秋は野鳥の撮影が楽しい!11月の渡り鳥とレンズ・服装・安全対策ガイド

秋の風が心地よくなる頃、野鳥の世界は一気ににぎやかになります。北の国からは冬を日本で過ごすための渡り鳥が次々に飛来し、夏のあいだに日本で子育てをした鳥たちは南へと旅立っていきます。さらに、柿やナナカマドなどの木の実が色づくと、その実を目当てに野鳥が庭先や公園にもやってきます。気温も真夏や真冬に比べて過ごしやすく、長い時間カメラを構えていても体への負担が軽いので、野鳥撮影を始めるには本当にぴったりの季節です。

一方で、秋は注意したいこともたくさんあります。スズメバチは秋に攻撃的になり、マダニは11月ごろまで活動し、冬眠前のクマは餌を求めて動き回ります。「せっかくの撮影が、痛い思いや危ない思いで終わってしまった」ということのないように、楽しさと安全の両方をこの1本でお伝えします。

目次

この記事のポイント(先に結論)

  • 11月は、ジョウビタキやツグミなどの冬鳥、各地のカモ類やハクチョウ、九州のツルなど、見どころが多い時期です。
  • 寒地(北海道・東北など)ではハクチョウ、オオワシ、ギンザンマシコ、シマエナガ。暖地(九州・四国・沖縄など)ではツル、サシバ、ヒレンジャク、冬鳥のカモ類が目玉になります。
  • 野鳥を大きく写したいなら、フルサイズ換算で400mm以上の望遠レンズがひとつの目安です。慣れてきたら600mm前後が使いやすく感じられます。
  • 鳥は人間よりも多くの色を見分けています。服装は「派手な色を避けて落ち着いた色にする」ことが基本ですが、ハチ対策では黒を避け、マダニ対策では明るい色が有利です。
  • 餌付け、鳴き声での誘引、フラッシュの使用、巣への接近、珍しい鳥の場所をすぐにSNSへ載せる行為は、避けるべき行動です。
  • 秋はスズメバチ、マムシなどのヘビ、マダニ、クマ、そして鳥インフルエンザへの配慮が必要です。長袖・長ズボン・足を覆う靴を基本にしましょう。

1. 秋の野鳥撮影が楽しい理由は?渡り鳥と木の実、過ごしやすい気温がそろう季節

秋の野鳥撮影が楽しい理由は、大きく分けて3つあります。ひとつ目は渡り鳥が日本にやってくること、ふたつ目は木の実に野鳥が集まること、そして三つ目は気温や自然の様子が観察と撮影に向いていることです。

渡り鳥のしくみをやさしく整理しましょう

野鳥は、日本での暮らし方によっていくつかの仲間に分けられます。この言葉を知っておくと、図鑑や観察会の案内がぐっと読みやすくなります。

呼び方意味代表的な鳥
留鳥同じ地域に一年中いる鳥スズメ、ヒヨドリ、カワセミなど
夏鳥春に南から来て繁殖し、秋に南へ戻る鳥ツバメ、サシバ、キビタキなど
冬鳥秋に北から来て冬を越し、春に北へ戻る鳥ジョウビタキ、ツグミ、ハクチョウなど
旅鳥春と秋の渡りの途中で立ち寄る鳥一部のシギ・チドリ類など
漂鳥国内で季節に合わせて移動する鳥ルリビタキなど

こうして見ると、秋は「夏鳥が去る」「旅鳥が通り過ぎる」「冬鳥がやってくる」という3つの動きが同時に起こる季節だとわかります。つまり、短い期間に見られる鳥の顔ぶれがどんどん入れ替わる、野鳥好きにはたまらない時期です。

ちなみに、小鳥の多くは夜に渡ります。夜はタカなどの天敵が少なく、長い距離を移動しやすいからです。昼間に渡る鳥は、タカの仲間、ツバメの仲間、ツルやハクチョウのような大きな鳥に限られるとされています。昼間の青空にタカやハクチョウが渡っていく姿は、この季節ならではの特別な光景です。

木の実が野鳥を呼んでくれます

秋に木の実が赤や黄色に色づくのは、色をよく見分けられる小鳥たちに見つけてもらうためだといわれています。鳥にとっても、長い渡りや冬を乗り切るために栄養が必要です。木の実を食べた鳥はフンで種を運ぶので、木と鳥はお互いに助け合っている関係です。

撮影する側にとっては、「木の実のなる木の近くで待てば、鳥のほうからやってくる」という大きな利点があります。代表的な組み合わせを表にまとめました。

木の実見られやすい野鳥の例ひとこと
柿ツグミ、ヒヨドリ、メジロなどツグミは柿が熟す11月以降に町中でも目立つようになります
ナナカマドギンザンマシコ(北海道)赤い実を頬張る紅色の鳥は、雪景色にとても映えます
ヤドリギヒレンジャク、キレンジャク実を食べたあと必ず水を飲みに行く習性があります
エゴノキ・ヤマボウシ・コムラサキヤマガラなどの小鳥公園の木の実ストリートは小鳥の人気スポットです
クロガネモチ・ピラカンサなどヒヨドリなど冬の終わりまで実が残る木は、長く鳥を呼びます

撮影のコツは、実の食べごろをよく観察することです。ある日突然、実が一斉になくなることもあります。「今週は実がたくさん残っている」と思ったら、ぜひ早めに出かけてみてください。

