ペンタックス一眼レフ全機種が製造終了。「新たなステージ」の新型カメラとKマウントの行方

2026年9月9日、リコーイメージングが「PENTAXデジタル一眼レフカメラは新たなステージを目指します」という声明を出しました。内容を一言でまとめると、現行のKシリーズデジタル一眼レフカメラの製造を終了する一方で、半世紀以上続くKマウントレンズの資産を生かした、全く新しいコンセプトの一眼レフを開発している、という発表です。

「製造終了」という言葉だけを見ると、PENTAXの一眼レフが終わってしまったように感じる方も多いと思います。ところが声明の後半では、むしろ「次の一眼レフを作る」と宣言しています。終わりなのか、始まりなのか。ファンも、これからカメラを選ぶ人も、気になるところではないでしょうか。

この記事では、次のような疑問に順番に答えていきます。

  • 今回の発表で、実際には何が決まったのか
  • PENTAXとKシリーズは、どんな歴史を歩んできたのか
  • Kマウントとは何で、なぜここまで長く愛されてきたのか
  • キヤノンやニコンにはない、PENTAXならではの魅力とは何か
  • 2026年10月27日時点で販売されているKマウントレンズはどうなるのか
  • 「新たなステージ」の新型カメラは、どんな姿になりそうか

専門用語はなるべく使わず、使うときはその場でやさしく説明します。海外メディアの報道や分析も取り入れて、日本語の記事ではあまり語られていない視点も紹介します。少し長い記事ですが、気になる章だけ拾い読みしても大丈夫です。

目次

この記事の要点(先に結論)

  • 2026年9月9日(日本時間)、リコーイメージングは現行のKシリーズデジタル一眼レフカメラの製造終了を発表しました。
  • 同時に、Kマウントレンズの資産をそのまま生かせる「全く新たなコンセプトのデジタル一眼レフカメラ」を開発中であることも公表しました。発売時期、価格、仕様は未発表です。
  • 終わるのは「現行のKシリーズというカメラ本体」であり、「PENTAXブランド」や「Kマウントレンズ」の終了が発表されたわけではありません。
  • 現行のKマウントレンズは、リコーイメージングの公式一覧で約30本が掲載されています(2026年10月27日時点で確認)。手持ちのレンズも、今ある一眼レフ本体で引き続き使えます。
  • 新型カメラの姿は、公式には何も語られていません。この記事では公式情報と海外の報道を分け、予想は予想とはっきり書きます。

用語かんたん解説

記事を読みやすくするために、先によく出てくる言葉を整理しておきます。

用語やさしい説明
一眼レフレンズから入った光を鏡(ミラー)で上に跳ね上げ、ファインダーで直接のぞいて見るカメラです。シャッターを切る瞬間だけ鏡が動きます。
ミラーレス鏡を持たず、センサーが捉えた映像を画面や電子ファインダーに映すカメラです。今の主流です。
マウントカメラ本体とレンズをつなぐ「差し込み口」の規格です。マウントが違うと、そのままではレンズを付けられません。
KマウントPENTAXが1975年に採用したマウントです。現在のPENTAX一眼レフもこのマウントを使っています。
ペンタプリズムファインダーの中に入っているガラスの塊です。像を正しい向きに直し、明るく見せる働きがあります。PENTAXの名前の由来でもあります。
ボディ内手ぶれ補正手ぶれを、レンズではなくカメラ本体の中でセンサーを動かして打ち消す仕組みです。
APS-C・フルサイズセンサー(光を受けて写真にする部品)の大きさの違いです。フルサイズのほうが大きく、一般に高価で大きなカメラ・レンズになります。

第1章 PENTAX Kシリーズ製造終了の発表とは? 何が起きたのか整理する

1-1 発表の中身を3つに分けて読む

声明は、大きく3つの内容で成り立っています。

1つ目は、これまでの歩みの振り返りです。PENTAXのレンズ交換式デジタル一眼レフは、2003年の「PENTAX *ist D」に始まり、2006年にはボディ内手ぶれ補正を備えた「PENTAX K100D」、2016年には同社初のフルサイズ機「PENTAX K-1」へと進化してきた、と説明されています。

2つ目は、新製品の予告です。「写真を撮ることの価値」をあらためて見つめなおし、撮影という行為そのものを楽しんでもらえる製品を開発中で、姿を現すまでにはまだ時間がかかる見込みだと述べています。そして、半世紀以上積み重ねたKマウントレンズの資産をそのまま生かせる、全く新たなコンセプトのデジタル一眼レフカメラになる予定だとしています。

3つ目が、製造終了の告知です。新たなステージへの移行に向けて、現行のKシリーズデジタル一眼レフカメラの製造を終了する、という内容です。

声明は最後に、一眼レフならではの撮影スタイルを追求し続けると結ばれています。つまり「一眼レフをやめる」のではなく、「今の一眼レフを一区切りにして、次の一眼レフに進む」という構図です。

1-2 実は、販売店ではすでに終わりが始まっていた

今回の声明は、突然の発表というよりも、すでに進んでいた流れに公式の説明が追いついた形でした。報道を時系列に並べると、次のようになります。

機種位置づけ販売終了の流れ(目安)
PENTAX K-3 Mark III(2021年4月発売)APS-Cの最上位機2025年1月に日本で販売終了扱いに。米国では当時まだ販売が続いていました。
PENTAX K-3 Mark III Monochrome(2023年発売)モノクロ専用機2026年2〜3月ごろに販売店で完了扱いになりました。
PENTAX KF(2022年11月発売)入門向けAPS-C機2026年5月ごろに日本の販売店で完了扱い、7月には米国の大手販売店でも販売終了表示になりました。
PENTAX K-1 Mark II(2018年発売)フルサイズの最上位機2026年9月初旬に日本の販売店で完了扱いになりました。

