「迷ったら一番高いものを買え」は本当か?松竹梅で失敗しない買い物の法則

シヴィエさん

入門用の安いやつでも良いんだけど…やっぱり上級モデルが気になるなぁ

アマエビちゃん

誰かが背中を押してくれたら迷わず高いものを買っちゃうのにね

目次

はじめに 一番高いものを買うか、廉価グレードを買うか

「一番高いものを買うか、それとも安いグレードで様子を見るか」

これ、買い物のたびに頭を悩ませる人がとても多い問題です。

例えばカメラを買おうとして、入門機・中級機・上級機の3つが並んでいたとします。値段は3倍近く違うのに、パンフレットにはどれも「初心者にもおすすめ」と書いてある。予算のことを考えれば安いモデルにしたいけれど、心のどこかで「本当は一番上のグレードが欲しいんじゃないか」という声も聞こえてくる。

こうした「グレード選びの迷い」は、趣味の道具でも、日用品でも、車のような大きな買い物でも、繰り返し起こります。そしてこの迷いに対して、昔からよく言われるアドバイスがあります。

それが「迷ったら一番高いものを買え」という言葉です。

この記事では、この言葉がどんな場面で使われるのか、実際に得なのか損なのか、そして海外の研究や思想も参照しながら、できるだけ分かりやすく整理していきます。専門用語はなるべく避けて、誰が読んでもすっと理解できるように書いていますので、これから趣味の道具や生活用品を選ぶ人はぜひ最後まで読んでみてください。

そもそも「松竹梅」のグレード分けはどんな商品にある?

「迷ったら一番高いものを買え」という話をする前に、そもそも私たちの身の回りには「松竹梅」のようにグレードが分かれている商品がとても多いことに気づきます。いくつか例を挙げてみましょう。

楽器

ギターやピアノ、管楽器などは、入門用モデル・中級モデル・プロ仕様モデルとはっきり分かれていることがほとんどです。入門用は数万円、プロ仕様になると数十万円から数百万円にまで跳ね上がることも珍しくありません。

釣具

釣り竿やリールも、初心者向けのセット商品から、素材や設計にこだわった上級者向けモデルまで、驚くほど価格帯が広い世界です。同じ「バス釣り用ロッド」というカテゴリでも、数千円のものから10万円を超えるものまで存在します。

軽自動車ひとつとっても、グレードによって装備や快適性がまったく違います。さらに同じメーカーの中でも、エントリーモデルから上位モデルまで幅広いラインナップが用意されているのが普通です。

そのほかの例

自転車、ゴルフクラブ、スーツケース、包丁、腕時計、パソコン、ヘッドホンなど、趣味性が高いジャンルほど「松竹梅」の価格設計がされている傾向があります。メーカー側からすると、初心者にはまず手に取りやすい価格の商品で入ってもらい、のめり込んだ人には上位グレードへとステップアップしてもらう、という戦略が根底にあるからです。

こうした「グレードの階段」がある商品を選ぶとき、多くの人が「どこまで頑張って予算を出すべきか」という悩みにぶつかります。

「迷ったら一番高いものを買え」はどんな状況で使われる言葉?

このフレーズは、主に次のような場面で使われることが多いです。

  • 趣味を始めたばかりの人が、道具選びで先輩や店員にアドバイスを求めたとき
  • 「どうせ続けるなら」という前提で、長く使う道具を選ぶとき
  • 安いモデルを買って結局満足できず、すぐに買い替えることになりそうな予感があるとき
  • 仕事道具など、日常的に使う頻度が非常に高いものを選ぶとき

つまりこの言葉は、単に「贅沢をしろ」という意味ではありません。むしろ「中途半端なグレードを選んで後悔するくらいなら、最初から納得のいくものを選んだほうが結果的に満足度も高く、無駄な出費も少なくなる」という、経験則に基づいたアドバイスとして使われることが多いのです。

特に趣味の世界では、先輩格の人が初心者に対して「そのうち絶対に上のグレードが欲しくなるから、今のうちに買っておいたほうがいい」と助言する場面でよく耳にします。楽器店やカメラ店、釣具店の店員さんが口にすることも少なくありません。