気温と見通しの良さも味方です

秋から冬にかけては、木の葉が落ちて枝の中の鳥が見つけやすくなります。夏のように葉が茂った中で鳥の姿を探す苦労が減り、ピント合わせもしやすくなります。気温も、猛暑や極寒に比べると穏やかです。朝晩は冷え込みますが、重ね着で調整しやすいので、はじめての野鳥撮影にもおすすめできます。

注意したいのは、日没が早くなることです。11月は午後4時台から5時ごろに暗くなる地域が多く、夕方の撮影時間は短くなります。朝と夕方は光がやわらかく鳥の羽が美しく写りますが、同時に暗くなるのも早いので、帰り道の足元や車の運転に余裕を持ちましょう。

2. 11月から日本で見られる野鳥は?暖地・寒地別のおすすめをご紹介

この章では、11月に日本で出会える野鳥を、地域ごとにリストアップしてご紹介します。日本は南北に長く、同じ11月でも北海道と沖縄ではまったく季節が違います。ここでは分かりやすいように、次のように大まかに分けました。

  • 寒地は、北海道と東北、中部の高原など、11月にはもう冬の気配が強い地域です。
  • 中間地は、関東から近畿・中国地方にかけての平野部です。
  • 暖地は、九州・四国・沖縄、そして西日本の海沿いなど、冬でも比較的温暖な地域です。

なお、飛来の時期や数は、その年の気象や大陸での餌の状況によって毎年変わります。この章に書いた時期はあくまで目安として、お出かけ前には各地の観察施設や野鳥の会の最新情報を確認してください。

全国どこでも見やすい、11月の定番の野鳥

まずは、地域を問わず身近な場所で見られる鳥たちです。

  • ジョウビタキ は、全長約14cmの冬鳥です。オスは頭が灰白色で、お腹や尾の橙色が目を引きます。縄張り意識が強く、カーブミラーや車のミラーに映った自分の姿を敵だと思って攻撃することもあります。同じ杭やフェンスに戻ってくることが多く、撮影の入門にぴったりです。
  • ツグミ は、ムクドリくらいの大きさで、白っぽい眉と胸の斑模様が特徴の冬鳥です。10月ごろに飛来し、柿が熟す11月以降に町中でも目立つようになります。年が明けるころからは地面に降りて餌を探す姿が増えます。
  • シロハラ は、落ち葉の積もった林の地面で餌を探す冬鳥です。警戒心が強く、茂みから出たり入ったりします。
  • アオジ は、冬になると藪や地面近くで見られる黄緑がかった小鳥です。草地や公園の藪の縁を探してみましょう。
  • ルリビタキ は、夏は高い山で過ごし、冬になると低い土地に降りてくる鳥です。オスの青い羽は、見つけたときの感動が大きい鳥です。
  • カモ類(マガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモなど) は、池や河川、湖に10月ごろから飛来します。ある高校の調査では、愛媛県の海沿いで10月中旬から12月中旬にかけてカモ類やカモメ類が次々に飛来する様子が記録されています。オスの羽が美しく整ってくる季節で、水面に映る姿も絵になります。
  • ヒヨドリ、メジロ、エナガ、シジュウカラ は一年を通して見られる鳥たちですが、秋は木の実や混群(いろいろな小鳥が集まって動く群れ)が増えて、撮影チャンスが広がります。
  • モズ は、秋になると高い木のてっぺんで鋭い声で鳴き、縄張りを主張します。見晴らしのよい場所にとまることが多く、撮影しやすい鳥です。

寒地(北海道・東北など)のおすすめの野鳥

寒地の秋は、渡り鳥の大移動を間近に感じられる地域です。

ハクチョウ(オオハクチョウ・コハクチョウ)

シベリアで繁殖したハクチョウは、秋に日本へ南下してきます。北海道に飛来するハクチョウの多くは、東北などへ渡る途中の経由地として立ち寄ります。たとえば、道北のクッチャロ湖は10月上旬から12月上旬ごろが観察の時期で、日本に飛来するコハクチョウの半数以上がここを経由するとされる有名な場所です。稚内の大沼では、秋の観察時期が10月上旬から11月下旬ごろです。道東の屈斜路湖は湖が凍りにくく、11月から4月上旬にかけて白鳥が見られます。大沼国定公園では11月下旬から3月ごろに白鳥が集まります。

東北から関東にかけても、10月中旬から3月ごろに白鳥が飛来する場所がいくつもあります。茨城県の大塚池公園は10月中旬から3月下旬、栃木県の五行川の白鳥飛来地は10月下旬から3月下旬が目安です。

オオワシ・オジロワシ

オオワシは日本で見られる最大級の猛禽類で、ロシアの極東で繁殖し、冬に北海道に飛来します。オホーツク海沿いの小清水町などでは11月ごろから姿を見せるようになり、サケが遡上する川沿いの木に集まる様子が見られます。氷が張る厳冬期になると、氷に穴を開けて行う漁が盛んな湖に移動する個体も多いとされています。

ギンザンマシコ

ナナカマドの赤い実を食べる、鮮やかな紅色の小鳥です。ロシア方面から越冬のために渡ってくる鳥で、ごく少数が大雪山などで繁殖するといわれています。雪景色の中で赤い実を食べる姿は、北海道ならではの絵になる被写体です。

シマエナガ・ハシブトガラ

どちらも北海道の森で見られる小鳥です。シマエナガは「雪の妖精」と呼ばれるほど人気で、冬の森で出会えます。11月はまだ雪が少ない地域もあり、真っ白な雪景色の中で撮れるのは例年12月以降の地域が多いようです。ハシブトガラは、小さな松ぼっくりをついばむ姿がよく見られます。

