ノーン」が、一人称にも二人称にも使われます。先生の肩書きが一人称になることもあり、王室の人や僧侶に話しかけるときのための専用の代名詞まで用意されています。
インドネシア語の研究では、一人称の選び方を、丁寧さの度合いだけでなく、話し手がその場でどんな「立ち位置(スタンス)」を取りたいかという点から説明する考え方も出ています。
これは、日本語の「俺」「僕」「私」の使い分けとよく似た感覚です。自分を何と呼ぶかは、自分の立場や気持ちを、相手に向けて表明する行為でもあるのです。
2-6. 日本語の「I」にいちばん近いのはどれ?
2021年、香港の研究者イーとウォンは、国際的な言語学の雑誌『Journal of Pragmatics』に、日本語の一人称を扱った論文を発表しました。
この論文では、「俺」「私」「自分」「僕」「あたし」「うち」の6つを分析しています。なぜ「俺」は強い男性らしさを感じさせ、「あたし」は強い女性らしさを感じさせるのか。それがこれまで十分に説明されていなかった、という問題意識から出発しています。
そして論文は、人間の言葉に共通して存在すると考えられる最もシンプルな意味の「I」(言葉で説明できない、これ以上分解できない言葉)に、日本語でいちばん近いのは「自分」ではないかと提案しています。男でも女でも、へりくだりも偉ぶりもしない、いちばん素朴な「わたし」ということです。「自分」が最近の若い人に広がっているのも、そう考えると興味深いですね。
2-7. 一人称は、権力によっても変わってきた
最後に、歴史の話をひとつ。「朕」という一人称です。
「朕」は皇帝だけの言葉というイメージがありますが、実はもともとは身分に関係なく誰でも使える言葉でした。紀元前の中国の詩人・屈原の作品『離騒』に、自分の亡き父を指して「朕の皇考(こうこう)は…」と語る一節があります。また、後漢の蔡邕(さいよう)という人物が書いた書物には、昔は身分の高い人も低い人も「朕」と言ったと書かれています。
それが一変したのは、秦の始皇帝のときです。歴史書『史記』には、始皇帝が皇帝の称号を決めるときに、天子(皇帝)が自分のことを「朕」と呼ぶように定めたことが記されています。この瞬間から、「朕」は皇帝だけが使える特別な一人称になりました。
同じ頃の中国では、諸侯の王たちが「孤」「寡人(かじん)」といった、「ひとりぼっちの者」を意味するようなへりくだった言い方で自分を呼ぶことも多かったそうです。偉い人があえて「孤独な私」と名乗るのは、なんだか不思議な感じがしますね。
日本でも、天皇が公式な文書の中で「朕」を使いました。終戦の玉音放送でも使われています。ただし、戦前でも「朕」が使われたのは文書とその朗読だけで、昭和天皇は日常の話し言葉では「わたし」を使っていたとされています。戦後は公式な場でも使われなくなり、現在は「わたくし」が使われています。
こうして見ると、一人称は単なる言葉ではなく、時代の権力や上下関係を映す鏡でもあることが分かります。
2-8. 日本語を学ぶ人の目には、どう映る?
最後に、日本語を学ぶ外国の方の声も紹介します。
オンライン学習サイトWaniKaniのコミュニティには、日本に2か月滞在した17歳の男性の体験談が投稿されています。滞在先のホストファミリーに、「男の子なんだから、ほとんどの場面で『私』より『俺』を使うべきだ」とからかわれたそうです。その後、同年代以上の男性は、性格やその場に合わせて「俺」か「僕」を使い分けているのだと気づいたといいます。
これはあくまで1人の学習者の体験談ですが、教科書で最初に習う「私」を、日本人の友達同士ではあまり使わないという現実に、多くの学習者が驚くのだと分かります。迷ったときは「私」を使っておけば、少なくとも失礼になることはありません。日本語学習者向けの解説でも、ビジネスなどの公式な場では、誰でも「私」を使うと説明されています。
3. 洋画の吹き替えや字幕の「俺」「僕」は、翻訳の時にどう選んでいる?