こうして、日本では9月の初めの時点で、新品で買えるPENTAXの一眼レフがほぼなくなっていました。そこへ9月9日の声明が出た、という順番です。なお、日本の販売店は、メーカーの公式発表より先に「完了」と表示することがあります。そのため当時は「本当に終わりなのか」と不安の声が広がりました。

1-3 製造終了の対象は「Kシリーズ一眼レフ」だけ

見落としやすい点ですが、今回の製造終了は「現行のKシリーズデジタル一眼レフカメラ」が対象です。海外メディアのDigital Camera Worldは、防水コンパクトのWGシリーズや、2024年発売のハーフサイズフィルムカメラ「PENTAX 17」は、今回の発表に含まれていないと整理しています。リコーのGRシリーズも別の流れです。

つまり、PENTAXというブランドそのものが消えるわけではありません。

1-4 語られたことと、まだ語られていないこと

声明で明らかになったことと、まだ分からないことを分けておきます。

公式に語られたことまだ語られていないこと
現行Kシリーズ一眼レフの製造終了新型カメラの発売時期
新しいコンセプトのデジタル一眼レフを開発中価格、センサーの大きさ、画素数
Kマウントレンズの資産をそのまま生かせるマウントが従来のKマウントそのものなのか
一眼レフならではの撮影スタイルを追求するファインダーの形式(ペンタプリズムかどうか)
開発の進み具合は、情報が整い次第お知らせする現行機の修理やサポートの扱い

海外では、オランダのDigiFotoProが「Kマウントレンズが使い続けられる点だけは、リコーがはっきり述べている」と指摘しています。この記事でも、その点を軸に考えていきます。

1-5 時間差に注意(米国ではしばらく在庫が残っていた)

PetaPixelの報道によると、9月初旬の時点で、米国ではK-1 Mark IIが新品で購入できる状態でした。日本の状況と、海外の状況は同じタイミングで動いていない点には注意が必要です。今も新品がほしい方は、販売店ごとの在庫状況を個別に確認してください。

第2章 PENTAXとKシリーズの歴史を年表で振り返る

2-1 PENTAX・Kシリーズ年表

PENTAXの歴史は100年以上あります。ここでは主な出来事を年表にまとめました。

年出来事
1919年梶原熊雄氏が「旭光学工業合資会社(Asahi Optical)」を創業
1938年旭光学工業株式会社に改称
1952年最初のカメラ「アサヒフレックス」を発売。日本で作られた初の一眼レフとして知られます
1957年「アサヒペンタックス」発売。ペンタプリズムを備え、ねじ込み式のM42マウントを採用
1969年中判カメラ「ペンタックス6×7」発売
1975年6月新しい「Kマウント」と、K2・KX・KMの3機種を発売
1980年防塵防滴構造を備えた最初のPENTAX一眼レフ「LX」発売
1983年Kマウントに電気接点を追加(KAマウント)。レンズと本体が情報をやり取りできるように
2003年PENTAX初のデジタル一眼レフ「*ist D」発売
2006年ボディ内手ぶれ補正を備えた「K100D」発売
2007〜2008年HOYAがペンタックスを買収し、2008年に合併
2011年Qシリーズ(小型ミラーレス)発売。10月、HOYAのペンタックス映像事業をリコーが取得
2012年Kマウントのミラーレス「K-01」発売(短命に終わる)
2016年PENTAX初のフルサイズ機「K-1」発売。レンズ側のKAF4マウントも登場
2018年「K-1 Mark II」発売
2021年4月APS-C最上位機「K-3 Mark III」発売
2022年11月入門機「KF」発売
2023年モノクロ専用機「K-3 Mark III Monochrome」発売
2024年ハーフサイズフィルムカメラ「PENTAX 17」発売
2025年Kマウント誕生から50周年
2025年1月K-3 Mark IIIが日本で販売終了扱いに
2026年2〜9月K-3 III Monochrome、KF、K-1 Mark IIが相次いで販売店で完了扱いに
2026年9月9日現行Kシリーズの製造終了と、新コンセプトの一眼レフ開発を発表

2-2 「PENTAX」という名前は、実はドイツ生まれ

少し意外な豆知識です。ノルウェーの百科事典Store norske leksikon(SNL)によると、「Pentax」という名前はもともと、東ドイツのカメラメーカー「ツァイス・イコン」が登録していた商標でした。ペンタプリズム(pentaprism)と、同社のカメラ名「コンタックス(Contax)」を合わせた言葉で、旭光学が1957年にこの商標を買い取ったとされています。

つまりPENTAXという名前には、最初から「ペンタプリズムで見る一眼レフ」という意味が込められていました。今回の「新たなステージ」でも一眼レフにこだわる姿勢は、名前の由来から考えると筋が通っています。

2-3 M42からKマウントへ、そして「持ち主が変わり続けた」半世紀

1950年代のアサヒペンタックスが採用したM42マウントは、他社も数多く採用したため「ユニバーサルマウント」とも呼ばれました。ただ、ねじ込み式なので、レンズを付け外しするのに3回転近く回す必要があり、当時広がりつつあったバヨネット式(カチッとはめる方式)に比べて不便でした。