ツル・ガン類

北海道東部ではタンチョウ、東北ではガンの仲間が代表的です。いずれも保護や給餌の取り組みが行われている地域があり、観察施設のルールに従うことが大切です。

中間地(関東・中部・近畿・中国の平野部など)のおすすめの野鳥

平野部の公園や河川、湖沼では、冬鳥が少しずつ顔をそろえる時期です。

  • カモ類とカモメ類 は、池や河川、湖沼で10月中旬ごろから12月中旬ごろにかけて増えていきます。千葉県の手賀沼では、冬鳥のマガモ、コガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、ミコアイサ、ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリ、ユリカモメなどが観察会の記録に並びます。
  • ハクチョウ類 は、前の項で紹介した関東の飛来地のほか、本州各地の湖や川にも飛来します。
  • ヒレンジャク・キレンジャク は、ヤドリギの実などを求めて群れで現れる冬鳥です。渡来する数や場所は年によって大きく変わるので、見られたらとても幸運です。
  • ハイタカ は、秋から冬にかけて平地の林や公園でも見られる小型のタカです。秋の渡りの時期は9月から11月で、11月は終盤にあたります。
  • ツグミ、シロハラ、ジョウビタキ、アオジ は、先ほど紹介した定番の冬鳥です。

暖地(九州・四国・沖縄など)のおすすめの野鳥

暖地は、冬鳥の越冬地として大切な場所です。

ツル(ナベヅル・マナヅル)

鹿児島県の出水平野は、日本最大のツルの越冬地です。例年10月中旬から3月ごろにかけて、シベリアや中国東北部からナベヅルとマナヅルが飛来します。例年10月下旬ごろに初飛来があり、11月初旬には5000羽以上に増えるとされています。2024年11月30日の調査では1万2992羽が確認され、28年連続で1万羽以上の「万羽鶴」となりました。世界のナベヅルの約9割が出水で冬を越すといわれています。

ツルのねぐら周辺は立入禁止になっています。観察は出水市ツル観察センターのような施設を利用し、決められた場所から静かに楽しみましょう。このほか、四国にも10月中旬から3月にかけてナベヅルやマナヅルが渡来します。ツルは警戒心が強く、銃声に驚いて越冬をやめた例もあるといわれています。

サシバ・ハチクマなどタカの渡り

サシバは本土では夏鳥ですが、秋になると南へ渡ります。沖縄では寒露(10月8日ごろ)のころに群れで渡ってくる秋の風物詩です。宮古島では毎年10月8日から21日に飛来数調査が行われ、2024年は10月13日に1302羽、14日に3524羽が確認されました。石垣島のバンナ公園の渡り鳥観察所では、9月末から10月末(ピークは例年10月15日前後)に、多い日は500羽から800羽の渡りが見られます。

沖縄県の渡嘉敷島のように、南へは渡らずに島で冬を過ごすサシバもいて、来年3月ごろまで観察できるといわれています。ただし、近年は飛来数が減ってきていることも伝えられています。

ハチクマは、福岡市の油山にある片江展望台が日本有数の観察スポットで、秋分の日(9月23日)前後の風が弱く晴れた日がおすすめとされています。四国と淡路島の間の鳴門海峡も、サシバやハチクマなどが渡る有名な場所で、秋の渡りは9月から11月に行われます。タカの渡りは11月になると終盤ですので、「見頃は9月下旬から10月」と覚えておき、来年の楽しみにするのもよいでしょう。

ヒレンジャク

ヒレンジャクは、沖縄県中部より北の地域、とくに西日本に多く渡来するとされ、北日本ではほとんど見られない冬鳥です。柿の木などで羽を休める群れに出会えることがあります。

カモ類・セイタカシギなど水辺の鳥

沖縄でも、11月ごろから大陸などから越冬のためにカモ類が渡ってきます。細く長い赤い足が特徴のセイタカシギは、沖縄では秋から翌年の春ごろまで見られる冬鳥で、水田や干潟、河口などにいます。

11月の野鳥早見表

地域狙いたい野鳥見られる時期の目安主な場所
全国ジョウビタキ、ツグミ、シロハラ、アオジ、カモ類10月ごろから翌春公園、河川敷、農耕地、池
寒地ハクチョウ類道北は10月上旬から12月上旬、道東は11月から4月上旬など湖、川
寒地オオワシ、オジロワシ11月ごろから北海道東部の川、湖、海岸
寒地ギンザンマシコ、シマエナガ冬街路樹、森
中間地カモ類、ユリカモメ、レンジャク類10月中旬から冬湖沼、河川、柿やヤドリギのある林
暖地ナベヅル、マナヅル10月中旬から3月鹿児島県出水平野、四国の一部
暖地サシバ、ハチクマ9月から10月がピーク沖縄、福岡、鳴門海峡など
暖地ヒレンジャク、セイタカシギ、カモ類秋から春柿の木、水田、干潟

3. 野鳥の観察・撮影におすすめのグッズをご紹介

野鳥撮影に必要なものは、カメラとレンズだけではありません。観察を楽しくし、安全に過ごし、鳥にも迷惑をかけないための道具があります。ここでは「まず揃えたいもの」「あると便利なもの」「秋ならではの安全グッズ」に分けてご紹介します。

まず揃えたい基本の道具

双眼鏡

野鳥は警戒心が強く、近づくとすぐに飛び立ってしまいます。そのため、距離を保って観察できる双眼鏡は、バードウォッチングの必需品です。選ぶときのポイントは次のとおりです。