結局、一番高いものを買うのは「お得」なのか「損」なのか

ここが一番気になるところだと思います。結論から言うと、「続けるかどうか」によって答えが変わります。

続けるならお得になりやすい理由

多くの趣味や道具には、次のような共通した傾向があります。

  1. 廉価グレードや初心者モデルは、性能や快適性に限界があるため、続けているうちに物足りなさを感じやすい
  2. 物足りなさを感じると、結局は上位グレードに買い替えたくなる
  3. 買い替えると、最初に払ったお金がほぼ無駄になり、結果的に「安いもの+高いもの」の合計で、最初から高いものを買うより高くついてしまう

つまり「継続する前提」であれば、最初から自分が本当に欲しいと思えるグレードを選んだほうが、トータルで見ると安上がりになるケースが多いのです。

続けるかどうか分からないなら慎重に

一方で、「そもそも続けるかどうか分からない「試しにやってみたいだけ」という段階であれば、いきなり一番高いものを買うのはリスクが大きくなります。趣味が続かなかった場合、高価な道具がそのまま使われずに眠ってしまう、いわゆる「宝の持ち腐れ」になってしまう可能性があるからです。

このバランス感覚こそが、「迷ったら一番高いものを買え」という言葉を正しく使うためのポイントだと言えます。

海外に学ぶ「高いものを買うと得になる」という考え方

実はこの「高いものを買うほうが結果的に得になる」という発想は、日本だけでなく海外でもよく語られているテーマです。ここでは、日本のブログではあまり紹介されていない海外の視点を2つ紹介します。

イギリス発「靴の理論」(Boots Theory)

イギリスの人気作家テリー・プラチェットが1993年に発表した小説の中に、主人公である衛兵隊長が「お金持ちがなぜお金持ちなのか」を靴を例にして考える場面があります。

その内容を簡単に説明すると、こうです。

安い靴は数か月から1年程度でボロボロになり、また買い直さなければなりません。一方、質の良い靴は長持ちし、10年近く履き続けられます。単純に金額だけを比べると質の良い靴のほうが高く見えますが、10年というスパンで買い直しの回数まで計算すると、実は安い靴を何度も買い続けたほうが、トータルの支払い額は高くなってしまう、という考え方です。

この話は「靴理論」として、その後イギリスの新聞やニュースサイトでもたびたび取り上げられ、生活コストや貧困問題を語るときの比喩として広く使われるようになりました。ただし近年は、「価格が高ければ必ず質が良いとは限らない」「そもそも初期費用を用意できない人にとっては机上の空論になりがち」という指摘も出ており、万能の法則ではないという見方も広がっています。あくまで「長く使うものほど、安さだけで選ぶと結果的に高くつきやすい」というひとつの視点として捉えるのがちょうど良いでしょう。

アメリカ発「一生使えるものを買う」コミュニティ(Buy It For Life)

もうひとつ紹介したいのが、アメリカで2009年に生まれたインターネット上のコミュニティ文化です。「一生使えるものを買おう」という考え方を掲げるこのコミュニティは、現在では数百万人規模の参加者を抱えるほど大きなものに育っています。

この考え方の中心にあるのが「使用1回あたりのコスト」という計算方法です。例えば、2年ごとに買い替える必要がある安いブーツと、20年近く使い続けられる高価なブーツを比較したとき、購入時の金額だけを見れば安いブーツのほうがお得に感じます。しかし年間コストに直すと、長持ちする高価なブーツのほうが結果的に安くつく、というケースが少なくないのです。

このコミュニティでは、財布や鍋、鞄など、日常的に頻繁に使うものほど「使用1回あたりのコスト」で考える価値があるとされています。逆に、技術の進歩が早いパソコンやスマートフォンのようなジャンルには、この考え方はあまり向かないとも言われています。

一方でこのコミュニティ自身も注意点を挙げています。値段が高いからといって必ずしも品質が良いとは限らないこと、そして「完璧な一品」を探し続けるあまり、いつまでも買い物が決まらなくなってしまう「選びすぎ」の落とし穴があることです。高いものを買うこと自体が目的化してしまっては本末転倒だという指摘は、日本の私たちにも通じるものがあります。

「迷ったら一番高いものを買え」で得をした人・損をした人の体験談

実際にこの考え方に従って買い物をした人たちの体験を、よくあるパターンとしてまとめてみました。(個人が特定されないよう、複数の事例を組み合わせた一般的なケースとして紹介します)