3-1. 俳優さんは「俺」とは言っていない
ここからは、映画やドラマが好きな方にぜひ読んでほしい章です。
洋画の吹き替え版や字幕版で、主人公が「俺に任せろ」と言ったり、上品な女性が「わたくしがうかがいますわ」と言ったりしますよね。でも、英語で話している俳優さんは、「俺」とも「わたくし」とも言っていません。多くの場合、英語では、どちらも同じ”I”です。
つまり、洋画の吹き替えや字幕で聞こえる「俺」「僕」「私」「わし」は、俳優さんの言葉ではなく、翻訳をする人が、キャラクターを考えながら選んだ日本語なのです。英語の”I”には「男らしさ」も「年齢」も「身分」も含まれていません。だから日本語に直すときには、一から一人称を選び直す必要があります。
英語版Wikipediaの「日本語の代名詞」の項目も、日本語の代名詞は、英語から日本語へ(あるいはその逆に)一対一で置き換えられることがめったにない、と説明しています。
3-2. 翻訳者は、何を手がかりに一人称を決めるのか
では、翻訳者はどんなことを手がかりに、一人称を決めているのでしょうか。映像翻訳の現場の考え方を整理すると、おおよそ次のような要素が考えられます。
| 手がかり | 例 |
|---|---|
| 年齢 | 少年なら「ぼく」、若者なら「俺」、老人なら「わし」 |
| 性別 | 女性なら「わたし」「あたし」。ただし今は性別でそう単純に決められないことも |
| 職業や身分 | 王様なら「余」「わたし」、軍人なら「自分」、お嬢様なら「わたくし」 |
| 性格 | 粗野で強気なら「俺」、几帳面で慎重なら「僕」「私」 |
| 話す相手 | 上司や初対面なら「私」、友人なら「俺」、恋人の前では「僕」など |
| 場面 | 会議や公の場なら「私」、プライベートなら砕ける |
| 作品の時代やジャンル | 中世ファンタジーなら古めかしい一人称、現代劇なら普通の言い方 |
| 他の話し方との組み合わせ | スラングが多い、早口、乱暴など、英語での話し方に合わせて日本語の口調を選ぶ |
3-3. 同じ”Leave it to me.”でも、これだけ変わる
試しに、英語の”Leave it to me.”(私に任せて)という一言を、いろいろなキャラクターに言わせてみましょう。ここでは、特定の映画のセリフではなく、私が考えた例です。
| キャラクターのイメージ | 日本語の吹き替え例 |
|---|---|
| 新人の真面目な部下 | 「僕にお任せください」 |
| 凄腕の女性弁護士 | 「私に任せて」 |
| 荒っぽい刑事 | 「俺がやる。任せとけ」 |
| 白いひげの老魔法使い | 「わしに任せておきなさい」 |
| 少年のヒーロー | 「ぼくに任せて!」 |
英語は同じ”I”(正確にはこの文では”me”)なのに、日本語にするとこれだけ違う印象になります。しかも、どれを選ぶかによってキャラクター像が決まってしまうのですから、翻訳者の責任は重大です。
3-4. 途中で呼び方が変わることもある
物語の途中で、一人称を変える演出もあります。たとえば、最初は丁寧に「私」と話していた登場人物が、心を開いた場面で急に「俺」になる。そんな変化を、日本語の翻訳では関係の変化として見せることができます。
英語の”I”だけでは見せられない変化なので、翻訳者が「ここは気持ちが変わる場面だから一人称も変えよう」と考えて、あえて日本語で足している場合があります。見えないところで、翻訳者がキャラクターの成長に寄り添っているのです。
3-5. 字幕と吹き替えでは、一人称の扱いも違う
同じ映像でも、字幕版と吹き替え版では一人称の扱いが少し違います。
字幕は、一度に表示できる文字数がとても限られています。そのため、要点だけを短く伝えることが優先されます。日本語は一人称を省略できる言語なので、字幕では「私は」「俺は」を思い切って削ることが多くなります。結果として、字幕では一人称が目立たなくなる場合があります。
吹き替えは、口の動きや話すスピードに合わせる必要があります。字幕ほど文字数には縛られませんが、映像との同期という別の制約があります。さらに、声優さんの演技という、もうひとつのフィルターを通ります。翻訳者が台本に「俺」と書いても、それを声優さんがどんな声で言うかによって、キャラクターの印象はさらに変わります。
下関短期大学の紀要(2021年)に掲載された、韓国映画の日本語字幕と吹き替えを比べた研究では、字幕は要点だけを伝える翻訳になる一方、吹き替えは内容だけでなく俳優の話し方の癖まで忠実に伝えようとしていたと報告されています。
また、韓国語から日本語に訳すときに、敬語が削られてしまい、登場人物同士の親しさ・距離感が伝わりにくくなっていたという指摘もあります。韓国語も、日本語と同じように人間関係が言葉の中に組み込まれた言語です。翻訳で、その部分が抜け落ちてしまう難しさが分かります。
3-6. 吹き替えの台本は、誰が作っているの?