  • 倍率は8倍から10倍程度が、手ブレしにくく扱いやすいとされています。
  • レンズの口径(大きさ)は20mmから40mm程度が目安です。口径が大きいほど視界が明るくなり、薄暗い林の中でも見やすくなります。ただし倍率や口径が大きいと重くなり、手ブレもしやすくなります。
  • 単眼鏡は軽くて持ち運びやすい反面、視界が平面的です。立体感や距離感がつかみやすいので、初心者には双眼鏡がおすすめです。

カメラと望遠レンズ

野鳥を大きく写すには、望遠レンズが欠かせません。詳しくは次の章で解説します。

野鳥図鑑・記録用のノート

鳥の名前を調べるための図鑑は、写真タイプとイラストタイプがあります。イラストは特徴をつかみやすく、写真は実物のイメージがわかりやすいので、両方持つ人もいます。見た日、場所、天気、鳥の名前や数を書いておくと、翌年の飛来時期の目安にもなります。鳥の名前を調べるスマホアプリも便利です。

スマートフォン

地図、天気、鳥の記録、緊急時の連絡と、一台で何役もこなします。山や水辺では電波が入らないこともあるので、出かける前に行き先と帰宅予定を家族に伝えておくと安心です。

撮影を助けてくれる道具

  • 一脚・三脚 は、重い望遠レンズを支えるための道具です。一脚は持ち運びやすく、設置の場所も取りません。三脚は安定感がありますが、人通りのある場所では通路をふさがないように気をつけましょう。
  • フィールドスコープ は、遠くの鳥をじっくり観察できる望遠鏡です。三脚に据えて、大勢で同じ鳥を見るときに便利です。
  • レインカバー は、小雨や霧の中でもカメラを守ります。秋は急な天気の変化が多いので、一枚持っておくと安心です。
  • 予備バッテリーとメモリーカード は、寒い日にバッテリーの減りが早くなりがちなので多めに準備しましょう。
  • レンズクロスとブロア は、風で飛ぶ砂ぼこりや朝露をそっと取るのに役立ちます。
  • レジャーシートや小さな敷物 は、地面に伏せて低い位置から撮るときに便利です。ただし、草むらでは後で紹介するマダニに注意が必要です。

秋ならではの安全グッズ

  • 虫よけ(マダニなどの忌避剤)
  • 帽子、手袋、首に巻くタオルやネックウォーマー
  • 飲み物と軽い食べ物、携帯できる救急セット
  • クマ鈴(クマが出る地域の山林では必須です)
  • 防寒着と雨具

撮影前に知っておきたい基本設定

カメラの設定は機種によって違いますが、メーカーが公開している入門ガイドでは、次のような考え方が紹介されています。

  • シャッタースピードを自分で決めやすいモードを使い、飛んでいる鳥はおおむね1000分の1秒を基準に調整します。
  • 連続撮影(連写)にして、動きのある瞬間を逃さないようにします。
  • ピントは動く被写体を追い続けるモード(AF-C)にし、鳥の目を自動で追ってくれる機能がある機種では「鳥」を選びます。
  • 鳥が向いている方向に、少し空間をあけて構図をつくると自然な仕上がりになります。

秋の朝や夕方は光が弱いので、感度(ISO)を上げてシャッタースピードを確保することも大切です。フラッシュは鳥に悪い影響があるため使わず、感度で明るさを補いましょう。

4. 野鳥の撮影には大きなレンズが必要?焦点距離は何ミリがおすすめ?焦点距離別にご紹介

結論からいうと、野鳥をしっかり大きく写したいなら、フルサイズ換算で400mm以上の超望遠レンズが望ましいといわれています。野鳥は人の存在にとても敏感で、近づくのが難しい被写体だからです。距離を保ったまま細かい羽の模様や表情まで写すには、レンズの長さ(焦点距離)が必要になります。

焦点距離ってなに?換算ってなに?

焦点距離は、数字が大きいほど遠くのものを大きく写せる長さの目安です。ミリ(mm)で表します。

カメラのセンサーの大きさによって、同じレンズでも写る範囲が変わります。そのため「フルサイズ換算」という考え方があります。

  • フルサイズのカメラでは、レンズの表示どおりの焦点距離で撮れます。
  • APS-Cサイズのカメラでは、およそ1.5倍(メーカーによっては約1.6倍)の焦点距離に相当します。
  • マイクロフォーサーズのカメラでは、およそ2倍に相当します。

たとえば、ソニーの350mmのAPS-C用レンズは、換算で約525mm相当になるとされています。センサーの小さなカメラは、同じレンズでも遠くの鳥を大きく写しやすいのです。

鳥の大きさで必要な長さが変わります

「なんとなく長いほうがよさそう」ではなく、距離と大きさで考えてみましょう。次の表は、フルサイズのカメラで、鳥が画面の横幅の約3分の1の大きさで写るために必要な距離の計算上の目安です。

焦点距離小鳥(約14cm、ジョウビタキなど)中型の鳥(約24cm、ツグミなど)大きめの鳥(約60cm、マガモなど)
200mm約2.3m約4m約10m
300mm約3.5m約6m約15m
400mm約4.7m約8m約20m
600mm約7m約12m約30m
800mm約9.3m約16m約40m

野鳥は、数メートルまで近づくと逃げてしまうことが少なくありません。小鳥の場合、200mmだと2mほどまで近づかないと同じ大きさに写せませんので、現実的には厳しいことがわかります。400mmで約5m、600mmなら約7mと、無理のない距離で撮影できます。もちろん撮影後に画像を切り抜く(トリミング)こともできるので、あくまで目安として考えてください。