その後、1975年にKマウントが登場します。この時期以降、会社の持ち主は次のように変わりました。

  • 2007年、HOYAがペンタックスを買収し、2008年に合併しました。このとき日本国内の生産拠点が閉じられ、生産はフィリピンやベトナムに移ったと伝えられています。
  • 2011年、リコーがカメラ事業を取得し、同年10月に「ペンタックスリコーイメージング」が発足しました(現在のリコーイメージング)。

米国のカメラ系メディアFstoppersは、2011〜2012年のミラーレス挑戦(QシリーズとK-01)が、会社の持ち主が変わる混乱期と重なったことを、PENTAXにとって苦しい時期だったと分析しています。K-01は操作性の評価が厳しく、短期間で姿を消しました。この経験が、のちに「ミラーレスには進まない」という姿勢につながったとも言われます。

2-4 一眼レフにこだわり続けた理由

2016年にフルサイズ一眼レフのK-1が出たとき、PENTAXは機種を小さく簡単にできるミラーレスにする選択肢もありました。しかしTechRadarの取材記事によると、ファンの間には「今あるKマウントレンズが使えるフルサイズ一眼レフがほしい」という強い声があり、それに応えてK-1は一眼レフとして作られました。

ここに、今回の発表の理由を考えるヒントがあります。PENTAXのファンは、カメラ本体だけでなく「手持ちのレンズ」を大切にしています。だからこそ声明でも、真っ先に「Kマウントレンズの資産をそのまま生かせる」と書かれているのだと考えられます。

第3章 Kマウントレンズとは? 歴史と特徴をわかりやすく解説

3-1 Kマウントとは「1975年に生まれた差し込み口の規格」

Kマウントとは、PENTAXが1975年に導入した、レンズを取り付けるための規格です。ツメを3つ使って、ひねるとカチッと固定される「バヨネット式」で、ねじ込み式のM42マウントの後継として登場しました。

海外のカメラ販売店の解説やWikipediaによると、Kマウントは、もともとツァイス・イコンと旭光学が共通のマウントを作ろうとした共同プロジェクトから生まれました。この提携は途中で終わりましたが、旭光学はできあがったマウントと新しいレンズ設計を引き継いで、自社で開発を続けたと伝えられています。

発売は1975年6月1日です。K2、KX、KMという3機種のカメラと、50mm F1.2など3本のレンズが登場しました。さらに、すでにあった26本のレンズがKマウント版として発売されました。Pentax Forumsに関わる筆者が書いた50周年の記事(Substack)によると、このとき生まれたレンズは、50年たった今でも現行のデジタル一眼レフに取り付けて使えます。

3-2 Kマウントの進化(K → KA → KAF → KAF4)

最初のKマウントは、ツメで固定する単純な構造で、絞りを機械的に動かす仕組みしか持っていませんでした。その後、少しずつ機能が足されていきました。

名称登場の時期主な変化(やさしい説明)
Kマウント1975年最初の形。ツメで固定し、絞りは機械的に動かす
KAマウント1983年電気接点が加わり、レンズと本体が情報をやり取りできるように
KAFマウント系オートフォーカス時代オートフォーカスに対応。本体のモーターでレンズを動かす方式が中心
KAF3マウント後年レンズ内のモーターで動くレンズに対応
KAF4マウント2016年本体側のモーターを使わない新型レンズ(PLMモーターのレンズなど)に対応。最初は「HD PENTAX-DA 55-300mm」に採用

大切なのは、これだけ進化しても、一番外側の「差し込み口の形」は変わっていない点です。接点が増えたり、中の仕組みが変わったりしても、基本のツメの形は1975年のままなので、古いレンズが取り付けられなくなることはありませんでした。

3-3 Kマウントの最大の特徴は「ほぼすべてのレンズが付く」こと

リコーイメージングの欧州向け紹介記事は、Kマウントで使えるPENTAX純正レンズが380種類以上あると紹介しています。60年以上前のM42マウントのレンズも、専用アダプターを使えば付けられますし、645や67の中判用レンズも別のアダプターで使えます。

ここで、PENTAXをよく知らない方に分かりやすく言うと、「親が使っていた昔のフィルムカメラ用レンズを、最新のデジタル一眼レフにそのまま付けられる」ということです。他のメーカーでは、マウントを変えたときに昔のレンズが使えなくなったり、機能が制限されたりすることがよくあります。海外のカメラ店Kamerastoreの解説も、ニコンは長く続くマウントを持ちながら互換性の維持では劣る場面があり、PENTAXは「ほぼすべてのレンズで互換性が保たれている」と評価しています。

3-4 注意しておきたい「使えない・制限される」ケース

ただし、何でも完全に使えるわけではありません。Wikipediaなどの技術解説をもとに、主な注意点をまとめます。

  • 絞りリングを持たない新しいタイプのレンズ(DAレンズなど)は、絞りリングが必要な古いフィルムカメラでは使えません。デジタル一眼レフで使う分には問題ありません。
  • 古い手動のレンズは、ピントも絞りも自分で操作します。自動露出が効かない場合もあります。
  • 他社が作ったKマウントのレンズには、まれに互換性の問題が報告されています。

こうした制限があっても、「付けられない」という場面が少ない点が、Kマウントの強みと言えます。

3-5 サードパーティー(他社製)レンズの状況

PENTAXの純正レンズ以外では、シグマとタムロンが長く支えてきました。ところがPentax Forumsの解説記事によると、タムロンは2019年8月にKマウントの最後のレンズの生産を終え、シグマも同じ年にKマウント対応を終えました。現在は、サムヤン、ラオワ(Venus Optics)、イリックスなどが、一部の特殊なレンズ(あおり撮影用や超拡大撮影用など)を作っています。