吹き替えの台本づくりは、吹き替え翻訳という専門の仕事です。映像翻訳者の解説によれば、声優さんが読むための台本を作る作業で、セリフだけでなく「ドアが開く」「振り向く」といったきっかけの動きや音まで台本に書き込みます。字幕翻訳と吹き替え翻訳は別々の技術が必要で、両方こなせる翻訳者はそれほど多くないそうです。
作品や制作会社によっては、翻訳者が書いた台本に、演出の担当者や監修者が手を入れ、最終的に声優さんの演技で仕上げるという流れになります(体制は作品によって異なります)。つまり、あの「俺」は、翻訳者・演出・声優さんの共同作業で生まれているのです。
3-7. 翻訳が、日本語そのものを作ってきた
ここで、少し脱線して面白い歴史を紹介します。
実は、私たちが普段使っている「彼女」という言葉は、翻訳のために生まれた言葉だと説明されています。もともと日本語には、”she”にぴったり当たる言葉がありませんでした。明治時代、西洋の小説を日本語にする必要が出てきて、「かの女」という言い回しが使われるようになり、そこから「彼女」が定着していきました。坪内逍遥の小説『当世書生気質』(1885年)などに、その初期の例が見られます。
これは三人称の話ですが、翻訳が日本語に新しい言葉を作り出してきたことがよく分かる事例です。一人称も、翻訳を通じて新しい使い方が広まっていく可能性があります。たとえば、フランスの王の言葉として有名な「朕は国家なり」も、日本語に訳すときに「朕」を選ぶことで、王様らしさを一瞬で伝えています(この言葉を実際に王が言ったのかどうかは、諸説あります)。
4. 逆に、日本のアニメ・漫画・小説・ドラマ・映画で「おいら」「ワイ」と言うキャラは、英語だとどうなる?
4-1. 結論は「たいてい”I”」。でも、工夫はある
前の章とは逆に、今度は日本の作品を英語に訳すときの話です。
結論から言うと、「おいら」も「ワイ」も「拙者」も、英語ではほとんどの場合”I”になります。英語に、一人称をこれほど細かく使い分ける仕組みがないからです。
でも、そのまま全部”I”にしてしまうと、キャラクターの個性が消えてしまいます。そこで翻訳者はさまざまな工夫をします。その前に、まず「役割語」という考え方を知っておく必要があります。
4-2. 「役割語」とは?