焦点距離別のおすすめと使いどころ

100mmから300mm(望遠ズームの入門)

運動会や旅行用の望遠ズームレンズが含まれる範囲です。人に慣れたカモやハクチョウ、公園のハトなど、近くで撮れる大きな鳥には使えます。鳥と風景を一緒に入れて、雰囲気のある写真を撮るにも向いています。ただし、小鳥を大きく写すには距離が足りないことが多いです。

400mm(野鳥撮影の入門ライン)

「野鳥を撮る」と考えたときの最初の目標です。100-400mmクラスのズームレンズは、風景から野鳥まで幅広く対応でき、人気の高い選択肢です。サイズと重さのバランスも良く、持ち出しやすいのが魅力です。

500mmから600mm(標準ともいえる長さ)

200-600mm、150-600mm、180-600mmといったズームレンズがこの範囲です。カワセミが水に飛び込む瞬間や、林の中の小鳥を狙うなら、フルサイズ換算で600mmがほしいという意見もあります。これより短いと「あと一歩、寄りたい」と感じる場面が増えるそうです。

800mm以上(遠くの鳥まで狙う)

400-800mmのズームレンズや、800mmの単焦点レンズ(手持ちできるほど軽くなった製品もあります)があります。遠くの猛禽類や警戒心の強い小鳥を、離れた場所から撮るのに向いています。テレコンバーターという、焦点距離を1.4倍や2倍にするアタッチメントを使う方法もあります。ソニーの200-600mmにテレコンバーターを組み合わせると、最長で1200mm相当のオートフォーカス撮影が可能になるという案内もあります。

失敗しないレンズ選びのポイント

  • 重さ は、撮影の頻度に直結します。2kgを超えるレンズは最初は気合いで持ち出せても、だんだん出番が減りがちといわれています。「これなら1日歩ける」と思える重さを見つけましょう。
  • インナーズーム(ズームしてもレンズの長さが変わらない構造) は、重心が安定するので、飛ぶ鳥を追いかけるときに有利です。
  • 手ブレ補正 がついていると、手持ちで撮るときの失敗が減ります。
  • 明るさ(F値) は、数字が小さいほど明るいレンズです。秋の朝夕や林の中では、明るいレンズや高感度に強いカメラが有利です。ただし明るいレンズは大きく、重く、高価になる傾向があります。
  • 鳥を認識して追いかけるオートフォーカス の性能も、カメラ選びの大切なポイントです。

具体的なレンズの発売状況や価格は変わりやすいので、買う前にメーカーや販売店の最新情報をご確認ください。購入前にレンタルで試すのもおすすめです。実際に歩いてみて、重さと写りを体感してから選ぶと失敗しにくくなります。

レンズがなくても楽しめます

「いきなり高価なレンズは買えない」という方は、まず双眼鏡で観察することから始めてみましょう。野鳥の動きや習性を知ると、撮影のコツがつかめます。スマートフォンを双眼鏡やフィールドスコープに当てて撮る方法で、遠くの鳥の記録写真を撮る人もいます。

5. 野鳥の観察・撮影でしてはいけないこと、注意点をご紹介

野鳥撮影は、野鳥の暮らしにお邪魔させてもらう趣味です。近年は撮影者のマナー違反が問題になることがあり、日本野鳥の会は2022年に初心者向けのガイドラインを公開しました。ここでは、そのガイドラインや自治体の案内をもとに、してはいけないことをご紹介します。

野鳥のためにやめたいこと

1. 近づきすぎない、追い立てない

野鳥にストレスを与えないよう、十分な距離をとって静かに見守りましょう。鳥が動きを止めてこちらをじっと見る、尾を振る、鳴き声が変わるといったときは、警戒しているサインです。それ以上近づかず、ゆっくり下がってください。わざと飛ばして撮ろうとするのも禁物です。

日本に渡来することが少ない珍しい鳥は、本来の生息地や渡りのルートから外れて来た結果、体が弱っていることがあります。十分に休んで餌を食べられるよう、とくにそっとしておきましょう。

2. 巣や子育て中の鳥に近づかない

巣やヒナに出会ったら、すぐにその場を離れてください。親鳥は卵やヒナを守るために神経をとがらせています。人の存在がストレスになると、巣を放棄してしまうことがあります。愛知県の海上の森や栃木県の県民の森でも、営巣放棄や撮影による影響が心配されており、巣に近づく、巣の周辺に居座る、立入禁止区域に入る、林や湿地を占拠するといった行為をやめるよう呼びかけています。

秋は繁殖のピークではありませんが、巣に関するルールは一年中同じです。季節を問わず「巣を探さない、近づかない」を心がけましょう。

3. 鳴き声を流して呼び寄せない

撮影しやすいように、鳴き声を再生したりバードコールを使ったりして鳥を誘う行為はやめましょう。鳥に無駄なエネルギーを使わせ、ストレスを与えます。

4. 餌付けをしない

撮影のために餌をまくのは、やめましょう。人が餌付けをすると、本来は日本を離れるべき渡りの時期を逃してしまうおそれがあります。寒さに耐えられなくなって弱る場合もあるのです。また、集まる鳥が増えることで感染症が広がったり、フンによる衛生環境の悪化を招いたりします。餌のにおいで危険な野生動物が寄ってくる可能性も指摘されています。