一方で、リコーがタムロンの光学設計を使って、PENTAXの外観とコーティングで作ったレンズを出していることも、同記事で紹介されています。自社だけで全部を作るのが難しい市場で、工夫してレンズ群を維持してきたことが分かります。

第4章 キヤノン・ニコンにはないPENTAXの魅力 カメラ好きに愛される理由

PENTAXは、市場シェアではキヤノンやニコンに大きく差をつけられています。それでも熱心なファンが多いのはなぜか。主な理由を6つに分けて、順番に見ていきます。

4-1 全機種に入っている「ボディ内手ぶれ補正」

PENTAXの一眼レフは、2006年のK100D以来、手ぶれ補正をカメラ本体の中に入れてきました。センサーを動かして揺れを打ち消す方式です。

この方式の良い点は、どんなレンズを付けても手ぶれ補正が効くことです。つまり、1970年代のレンズを付けても、手ぶれ補正付きのレンズに早変わりします。レンズごとに補正の仕組みを入れなくてよいので、レンズを小さく、安く作りやすいというメリットもあります。当時の一眼レフ市場では、キヤノンやニコンはレンズ内の補正が中心でした。

4-2 手ぶれ補正の仕組みを活かした「PENTAXだけの機能」

センサーを精密に動かせることを利用して、PENTAXは独自の機能をいくつも作りました。リコーイメージングの公式紹介でも、次の機能が挙げられています。

  • ピクセルシフトレゾリューション 同じ場面をセンサーを少しずつずらしながら複数枚撮り、1枚に合成して精細さと色の正確さを高めます。K-1 Mark IIでは、三脚なしの手持ちでも使える方式(ダイナミックピクセルシフト)も加わりました。
  • アンチエイリアスフィルターシミュレーター センサーを微小に振動させて、ローパスフィルター(モアレを防ぐ部品)の効果を、必要なときだけ再現します。
  • アストロトレーサー GPSの情報と組み合わせて、地球の自転に合わせてセンサーを動かし、星を点で写す機能です。赤道儀(星を追尾する機材)がなくても、星空の撮影を楽しめます。
  • 自動水平補正と構図微調整 カメラの傾きをセンサーの動きで補正します。

星空や風景を撮る人が「PENTAXは星に強い」と言うのは、この機能のためです。

4-3 ガラスのペンタプリズムを使った光学ファインダー

PENTAXの名前の由来でもあるペンタプリズムは、ファインダーの中に入っているガラスの塊です。像を明るく、見やすく届けてくれます。

PENTAX Forumsの2018年の解説は、廉価モデルのK-70にも、ガラスのペンタプリズムが使われていたと紹介しています。一般に、価格を抑えた一眼レフは、鏡を組み合わせた「ペンタミラー」で代用することがよくあります。ペンタミラーのほうが軽く、安く作れますが、見え方はやや暗くなります。PENTAXは、入門機でも「ガラスのファインダー」にこだわった珍しいメーカーでした。

またPetaPixelが2026年1月に報じたインタビューでは、リコー側の説明として「リコーブランドは気軽にスナップを撮りたい人への約束、PENTAXブランドはファインダーとペンタプリズムを求める人への約束」という趣旨の発言が紹介されています。ファインダーを見て撮るという行為が、PENTAXというブランドの核にあることがよく分かります。

4-4 入門機にも入っていた「防塵・防滴」

PENTAXは1980年に、防塵防滴構造を備えた最初の一眼レフ「LX」を出しました。公式サイトによると、この技術は長年にわたって磨かれ、カメラ本体だけでなくレンズや外付けフラッシュにも広がりました。

PENTAX Forumsの記事も、現行のPENTAX一眼レフが総じて防塵防滴で、安価なレンズでも「WR」(簡易防滴)の表示があることを、PENTAXの魅力として挙げています。雨や砂ぼこり、雪の中でも気軽に撮れるという安心感は、アウトドアや旅行の好きな人から高く評価されてきました。

なお、レンズ名にある「WR」は簡易的な防滴構造、「AW」は防塵防滴構造を示します。「AW」のほうが、より本格的な耐候性を備えています。

4-5 小さくて質感の良い「リミテッドレンズ」

PENTAXは、金属の鏡筒で作られた小型の単焦点レンズ群「リミテッド」でも有名です。リコーイメージングの公式紹介では、レンズ独特の描写の味わいと質感を大切にし、立体感のある描写と柔らかなボケを、小さなサイズで実現したレンズ群として紹介されています。

なかでも、31mm、43mm、77mmの3本は「オリジナルリミテッド」と呼ばれ、いまも高い評価を受けています。英国のPentaxUser誌は、これらが近年のHDコーティングで新しくなりながら、今も現役である点を紹介しています。大きく重いレンズが増えた時代に、「持ち歩きたくなる小ささ」を守り続けているのは、PENTAXの個性です。

4-6 「撮る時間そのもの」を大切にする思想

最後に、スペックでは測りにくい魅力があります。PetaPixelは、リコー側の考えとして「カメラの成功は、性能や機能だけでなく、手に取って使いたくなる気持ちを起こさせるかどうかにある」と紹介しています。

2026年9月の声明にも「撮る時間そのものが豊かになる存在へ」という言葉があります。製品の方向性としては、性能競争から離れて、撮影体験そのものを売るという戦略に舵を切ろうとしているように見えます。

4-7 キヤノン・ニコンと比べると何が違う?