得をしたケース1 楽器を始めた社会人

大人になってからギターを始めた人が、最初は「続くかどうか分からないから」と数万円の入門モデルを購入しました。しかし練習を続けるうちに、音の伸びや弾きやすさに物足りなさを感じるようになり、半年後には中級モデルに買い替え。さらに1年後、結局は上位モデルまで買い足すことになり、トータルで見ると最初から上位モデルを買っていたほうが安かった、という結果になりました。

得をしたケース2 毎日使うビジネスバッグ

仕事用のバッグを選ぶとき、安いものを2〜3年おきに買い替えていた人が、思い切って上位グレードの丈夫なバッグを購入したところ、5年以上壊れることなく使い続けられているというケースもあります。毎日使うものだからこそ、耐久性への投資が生きた例と言えるでしょう。

損をしたケース1 趣味が続かなかったカメラ

「せっかくだから」と一眼レフの上位モデルを購入したものの、思ったより外出する機会が作れず、結局は数回しか使わないままクローゼットの奥にしまわれてしまった、というケースもあります。この場合は、最初から入門モデルで様子を見ていれば、無駄な出費を抑えられたかもしれません。

損をしたケース2 用途に合わないハイスペックモデル

登山用のバックパックを選ぶ際、遠征や縦走を想定した最上位モデルを購入したものの、実際には近所のハイキング程度にしか使わず、機能を持て余してしまったという声もあります。高いものが必ずしも「自分に合ったもの」とは限らない、という良い例です。

これらの体験談から見えてくるのは、「高いものを買うこと」自体が正解でも不正解でもなく、「自分がどれくらい本気で続けるつもりなのか」を事前にどれだけ正直に見積もれるかが、得と損の分かれ目になっているということです。

「一番高いものを買う」を上手に活用するためのチェックポイント

ここまでの内容を踏まえて、実際に高いグレードを検討するときに確認しておきたいポイントを整理します。

  • 続ける自信がどれくらいあるか 少なくとも1年以上続けられそうだと感じるなら、高いグレードを検討する価値があります
  • 使用頻度はどれくらいか 毎日、あるいは週に何度も使うものほど、高いグレードへの投資は回収しやすくなります
  • 廉価グレードで我慢できる期間はどれくらいか 「すぐに物足りなくなりそう」と感じるなら、最初から上位グレードを検討したほうが良いかもしれません
  • 価格差の理由を理解しているか 単なるブランド代なのか、素材や耐久性、機能性による価格差なのかを確認しましょう
  • 家計に無理のない範囲か どれだけ長期的にお得でも、今の生活を圧迫してしまっては本末転倒です

特に最後の「家計に無理のない範囲か」という点は非常に重要です。将来的にお得になるとしても、無理な出費で日々の生活が苦しくなってしまっては意味がありません。高いグレードを選ぶかどうかは、あくまで自分の生活とのバランスの中で判断することが大切です。

まとめ 将来を見据えるなら「一番高いもの」も選択肢に入れてみよう

「迷ったら一番高いものを買え」という言葉は、単なる贅沢のすすめではなく、長く使い続けることを前提とした場合には、結果的にお得になりやすいという経験則に基づいたアドバイスです。

海外の「靴理論」や「一生使えるものを買う」というコミュニティの考え方からも分かるように、購入時の金額だけでなく、使用期間全体で考える「1回あたりのコスト」という視点を持つことは、これからの買い物選びにとても役立ちます。

一方で、続けるかどうか分からない段階でいきなり高いグレードに手を出すのは、リスクも伴います。大切なのは「自分がこの先どれくらい本気で続けたいのか」を正直に見つめ直し、それに見合ったグレードを選ぶことです。

もしあなたが今、松竹梅のグレード選びで迷っているなら、目先の値段だけでなく、5年後・10年後の自分がどう使っているかを想像してみてください。将来を見据えたとき、思い切って一番高いものを選ぶという判断も、決して間違いではないはずです。

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この記事を書いた人

手帳が続かない・考えすぎて動けない、そんな時期を何度も経験してきました。
手帳歴20年以上、GTD・振り返り・小さな習慣を実践しながら、少しずつ自分なりの整理術を見つけてきた人間です。
「頑張りすぎない改善」をテーマに、手帳・習慣化・心理・オカルト・日常の気になることを丁寧に発信しています。

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