公園や河川敷など公共の場での餌付けは、ゴミの不法投棄や環境の改変を禁じる条例に違反する可能性があります。ひまわりの種やミルワームのような外来種の持ち込みを制限している場所もあります。

5. フラッシュやLEDライトを使わない

強い光は野鳥の目に負担をかけ、一時的に視界が悪くなって障害物を避けられなくなったり、天敵から逃げられなくなったりするおそれがあります。夜や暗い場所でもフラッシュは使わず、感度を上げて撮りましょう。

6. 環境を変えない

鳥が目立つように枝を切ったり、草を刈ったり、実や餌を置いたりするのはやめましょう。その土地の管理者の決まりに違反することもあります。

人への配慮でやめたいこと

7. 珍しい鳥の情報の扱いに気をつける

珍しい鳥の出現情報をリアルタイムでSNSに投稿すると、多くの人が押し寄せ、鳥にも住民にも迷惑がかかる事例が増えています。日本野鳥の会は、その鳥がいなくなってから、「すでにいなくなった」と添えて公開することを勧めています。営巣中の鳥の写真や映像を、場所がわかる形で公開するのも避けましょう。

8. 私有地・立入禁止区域に入らない

撮影場所の取り合い、私有地への無断立ち入りなどのトラブルが増え、警察が出動する騒ぎになることもあります。農地や畑の中、立入禁止の場所、庭園や花壇には入りません。歩行者が通る道に三脚を広げたり、場所を長時間独り占めしたりするのも避けましょう。住宅地にカメラを向けると誤解を招くので注意が必要です。

9. 譲り合いとゴミの持ち帰り

撮影ポイントを独占せず、譲り合いましょう。ゴミは必ず持ち帰ります。荷物やレンズが他の人や物にぶつからないように気を配ることも大切です。

鳥インフルエンザへの配慮

秋から冬にかけては、渡り鳥が飛来する時期で、鳥インフルエンザへの注意が必要になります。野鳥観察のような通常の接し方では、人に感染することは極めて少ないとされています。それでも、次の点を守ってください。

  • 死んでいる野鳥や弱った野鳥には、素手で触らない。
  • 野鳥のフンを踏まないように気をつけ、踏んでしまったときは靴底を洗う。
  • 触ってしまったときは、すぐに手洗いとうがいをする。
  • 野鳥に近づきすぎず、追い立てたりつかまえようとしたりしない。
  • 同じ場所で多数の野鳥が死んでいるなどの異変を見つけたら、自治体の環境担当窓口に連絡する。

国内の発生状況や、お住まいの地域の対応は、環境省や各都道府県のページで最新情報を確認してください。

6. 野鳥を見るときの服装は?鳥は色を見分けられる?

結論からいうと、鳥は色を見分けられます。それも、人間より多くの色を見ていると考えられています。

鳥の目は、人間よりカラフルです

人間の目には、赤・緑・青を感じる3種類の色のセンサー(錐体細胞)があります。これに対して、鳥の多くは紫外線を感じる4つ目のセンサーを持っています。そのため、人間には見えない色や、紫外線と緑・赤が組み合わさってできる色まで見分けられる可能性があると研究で示されています。木の実が秋にあざやかに色づくのも、色の見える小鳥に見つけてもらうためだといわれています。

つまり、「鳥は色がわからないから、何を着ても大丈夫」ということはありません。むしろ、鳥からはよく見えていると考えたほうが安心です。

色だけでなく「気配」を消すことが大切です

とはいえ、鳥が逃げる理由は服の色だけではありません。急な動き、大きな音、人影のシルエット、近づく速さも、警戒の大きな原因になります。服装では、次のことを心がけましょう。

  • 真っ赤、真っ白、蛍光色などの派手な色は避け、落ち着いた色にする。
  • ナイロンのシャカシャカ音がする生地や、ジャラジャラ鳴るアクセサリーは避ける。
  • 日光で光る時計や金具は、できるだけ見えないようにする。
  • 香りの強い香水や整髪料は使わない(ハチ対策にもなります)。
  • 動きは「ゆっくり、低く、静かに」を意識する。

色選びは「鳥」「ハチ」「マダニ」の三方向で考えます

ここが少しややこしいところです。実は、野鳥観察では色の考え方が3つあります。

対象好ましい色理由
鳥落ち着いた自然な色派手な色は目立ち、警戒されやすいため
スズメバチ白っぽい、明るい色(黒は避ける)黒いものを攻撃する性質があるといわれるため
マダニ明るい色衣服についたマダニを目で見つけやすいため

この3つを両立させるには、黒や濃紺を避けて、ベージュ、カーキ、グレーベージュ、明るいオリーブなど、淡く落ち着いた色 を選ぶのがおすすめです。派手すぎず、黒すぎず、ダニも見つけやすい色合いです。

着るもの別のポイント

  • 上着 は、長袖で静かな素材のものを選びます。11月の朝は冷え込むので、薄手のものを重ね着して、暑くなったら脱げるようにしておくと便利です。寒地では氷点下になる朝もあり、防寒着が必須になります。
  • ズボン は、長ズボンが基本です。裾は靴下や長靴の中に入れると、マダニなどの侵入を防げます。
  • 靴 は、足を完全に覆い、滑りにくいものを選びます。サンダルは避けましょう。水辺では長靴が便利です。
  • 帽子 は、日差しよけと防寒、ハチ対策にも役立ちます。黒髪の場合は、帽子で頭を守るとよいとされています。
  • 手袋・ネックウォーマー は、寒さ対策と、肌の露出を減らす対策を兼ねます。指先が出るタイプなら、カメラ操作もしやすくなります。
  • カメラ・レンズ も、白や派手な色のレンズは目立ちます。気になる場合は、迷彩柄や落ち着いた色のカバーを使う人もいます。

7. 野鳥観察・撮影時にはハチやヘビにもご注意!マダニにも気を付けよう!