あくまで一般的な傾向としてですが、一眼レフの時代の違いを表にまとめます。

項目PENTAX他社一眼レフの一般的な傾向
手ぶれ補正本体内蔵が基本(どのレンズでも効く)レンズ内蔵が中心
古いレンズの互換性1975年以降のKマウントレンズがほぼ使えるマウント変更や制限が入る場面がある
ファインダー入門機でもガラスのペンタプリズム(機種による)入門機はペンタミラーが多い
防塵防滴入門機やレンズにも広がっていた中上位機以上が中心
独自機能ピクセルシフト、アストロトレーサーなど動画や高速連写などが中心
レンズの個性小型の金属製リミテッド大口径・高性能レンズが中心

ただし、これは「PENTAXのほうが優れている」という意味ではありません。動体の追尾、動画性能、レンズの選択肢の多さでは、他社に分があります。PENTAXの魅力は、「速さや数字」ではなく、「使うことそのものの楽しさ」にあると言えます。

4-8 海外の見方「一眼レフを残す価値はあるのか」

Digital Camera Worldは、製造終了の発表を受けた記事で、DSLRに残る最大の魅力は光学ファインダーだと述べています。電子ファインダーには、どれほど優れていても、肉眼で直接見る感覚には届かない部分があるという考え方です。

一方で、同誌は、2024年に報じられたリコーのフランス・スイス担当の営業責任者の発言も紹介しています。その内容は、光学ファインダーやペンタプリズムの魅力は「純粋主義者」には届くが、若い世代が求めているものではなくなっている、というものでした。強みとして磨いてきた魅力が、市場では伝わりにくくなっている、という自己分析です。

この「強みなのに売れない」という矛盾が、今回の「全く新たなコンセプト」を考える上で、大きなヒントになります。

第5章 これからKマウントレンズはどうなる? 現行レンズから考える

5-1 2026年10月27日時点の現行ラインアップ

リコーイメージングの公式サイトの「デジタル一眼レフ用レンズ一覧」に掲載されているKマウントレンズを、カテゴリー別にまとめます(2026年10月27日時点で確認)。「APS-C」はAPS-Cサイズ専用、「FF」はフルサイズにも対応するレンズです。名前の先頭にある「★」は、最上位の「スターレンズ」シリーズを意味します。

広角レンズ(8本)

レンズ名焦点距離・明るさ対応
HD PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5 ED10-17mm F3.5-4.5APS-C
HD PENTAX-DA★ 11-18mm F2.8 ED DC AW11-18mm F2.8APS-C
HD PENTAX-D FA 15-30mm F2.8 ED SDM WR15-30mm F2.8FF
HD PENTAX-DA 15mm F4 ED AL Limited15mm F4APS-C
HD PENTAX-D FA 21mm F2.4 ED Limited DC WR21mm F2.4FF
HD PENTAX-DA 21mm F3.2 AL Limited21mm F3.2APS-C
HD PENTAX-FA 31mm F1.8 Limited31mm F1.8FF
HD PENTAX-FA 35mm F235mm F2FF

標準レンズ(11本)

レンズ名焦点距離・明るさ対応
HD PENTAX-DA★ 16-50mm F2.8 ED PLM AW16-50mm F2.8APS-C
HD PENTAX-DA 16-85mm F3.5-5.6 ED DC WR16-85mm F3.5-5.6APS-C
smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL WR18-55mm F3.5-5.6APS-C
smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL[IF] DC WR18-135mm F3.5-5.6APS-C
HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4 ED Limited DC WR20-40mm F2.8-4APS-C
smc PENTAX-DA 35mm F2.4 AL35mm F2.4APS-C
HD PENTAX-DA 40mm F2.8 Limited40mm F2.8APS-C
HD PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited43mm F1.9FF
HD PENTAX-D FA★ 50mm F1.4 SDM AW50mm F1.4FF
HD PENTAX FA-50mm F1.450mm F1.4FF
smc PENTAX FA-50mm F1.4 Classic50mm F1.4FF

望遠レンズ(8本)

レンズ名焦点距離・明るさ対応
HD PENTAX-DA 55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR RE55-300mm F4.5-6.3APS-C
HD PENTAX-D FA★ 70-200mm F2.8 ED DC AW70-200mm F2.8FF
HD PENTAX-D FA 70-210mm F4 ED SDM WR70-210mm F4FF
HD PENTAX-D FA 150-450mm F4.5-5.6 ED DC AW150-450mm F4.5-5.6FF
smc PENTAX-DA 50mm F1.850mm F1.8APS-C
HD PENTAX-DA 70mm F2.4 Limited70mm F2.4APS-C
HD PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited77mm F1.8FF
smc PENTAX-DA★ 300mm F4 ED[IF] SDM300mm F4APS-C

マクロレンズ(3本)とコンバーター類

レンズ名内容対応
HD PENTAX-DA 35mm F2.8 Macro Limited35mmマクロAPS-C
smc PENTAX-D FA MACRO 50mm F2.850mmマクロFF
HD PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 ED AW100mmマクロFF
HD PENTAX-DA AF REAR CONVERTER 1.4X AWリアコンバーター対応レンズ限定
A1.4X-S / A2X-S / A1.4X-L / A2X-L1.4倍・2倍コンバーター対応レンズ限定
F AF Adapter 1.7XAFアダプター対応機種限定

筆者が公式の一覧から数えたところ、レンズは全部で30本です。そのうち、フルサイズにも対応するレンズが14本、APS-C専用が16本でした。リミテッドは10本、スターレンズは5本です。これだけ幅広いレンズが、今も公式にラインナップされています。