日本語学者の金水敏氏は、2003年に『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』という本で、役割語という考え方を提唱しました。
役割語とは、聞いただけで「こんな人だな」と思い浮かべてしまう話し方のことです。たとえば、次のような話し方です。
- 「そうじゃ、わしが知っておるぞ」と聞くと、年配の博士
- 「そうですわ、わたくしが存じておりますの」と聞くと、お嬢様
- 「うむ、拙者が存じておる」と聞くと、侍
- 「そやそや、わてが知ってまっせ」と聞くと、関西出身の商人風の人
どれも、現実にそんな話し方をする人はあまりいないのに、私たち日本語話者は、なぜか一瞬でキャラクター像を思い浮かべられます。役割語は、言語のステレオタイプ(決まりきったイメージ)なのです。
金水氏は2024年の日本言語学会での講演で、日本語は、世界で知られている言語の中でも、この役割語の種類の多さと使われる頻度の高さが際立っていると述べています。性別、年齢、職業や階層、地域、時代など、あらゆる切り口で役割語が用意されているのです。
そして、役割語の主役のひとつが、一人称です。「おいら」「わし」「拙者」「麿」「朕」は、まさに役割語の一人称の代表選手です。
4-3. 英語に訳すとき、翻訳者が使う工夫
役割語は、英語の「性別や年齢で変わらない一人称」だけでは表現できません。そこで、翻訳者は次のような工夫を組み合わせます。
- “I”にして、口調で個性を出す ”I”はそのままに、”gonna”(〜するつもり)、”ain’t”などのくだけた言い方、あるいは堅苦しい文体を使って、キャラクターを表現します
- 古風な英語を使う 侍や王様など、古めかしいキャラクターには、”thou”のような昔の英語や、堅い言い回しを使うことがあります
- 方言や訛りに置き換える 関西弁のキャラクターを、英語の地方の訛りや話し方で表すことがあります
- 名前で自分を呼ばせる 子どもや甘えん坊のキャラクターが、自分の名前で自分を呼ぶ場合、英語でも”Mika wants this!”のように、自分を名前で呼ばせる方法があります
- 日本語の音を残す あえて”watashi”や”ore”のままにしたり、説明を加えたりして、日本語らしさを残す方法です
オランダのライデン大学の修士論文(ハイリンク、2018年)は、役割語を英語に訳すのは非常に難しく、日本語には英語にはない変化の余地がたくさんあるためだと指摘しています。論文では、日本語らしさをあえて残す「異化翻訳」という方法で、どこまで役割語を訳せるかを検証しています。
4-4. 日本語の一人称を英語にすると、こうなる(例)
あくまでも一般的な訳し方の「例」ですが、キャラクターごとに表にしてみます。
| 日本語の一人称 | キャラクターのイメージ | 英語での訳し方の例 |
|---|---|---|
| おいら | 元気で威勢のいい少年・庶民 | “I”に、くだけた口調やスラングを加える |
| ワイ | 関西風の砕けた男性、ネット風のキャラ | “I”に、砕けた口調や地方の訛りを加える |
| 拙者 | 侍 | “I”に、堅い古風な文体を加える。または”this one”のような独特な言い方 |
| 朕 | 皇帝・王様 | 堅い文体の”I”。または王様の”we” |
| わし | 年配の博士・長老 | “I”に、年寄りらしい話し方を加える |
| 俺様 | 自信過剰で偉そうな男性 | “I”に、尊大な言い回しを加える |
| 自分の名前 | 子どもや甘えん坊 | 自分の名前を主語にする(三人称で自分を呼ぶ) |
ちなみに、「俺様」は、「俺」に敬称の「様」をつけた言葉で、自分を偉く見せるための造語的な言い方です。英語には、似たような仕組みの一人称がありません。
4-5. 『君の名は。』の字幕に見る、英訳のむずかしさ
具体的な例として、海外の言語ブログ「All Things Linguistic」が2017年に取り上げた、アニメ映画『君の名は。』の英語字幕の話が面白いので紹介します。
物語の中で、女の子の三葉が、男の子の瀧の体に入れ替わります。目を覚ました三葉は、最初は「わたし」と言い、やがて「ぼく」と言い、最後に「俺」と言います。瀧の体にふさわしい一人称を探して、試行錯誤する場面です。
日本語の観客にとっては、「わたし」「ぼく」「俺」で、三葉の戸惑いと成長が伝わってきます。ところが英語にはその区別がないので、字幕の翻訳チームは、それぞれの”I”のあとに日本語の一人称を添えるという方法を選んだと、ブログは紹介しています。
英語では説明できなかった一人称の違いを、日本語の音をそのまま見せることで補った例です。翻訳の限界と、翻訳者の苦労がよく分かる場面ですね。
4-6. 『パーフェクトブルー』の英訳を調べた海外の論文
スペインのジャウメ1世大学の研究者が書いた論文は、今敏監督のアニメ映画『パーフェクトブルー』(1997年)を取り上げています。
この論文は、日本語の原作と、アメリカ英語に翻訳された字幕版・吹き替え版を比べて、一人称、二人称、文末の言い方が英訳でどう扱われたかを分析しています。日本語は、性別を話し方で表すのが得意な言語です。その特徴が、英訳でどこまで伝わったのかが検証されているのです。