秋の自然は魅力的ですが、危険な生き物もたくさん活動しています。「知っている」だけで防げる被害は多いので、しっかり確認しておきましょう。

スズメバチ(秋は特に注意)

スズメバチは、秋になると数が増え、攻撃性が高くなるといわれています。巣を守る働きバチが増えるうえ、新しい女王バチを育てる大切な時期でもあるからです。9月から10月に攻撃性がもっとも強くなるとする自治体の資料もあります。日本では、ハチによる被害で毎年10人から20人ほどが亡くなっているという情報もあります。

どこにいる?

スズメバチは、木の穴、地面の中、茂みの中、木の上、神社の建物やあずまやの軒下などに巣を作ります。コナラの樹液にオオスズメバチが来ていることもあります。野鳥観察で林や神社の境内を歩くときは、とくに注意してください。

刺されないために

  • ハチの羽音に注意し、巣を作りそうな場所に近づくときは慎重に動く。
  • 向こう側がどうなっているかわからない茂みに、いきなり出ない。
  • 白っぽい服にして、黒い服や帽子は避ける。
  • 香水や整髪料を使わない。
  • ハチを見つけたら、大声や大きな音を出さず、静かにその場を離れる。
  • 飛んでいるハチを手で払ったり、つかまえようとしたりしない。

刺されたとき

針が残っていれば抜き、刺された部分を水で洗い流して、保冷剤などで冷やします。ここで重要なのは、アナフィラキシーという、全身に強いアレルギー反応が出る危険があることです。頭や首を刺されたときは、とくに数分から十数分で症状が出ることがあります。「息苦しい」「声がかれる」「ふらつく」といった症状があれば、ためらわずに救急車を呼んでください。

ヘビ(マムシ・ヤマカガシ)

沖縄など南西諸島を除くと、北海道から九州には8種類のヘビが生息しており、毒があるのはマムシとヤマカガシです。マムシは太くて短く、体の両側に銭の形のような模様があります。ヤマカガシは全体に黒っぽく、首のあたりが黄色く、赤い模様があります。

秋の野鳥観察は、田んぼのあぜ道、畑の縁、草むらのそばを歩くことが多いので、足元に注意しましょう。

  • 素足やサンダルで歩かない。
  • 草むらに不用意に足を踏み入れない。
  • 見つけても刺激しない。
  • 咬まれたときは慌てず、できるだけ動かずに安静にして、すぐに医療機関へ向かう。

マダニ(11月も油断できません)

マダニは、衣類や寝具にいる小さなダニとは別の種類です。森林や草むら、やぶ、畑などに生息し、吸血する前でも3mmから8mm、吸血後は10mmから20mmにもなります。活動は春から秋が盛んで、3月から11月ごろまで注意が必要とされています。

マダニが媒介する感染症のひとつに、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)があります。潜伏期間は6日から2週間ほどで、発熱や食欲低下、吐き気、下痢、腹痛などの症状が出ます。直接効く薬やワクチンはなく、症状をやわらげる治療が中心だとされています。発生地域はこれまで西日本が中心でしたが、徐々に東日本にも広がっています。北海道では2025年8月に道内1例目が、宮城県では2026年9月に県内初の患者が確認されました。

マダニに咬まれないために

  • 長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用する。
  • 帽子と手袋を着け、首にタオルを巻いて肌の露出を減らす。
  • シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる。
  • 明るい色の服を選び、ついたマダニを目で見つけやすくする。
  • ダニ用の忌避剤(虫よけ)を使う。
  • 草むらに座ったり、地面に伏せて撮影したりするときは、とくに注意する。

帰宅したあとは

入浴して、全身を確認しましょう。とくに、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)はマダニがつきやすい場所です。

咬まれたら

無理に引き抜こうとせず、医療機関を受診してください。その後、数週間は体調の変化に注意し、発熱などの症状が出たら、マダニに咬まれたことを伝えて受診しましょう。

もうひとつ、秋に外せないクマ対策

クマは、冬眠前の10月から11月にかけて、餌を求めて人里近くまで行動範囲を広げるといわれています。環境省の速報値によると、2026年の4月から8月のツキノワグマの出没件数は全国で1万9789件と、過去5年で最多でした。東北ではブナの実が豊作の地域が多く、里に下りるクマが減る可能性があるとされる一方、栃木県のようにミズナラやコナラが凶作となった地域もあり、地域差があります。

野鳥観察の場所は、山林や林道、渓流沿い、柿や栗の木のある集落の近くなど、クマの行動範囲と重なることが少なくありません。次のことを守りましょう。

  • 出かける前に、行き先の自治体の出没情報を確認する。
  • クマ鈴やラジオなどで音を出し、人の存在を知らせる。
  • できるだけ複数で行動する。
  • 薄暗い早朝や夕方の撮影は、とくに慎重にする。
  • 収穫されていない柿や栗の木の近くでは、周囲の様子をよく確認する。
  • 必要に応じて、クマ撃退スプレーを携帯する。

8. よくある質問

Q1. 11月に見られる代表的な野鳥は何ですか?