なお、この英語版の公式一覧には載っていても、実際には販売が終わっているレンズが混ざっている可能性があります。たとえば70-210mm F4は、掲示板で販売終了の報告が2025年に出ています。また、販売店ごとに在庫状況はばらばらで、人気のレンズは入荷待ちや品切れの店も多いようです。日本語の公式ページと販売店の両方で確認することをおすすめします。購入を考えている方は、実際に在庫があるかを必ず確認してください。

5-2 公式一覧から外れたレンズ

一方で、過去の人気レンズのなかには、現在の公式一覧に見当たらないものもあります。たとえば、HD PENTAX-D FA 24-70mm F2.8 ED SDM WR、HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WRなどです。販売店では在庫が残っていることがありますが、公式の一覧からは外れており、販売が終わったとみられます。

またPentax Forumsの掲示板では、一部のレンズが日本で販売終了になったという報告が、2024〜2025年にかけていくつも投稿されています。ただし、これらは掲示板の情報なので、断定はせず、購入前には販売店や公式サイトで確認してください。

5-3 ラインナップから見えてくる3つのこと

公式一覧と周辺の報道から、次の3つの傾向が見えてきます。

1つ目は、レンズの種類がほぼ出そろっていることです。魚眼から超望遠まで、標準的な撮影はほぼ全部カバーできます。APS-Cとフルサイズの両方で選べる点も、今のPENTAXの強みです。

2つ目は、新しいレンズの追加が止まっていることです。ドイツの情報サイトNotebookcheckは、フルサイズ機が2018年のK-1 Mark II以降出ておらず、新しいレンズの開発も数年前から止まっているように見えると指摘しています。サードパーティーが撤退したことも考えると、「新しいレンズが出る」見通しは、新型カメラの発表を待つ必要がありそうです。

3つ目は、レンズの「資産」としての価値が、相対的に高まることです。声明が「Kマウントレンズの資産をそのまま生かせる」と書いている以上、今あるレンズは、新型カメラの発売後も使える可能性が高いと考えられます。

5-4 今あるKマウントレンズは「まだまだ使える」

結論から言うと、手持ちのKマウントレンズは、これからも使えると考えて大丈夫です。理由は次のとおりです。

  • 製造終了になったのは、カメラ本体です。レンズの販売終了は今回の発表に含まれていません。
  • 今ある一眼レフ本体は、壊れない限り使い続けられます。中古の本体も豊富にあります。
  • 新型カメラは、Kマウントレンズが使えることを前提に開発されると公式が言っています。
  • Kマウントは、ミラーレスカメラの多くよりもレンズと本体の距離が長い構造なので、変換アダプターを使って他社のミラーレスに付けることもできます。ただし、オートフォーカスや絞りの制御は制限されることが多いため、あくまで手動操作が基本になります。

ちなみに、リコーはかつてQシリーズ用に、純正の「Kマウントレンズ用アダプターQ」も出していました。ピント合わせは手動のみという制約付きですが、「Kマウントレンズを他のカメラで使う」という発想は、PENTAXでもすでに実績があります。

5-5 いまレンズを買うべき? 判断のヒント

私は投資や購入のアドバイザーではないので、買うべきかどうかは断言できません。ただ、判断する材料として、考え方を3つ整理します。

  • 今の本体を持っていて、使い続ける予定がある人は、ほしいレンズを今のうちに買っておく価値があります。公式の一覧にあるレンズでも、在庫がなくなるスピードは、今後早まるかもしれません。
  • 新型カメラを待つ人は、小型のリミテッドレンズや、フルサイズ対応のD FA・FAレンズが、新型でも活躍する可能性が高いと考えられます。ただし、新型がAPS-Cか、フルサイズかは、まだ分かっていません。
  • 新型の仕様が出るまで待つという選択肢もあります。時間がかかる分、焦って買う必要はありません。

第6章 PENTAXが言う「新たなステージ」とは? Kマウントとレフ機のゆくえ

6-1 リコーはこれまで、何を語ってきたのか

声明だけを読むと謎が多いのですが、この1年ほどの経営陣の発言をたどると、考えている方向が少し見えてきます。

PetaPixelの2026年1月のインタビューで、リコーの社長(同誌の表記)は、これまで「GRのAチーム」と「PENTAXのBチーム」に分かれていた開発チームを合体させ、PENTAXブランドのために全く新しいコンセプトを考えさせている、と話したと報じられています。また、「今の顧客だけに向けたものづくりでは、ブランドは続かない。若い世代を引きつける一眼レフとは何かを、社内で議論している」という趣旨の発言も紹介されています。

加えて、2024年発売のPENTAX 17(フィルムカメラ)の成功も、大きなヒントです。DPReviewの開発チームへのインタビューによると、このカメラは、デジタル世代で育った若い人たちが「フィルムで撮る楽しさ」に新鮮さを感じる流れを意識して企画されました。「若い人に、ファインダーをのぞいて撮る体験を届ける」という発想は、まさに今回の「新たなステージ」と重なります。

6-2 Kマウントは存続するのか

公式の日本語の声明では、「Kマウントレンズの資産をそのまま生かせる」と書かれています。英語版の公式訳(DPReviewなどが引用)では「K-mountの遺産を活かして(leverage the K-mount legacy)」となっており、日本語のほうが「そのまま」という言葉の分、より強い表現だと筆者は読みます。つまり、今あるレンズを、特別な手間をかけずに使える前提だと受け取れます。

ただし、次のことは、まだ分かっていません。

  • 新型カメラのマウントが、1975年と同じKマウントなのか
  • アダプターを介して使うのか
  • 古い手動レンズや、AF非対応レンズまで含めて使えるのか

Pentax Forumsの掲示板でも、さまざまな予想が飛び交っています。この記事では、公式の言葉をそのまま読むと、「Kマウントは続く」と考えるのが自然であると考えます。

6-3 ペンタプリズムと光学ファインダーはどうなる?