アニメは世界中で人気のある文化です。だからこそ、一人称という小さな言葉の訳し方が、作品の見られ方を左右するとも言えるでしょう。
4-7. 逆パターン。英語のゲームを日本語にしたら…
面白い研究がもうひとつあります。ノルウェーのオスロ大学の修士論文(ヨルスタッド)は、アメリカ発のゲーム『Undertale』が日本語にローカライズされたときの話を分析しています。
その結果、日本語版では、役割語がとても豊富に使われていることが分かりました。登場人物を区別して魅力的に見せるために、日本語版では役割語が積極的に使われ、そのおかげでゲームがより楽しくなっているというのです。
論文は、皮肉なことに、こうしたローカライズは現実の日本の人たちの話し方とは大きく違っていると述べています。つまり、日本語の吹き替えや翻訳作品の中の「俺」「わし」「あたし」は、現実以上にキャラクターを際立たせるために強調された日本語だということです。これは、第3章で見た「洋画の吹き替えの俺は、英語の俳優さんの言葉ではない」という話とも、きれいにつながります。
4-8. ワイ、おいら、ネットの一人称
最近のネットでは、「ワイ」のようにくだけた一人称が、キャラクター付けとして広まっています。これらを英語にするときは、もともと「ネット風」「関西風」「少年風」といった雰囲気を持つ言葉なので、それを英語でどう表すかが、翻訳者の腕の見せどころになります。
結局のところ、日本の作品の一人称を英語にするのは、言葉を訳すというより、キャラクターを訳す仕事に近いのだと思います。
役割語には、現実の人々とは違う、偏ったイメージを押しつけてしまう側面があります。たとえば、外国人や特定の地域の人を、決まった話し方で描く表現には、注意が必要だと指摘されることもあります。「役割語は現実の話し方とは別物」という点を、頭の片隅に置いておくと、作品をより客観的に楽しめます。
よくある質問
Q1. 日本語の一人称は、全部でいくつありますか?
数え方によって大きく変わります。たとえば、ある留学生が自分で数えたところ135個あったと紹介されていますが、方言や古い言い方、ネットの言葉まで含めれば、もっと増える可能性があります。決まった正解はありません。
Q2. 一人称が多い言語は、日本語だけですか?
いいえ、日本語だけではありません。韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語など、東アジアや東南アジアの言語に多く見られます。WALSという国際的な言語データベースでも、「丁寧さのために代名詞を避ける言語」として7言語が挙げられています。
Q3. 洋画の吹き替えの「俺」は、誰が決めていますか?
主に吹き替え翻訳者が台本を書き、演出や監修の担当者が調整し、最終的に声優さんの演技で仕上がります。作品や制作体制によって異なりますが、一人で決めているわけではありません。
Q4. 日本語を学ぶとき、一人称は何から使えばいいですか?
迷ったら「私」がおすすめです。ビジネスなどの公式な場で誰でも使えるうえ、使い方を間違えて失礼になる心配がほとんどありません。慣れてきたら、周りの人の話し方を観察して、友達同士の場面では「僕」や「俺」を試してみるとよいでしょう。
まとめ|日本語の一人称が多いのは「人との距離」を言葉に込めるから
ここまで、日本語の一人称をめぐる旅をしてきました。各章を振り返ってみましょう。
| 章 | 分かったこと |
|---|---|
| 1. 一人称代名詞とは | 話している本人を指す言葉。日本語の一人称はもともと名詞で、言葉自体に意味や雰囲気がくっついている。子どもでも相手によって使い分けている |
| 2. 世界の一人称 | 多いのは日本語だけではなく、東アジア・東南アジアの言語に集中している。関係性を言葉に組み込む社会の仕組みが背景にあると考えられる。「朕」のように、権力によって意味が変わった言葉もある |
| 3. 洋画の吹き替え・字幕 | 英語ではほとんど”I”ひとつ。吹き替えの「俺」「僕」は、翻訳者がキャラクターを考えて選んだ日本語。字幕と吹き替えでも扱いが違う |
| 4. 日本作品の英訳 | 「おいら」「ワイ」「拙者」も英語では基本”I”。口調や古風な英語、名前、日本語の音などで個性を補っている。日本語の役割語は、世界でも特に豊か |
日本語の一人称が多いのは、単に「言葉の数が多い」からではありません。自分と相手との距離、年齢や立場、そのときの気持ちまで、自分を呼ぶ一言に込めているからです。そして、日本語はその仕組みをフィクションの世界でさらに発展させて、「おいら」「拙者」「朕」といった役割語まで楽しんでいる、世界でも珍しい言語だと言えそうです。
そう考えると、「私」と言うか「俺」と言うか悩むこともまた、日本語を使う人間ならではの感覚です。外国の方が一人称に戸惑うのは、日本語のルールが複雑だからというだけでなく、日本語が、人と人との関係を大切にする言葉だからなのかもしれません。
次に映画やアニメを観るときは、キャラクターが自分を何と呼んでいるかに、ぜひ耳を傾けてみてください。その一言に、翻訳者やクリエイターの工夫と、キャラクターの人生が詰まっています。
シヴィエさん吹き替えの「俺」が実は翻訳者さんの選択だったなんてびっくり!