ジョウビタキ、ツグミ、シロハラ、アオジ、ルリビタキ、各種のカモ類が全国的に定番です。寒地ではハクチョウ、オオワシ、ギンザンマシコ、シマエナガ、暖地ではツル、サシバ、ヒレンジャク、セイタカシギなどが注目されます。

Q2. 野鳥撮影に必要なレンズの焦点距離は何ミリですか?

小鳥を大きく写したいなら、フルサイズ換算で400mm以上が目安です。慣れてくると、600mm前後が使いやすいと感じる人が多いです。近くに寄ってくるカモやハクチョウなら、200mmから300mmでも楽しめます。

Q3. 初心者は何から揃えればいいですか?

まずは8倍から10倍程度の双眼鏡と、鳥の図鑑があれば十分に楽しめます。撮影するなら、100-400mmクラスの望遠ズームが選びやすい入門レンズです。購入前にレンタルで試すと失敗しにくくなります。

Q4. 鳥は人間の服の色を見分けますか?

はい、見分けています。鳥の多くは紫外線まで感じる4つの色のセンサーを持ち、人間よりも広い範囲の色が見えると考えられています。服装は、派手な色を避けて落ち着いた色にし、動きを静かにすることが大切です。

Q5. 野鳥に餌をあげて撮影してもいいですか?

おすすめできません。渡りの時期を逃す、感染症が広がる、フンで環境が悪化する、危険な動物を呼び寄せるといった問題があります。公共の場では条例に違反する可能性もあります。

Q6. 秋の野鳥撮影で、一番気をつけるべきことは何ですか?

スズメバチ、マダニ、ヘビ、クマといった生き物への対策です。長袖・長ズボン・足を覆う靴を基本に、黒を避けた淡く落ち着いた色の服を選びましょう。

Q7. 珍しい鳥を見つけたら、すぐにSNSに投稿していいですか?

おすすめできません。人が押し寄せて鳥にストレスを与えたり、周辺住民に迷惑をかけたりするおそれがあります。その鳥がいなくなってから、「すでにいなくなった」と書き添えて公開するのが、日本野鳥の会が勧める方法です。

9. まとめ 今年の秋は、小さな一歩から野鳥の世界へ

秋の野鳥撮影が楽しい理由は、ひとことでいえば「出会いの数と、出会いやすさ」にあります。北から渡り鳥が到着し、南へ向かうタカたちが空を渡り、柿やナナカマドの実に小鳥が集まり、そして気温も撮影に向いています。11月は、ジョウビタキの橙色、ツグミの凛とした姿、ハクチョウの群れ、九州の万羽鶴など、日本各地で季節を代表する鳥たちに会える貴重な時期です。

各章の内容を振り返ってみましょう。

  • 暖地と寒地では見られる鳥が違います。お出かけ前に、行き先で見られる鳥と時期を調べておきましょう。
  • 道具は、まず双眼鏡と図鑑から始め、撮影するなら400mm以上の望遠レンズを目標に、重さと予算のバランスで選びましょう。
  • してはいけないことは、餌付け、鳴き声での誘引、フラッシュ、巣への接近、立入禁止区域への侵入、そして珍しい鳥の情報の扱いです。
  • 鳥は色を見分けています。派手な色を避け、黒を避けた淡く落ち着いた色の服を選び、動きを静かにしましょう。
  • ハチ、ヘビ、マダニ、クマ、鳥インフルエンザには、長袖・長ズボン・足を覆う靴、虫よけ、情報収集で備えましょう。

野鳥は、人間の都合で動いてくれる存在ではありません。だからこそ、待つ時間も、出会えた一瞬も、ひとつひとつが特別です。ほんの少し離れて、静かに、そっと見守る。その姿勢が、いちばん良い一枚を連れてきてくれます。

今度の休日、近所の公園や川沿いに双眼鏡とカメラを持って出かけてみませんか。柿の木に集まる鳥、水面に浮かぶカモ、杭の上で尾を振るジョウビタキが、きっと待っています。安全に気をつけながら、野鳥に迷惑をかけないように、秋の野鳥撮影を思いきり楽しんでください。


参考文献・参照元

情報確認日はすべて2026年11月1日です。

渡り鳥・野鳥の分布と飛来時期

木の実と野鳥

機材・レンズ・撮影方法

マナー・鳥インフルエンザ

鳥の色覚

ハチ・ヘビ・マダニ・クマ


この記事をお読みいただく前に

この記事は、2026年11月1日時点で確認できた公的機関、自治体、メーカー、報道機関などの公開情報をもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。野鳥の飛来時期や数、観察場所の状況、施設の開館期間、立入規制、クマや鳥インフルエンザなどの発生状況、レンズや機材の発売状況・価格は、年や地域、天候によって日々変わります。お出かけの前には、必ず各自治体、施設、環境省、日本野鳥の会などの最新情報をご確認ください。

また、ハチ・ヘビ・マダニ・クマなどによる被害や、体調の変化がある場合は、必ず医療機関や専門家にご相談ください。野鳥観察・撮影中の事故、けが、トラブル、損害、機材の破損・紛失、そのほか本記事の情報を利用したことによって生じたいかなる結果についても、当ブログおよび筆者は責任を負いかねます。ご自身の判断と責任のもとで、安全とマナーを守って楽しんでください。

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この記事を書いた人

手帳が続かない・考えすぎて動けない、そんな時期を何度も経験してきました。
手帳歴20年以上、GTD・振り返り・小さな習慣を実践しながら、少しずつ自分なりの整理術を見つけてきた人間です。
「頑張りすぎない改善」をテーマに、手帳・習慣化・心理・オカルト・日常の気になることを丁寧に発信しています。

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