声明が使っている言葉は「デジタル一眼レフカメラ」です。一眼レフは、鏡を使って光をファインダーに導くカメラのことなので、光学ファインダー(直接のぞくタイプ)が残る可能性が高いと考えられます。

Digital Camera Worldも、新型は「デジタルであること」「Kマウントレンズを使うこと」「一眼レフの形を守ること」が確かだと整理しています。

一方で、ガラスのペンタプリズムを使うのか、軽いペンタミラーにするのかは、まだ不明です。たとえば、軽くて小さなカメラにするなら、ペンタミラーが選ばれるかもしれません。PENTAXは過去にK110Dのように、ペンタミラーのモデルも出しています。入門機で若い人を狙うなら、価格や大きさの面で合理的な選択になる場合もあります。

もう1つのヒントは、最新技術との組み合わせです。2016年のK-1では、光学ファインダーの中に、液晶で情報(グリッド線やAFフレーム)を重ねて表示する仕組みが採用されました。さらにPetaPixelの2023年の記事では、リコーのスタッフが、光学ファインダーを使っていても、被写体の人の目や飛んでいる鳥を検出できる技術に言及しています。つまり、「光学ファインダーで見ながら、最新技術の助けも借りる」という方向は、すでに実績があるのです。

6-4 新型カメラの3つのシナリオ(筆者の予想)

ここからは、公式発表ではなく、筆者の予想です。報道や掲示板の議論をもとに、3つのシナリオを整理しました。

シナリオ内容納得できる点気になる点
A Kマウントを守る、やさしい一眼レフKマウントを維持し、小さく、操作が分かりやすく、写真を撮ること自体を楽しめるカメラにする声明の言葉と最も整合的。既存レンズも使える価格や性能で、ミラーレスと勝負しない戦略が必要
B 新しいマウント+Kアダプター新しいマウントにして、Kマウントレンズはアダプター経由で使う掲示板で、昔のミノルタ「ヴェクティス」のような方式ではという予想が出ている「そのまま生かせる」という表現と合わない。一眼レフは鏡の空間が必要で、マウントを短くしにくい
C ミラーレス寄りの設計ミラーレスにして、Kマウントのまま作る英国のAmateur Photographerの編集者が「本当に新しいのはミラーレスへの参入では」と書いている声明は「一眼レフ」と繰り返している。過去のK-01の失敗もある

筆者は、AがもっとありそうなシナリオでBとCは可能性が低いと見ています。ただし、これは「そうなってほしい」という願望も入った予想で、どうなるかは、リコーが次に何を発表するかを待つしかありません。

6-5 ビジネスとして成り立つのか

厳しい現実にも触れておきます。

Fstoppersは、日本のCIPA(カメラ映像機器工業会)のデータを引用して、2026年には一眼レフの出荷台数が前年比で大きく減っている月があると紹介しています。また、一眼レフ1台あたりの輸出額は約282ドルで、ミラーレスの約711ドルの半分以下です。数が少なく、単価も低いので、事業としては厳しい状況です。

また、Amateur Photographerは、PENTAXの一眼レフの年間販売台数が1万台程度と報じられている点を挙げ、思い切った方向転換が必要ではないかと書いています。

それでもリコーは、一眼レフの新型を作ると宣言しました。「大きく売る」よりも、「PENTAXらしさを守る」ことを優先して、小さくても熱心なファンと、新しく写真に出会う若い人の両方を相手にする戦略に見えます。

6-6 発売時期はいつごろ?

声明には「姿を現すまでにはまだ時間を要する見込み」とあります。具体的な年は出ていません。Fstoppersも、新型は「発表も仕様も日程も決まっていない」と書いています。

筆者の予想では、製品が出るまで、少なくとも1年以上はかかる可能性があります。進捗については「情報が整い次第、適切なタイミングで順次お知らせする」とされているので、途中で試作機や開発のヒントが公開されるかもしれません。公式のお知らせは、リコーイメージングのニュースページで確認できます。

6-7 いまPENTAXユーザーが気をつけたいこと

最後に、今PENTAXを使っている方、これから買う方への実用的なポイントです。

  • 今ある一眼レフとレンズを、そのまま使い続けて大丈夫です。故障しない限り、これまで通り写真が撮れます。
  • 修理やサポートについては、今回の声明では触れられていません。ご自身の機種の修理受付の状況は、リコーイメージングの公式サポートページで確認してください。
  • 新品の本体は、販売店の在庫限りになる可能性があります。ほしい場合は、販売店ごとに在庫を確認してください。
  • 中古の本体やレンズは、今後の動きで値動きが出るかもしれません。状態と価格をよく見て、焦らずに選んでください。

第7章 よくある質問(FAQ)

Q1 PENTAXのKシリーズは完全になくなってしまうのですか?

現行のKシリーズデジタル一眼レフカメラは製造が終了しました。ただし、リコーイメージングは、Kマウントレンズの資産を生かす新しいデジタル一眼レフを開発中だと発表しています。「Kシリーズ」という名前が残るかどうかは、まだ分かっていません。

Q2 Kマウントは終わりますか?