アマエビちゃんこれからは字幕と吹き替え、見比べて楽しめそうだね。
気になったことの先には、いつも人間がいる。そんなことを感じた、一人称のお話でした。
参考文献・参照元
国内の資料
- 一人称の種類はいくつある?創作に使えるかっこいい、面白い、昔の一人称も解説(All About)
- 俺とは(Weblio辞書)
- 朕とは(Weblio辞書)
- 在ノルウェー日本国大使館 日本語スピーチ「一人称、多いね…」
- 国際交流基金 金水敏「日本語・日本語教育を研究する 第41回『役割語』とは何か」
- 金水敏 日本言語学会第169回大会 基調講演「日本語の役割語はなぜこんなに豊かなのか」(PDF)
- 下関短期大学紀要 第39号(2021年3月)掲載の韓国映画の字幕翻訳と吹き替え翻訳に関する研究
- All About 「憧れの仕事」韓国ドラマ・映画の映像翻訳者(幡野泉)
- Highlighting Japan(政府広報)2024年8月号 日本語から英語への漫画翻訳者へのインタビュー(PDF)
- 羊城晩報(鳳凰網掲載)「百姓也曾自称『朕』」(中国語)
- 漢典(zdic)「朕」の項目(中国語)
- ニコニコ・pixiv百科事典 「朕」の項目
海外の資料
- Wikipedia(英語版)Japanese pronouns(チェンバレン1886年、三枝2009年などの引用を含む)
- Wikipedia(英語版)Yakuwarigo(金水敏2003年、Teshigawara & Kinsui 2012年の引用を含む)
- Wikipedia(英語版)Pronoun avoidance
- Wikipedia(英語版)Vietnamese pronouns
- Yee, T. B. L. & Wong, J. (2021). Japanese first-person singular pronouns revisited: A semantic and cultural interpretation. Journal of Pragmatics, 181, 139-161(要旨)
- McDonald (2020). What type of pronouns do Japanese and Korean have?(トロント大学、カナダ言語学会ポスター)
- Pronoun substitutes and address terms in Thai, Burmese, Malay, Indonesian, Javanese and Korean(lingbuzz)
- Pronouns in Thai(Verbatim, Vol. XXXI No. 4)
- Pronouns and other person-referring items: Indonesian and typological implications(Conners)
- Farris. Personal pronouns in Vietnamese(Rocznik Orientalistyczny)
- Probe into the Origin of Personal Pronoun「朕」(Sinología hispánica, 2017)
- Heerink, D. (2018). Yakuwarigo Lost in Translation: A Foreignising Approach to Translating Yakuwarigo(ライデン大学修士論文)
- Jørstad, M. Localization of Undertale, An American Video Game, Into Japanese(オスロ大学修士論文)
- Perfect Blue(今敏監督)の一人称・二人称・文末表現の英訳を分析した論文(Universitat Jaume I, MonTI)
- All Things Linguistic「Your Name’s English subtitles struggle to show difference between “I” and “I” in Japanese」
- LingoDeer Blog「I in Japanese: 8 Ways to Say It」
- Japanese with Anime「First person pronouns」「washi」
- WaniKani Community「How do you personally say “I”/“me” when in Japan?」
- Coto Academy「How to Naturally Say I or Me in Japanese: Watashi, Boku or Ore?」