公式は、Kマウントの終了を発表していません。むしろ、Kマウントレンズの資産をそのまま生かすと書いています。ただし、新型カメラのマウントが従来のKマウントそのものかどうかは、未発表です。

Q3 いまPENTAXのレンズを買っても大丈夫ですか?

今ある一眼レフで使う、中古を含めて使い続ける、新型を待つ、という前提であれば、レンズの価値は残る可能性が高いと考えられます。ただし、新型の仕様が分かっていないため、将来の保証はできません。購入前に、公式サイトや販売店で在庫と価格を確認してください。

Q4 新型カメラはいつ発売されますか?

発売時期は発表されていません。声明では「まだ時間を要する見込み」とされています。

Q5 PENTAXはミラーレスになりますか?

声明では「デジタル一眼レフカメラ」と書かれており、ミラーレスへの転換は発表されていません。ただし、新しいコンセプトの中身は未公開です。

Q6 今でも買える新品の一眼レフはありますか?

日本では、2026年9月初旬の時点で、PENTAXの新品の一眼レフは、ほぼ販売終了になっていました。海外では、一部の店でK-1 Mark IIが残っていた時期があります。購入を考えている場合は、販売店の在庫をご確認ください。

Q7 PENTAX 17やGRシリーズ、防水コンパクトはどうなりますか?

今回の声明の対象は、Kシリーズデジタル一眼レフカメラです。Digital Camera Worldも、WGシリーズやPENTAX 17は対象外だと整理しています。

Q8 手持ちの古いKマウントレンズは、新型でも使えますか?

公式は「Kマウントレンズの資産をそのまま生かせる」と述べています。古い手動レンズやAF非対応のレンズまですべて使えるのかは、仕様が発表されるまで分かりません。

第8章 まとめ 「終わり」ではなく「次の始まり」を待とう

ここまでの内容を、章ごとに振り返ります。

第1章では、2026年9月9日の声明で、現行のKシリーズデジタル一眼レフカメラの製造終了と、新コンセプトの一眼レフ開発が同時に発表されたことを整理しました。販売店ではすでに、K-3 Mark III、K-3 Mark III Monochrome、KF、K-1 Mark IIが順番に販売終了扱いになっており、その流れに公式の説明が追いついた形でした。

第2章では、1919年の旭光学の創業から、1957年のアサヒペンタックス、1975年のKマウント、2003年の*ist D、2016年のK-1までを年表にしました。「PENTAX」という名前が、ペンタプリズムとコンタックスに由来することも、海外の資料から紹介しました。

第3章では、Kマウントが、1975年に生まれ、半世紀にわたって形を変えずに進化してきたことを説明しました。古いレンズが今のデジタル一眼レフにそのまま付くという互換性が、最大の特徴です。

第4章では、ボディ内手ぶれ補正、ピクセルシフトやアストロトレーサー、ガラスのペンタプリズム、防塵防滴、リミテッドレンズ、そして「撮る時間そのものを大切にする」思想という、PENTAXの魅力を6つ紹介しました。

第5章では、2026年10月27日時点の公式レンズ一覧を整理し、広い範囲を約30本でカバーしていること、新レンズの追加は止まっていること、手持ちのレンズはこれからも使えることを確認しました。

第6章では、新型カメラの姿を考えました。公式には、一眼レフであること、Kマウントレンズの資産を生かすこと、時間がかかることしか分かっていません。この記事では、Kマウントを守るやさしい一眼レフになる可能性が高いと予想しましたが、あくまで予想です。

振り返ってみると、今回の発表は、PENTAXにとって「終わりの宣告」というよりも、長い歴史のなかでの「休憩と再出発の宣言」だと思います。2011年のミラーレス挑戦の失敗、会社の持ち主の交代、一眼レフ市場の縮小といった困難を乗り越えながら、PENTAXは「ファインダーをのぞいて撮る楽しさ」を守ってきました。その姿勢は、今回の声明にも貫かれています。

写真を撮るという行為は、本来、速さや数字だけで測れるものではありません。ファインダーの向こうの景色を、自分の目で見て、シャッターを切る。その喜びを、若い世代にも届けたいというリコーの言葉に、筆者は期待を寄せたいと思います。

今あるカメラとレンズを大切に使いながら、次の一眼レフが姿を現す日を、楽しみに待ちましょう。新しい情報が出たら、この記事も更新していきます。


参考文献・参照元(2026年10月27日確認)

公式情報

国内メディア

海外メディア・資料

コミュニティの意見(参考情報)


ご注意

この記事は、2026年10月27日時点で公開されている公式発表と、国内外の報道・資料をもとに、筆者が個人的に調べてまとめたものです。内容の正確性には十分配慮していますが、情報の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。第6章の新型カメラに関する記述のうち「予想」と書かれている部分は、公式発表ではなく筆者の推測です。製品の仕様、販売状況、価格、サポートの内容は、予告なく変更される場合があります。ご購入や修理のご依頼の前には、必ずリコーイメージングの公式サイトや販売店で最新の情報をご確認ください。また、この記事の情報をもとに行った行動や判断によって生じた損害・不利益について、筆者および当ブログは一切の責任を負いません。商品名・会社名は各社の商標または登録商標です。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

手帳が続かない・考えすぎて動けない、そんな時期を何度も経験してきました。
手帳歴20年以上、GTD・振り返り・小さな習慣を実践しながら、少しずつ自分なりの整理術を見つけてきた人間です。
「頑張りすぎない改善」をテーマに、手帳・習慣化・心理・オカルト・日常の気になることを丁寧に発信しています。

目次