ゲームが上手い人と下手な人の違いとは?海外の脳科学・心理学研究から見えてきた本当の理由

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はじめに あなたはゲーム、得意ですか?

いきなりですが、質問です。あなたはゲームが得意なほうでしょうか、それとも苦手なほうでしょうか。

一口に「ゲーム」といっても、反射神経が試されるアクションゲーム、じっくり頭を使うパズルゲーム、コツコツと育成や戦略を練るRPGやシミュレーションなど、そのジャンルは実にさまざまです。そして不思議なことに、同じくらいゲームに触れてきたはずなのに「何をやらせても上手い人」がいる一方で、「何をやっても人並み以上にはならない人」もいます。さらに言えば、「アクションゲームは得意だけれどパズルゲームは苦手」「RPGの周回作業は得意なのに対戦ゲームだとすぐに負けてしまう」というように、ジャンルによって得意不得意がはっきり分かれる人も少なくありません。

この違いは、単なる「センスがあるかないか」「才能があるかないか」という一言で片付けられるものではありません。近年、海外の脳科学や心理学の分野では、ゲームのうまさを構成する要素を細かく分解し、何が本当に「上手さ」を決めているのかを解明しようとする研究が数多く進められています。ジュネーブ大学の研究チームによる大規模な調査や、エキスパート研究の第一人者アンダース・エリクソンによる練習理論、教育学者ジェームズ・ポール・ジーによる「ゲームというメディアの学び方」に関する分析など、日本のゲーム系ブログではあまり紹介されてこなかった知見が数多く存在します。

この記事では、そうした海外の文献をもとに、「ゲームが上手い人と下手な人の違い」を、脳の使い方、練習の質、心のあり方、そしてゲーム会社が実際にどのように実力差を数値化しているのか、という複数の角度から丁寧に掘り下げていきます。専門用語はできるだけかみ砕いて説明しますので、ゲーム初心者の方にも気軽に読んでいただける内容になっています。

第1章 「ゲームが上手い」とはそもそも何を意味するのか

「上手い」「下手」の違いを考える前に、そもそも「ゲームが上手い」とはどういう状態を指すのかを整理しておく必要があります。実はこの「上手さ」は、単一の能力ではなく、いくつもの認知的な要素が組み合わさってできています。

代表的な要素を挙げると、次のようなものがあります。

  • 反射神経(刺激に対してどれだけ速く反応できるか)
  • 注意のコントロール力(画面のどこに注目し、何を無視するかを選ぶ力)
  • 空間認知能力(三次元空間の位置関係や動きを頭の中で把握する力)
  • ワーキングメモリ(複数の情報を同時に頭の中に保持しながら処理する力)
  • パターン認識力(過去の経験から状況を予測する力)
  • 計画性や資源管理能力(RPGや戦略ゲームで重要になる、限られたリソースを配分する力)
  • コミュニケーション能力(チーム対戦ゲームにおける連携力)

興味深いことに、対戦ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」のプレイヤーを対象にしたスペインの研究チームによる調査では、上級者・中級者・非プレイヤーを比較したところ、単純な反応速度そのものにはそれほど大きな差が見られなかった一方で、視空間ワーキングメモリと注意コントロール能力には明確な差が見られたと報告されています。つまり「反応が速いから上手い」のではなく、「同時に処理できる情報の量と、その処理の正確さが高いから上手い」というのが実態に近いのです。この点を理解しておくと、この先の章で紹介する研究がより腑に落ちやすくなります。

第2章 反射神経よりも大事な「注意コントロール」の差

ゲームの上手さを語るうえで欠かせないのが、ジュネーブ大学のダフネ・バヴェリエ教授らが長年にわたり研究してきた「注意コントロール(アテンショナル・コントロール)」という概念です。これは、目の前にある膨大な視覚情報の中から、今もっとも重要な情報だけを選び取り、不要な情報を意識的にシャットアウトする能力のことを指します。

バヴェリエ教授らの研究チームは、シューティングゲームなどの「アクションビデオゲーム」を日常的にプレイする人(AVGP)と、ほとんどゲームをしない人(NVGP)を比較する実験を数多く実施してきました。その結果、AVGPは視覚的な選択的注意に関わる課題において、一貫して優れた成績を示すことが分かっています。さらに2018年に発表された大規模なメタ分析(2000年から2015年までの15年分のデータを統合した研究)では、アクションゲームの経験がトップダウン型の注意力と空間認知能力を確実に高めることが示され、知覚能力についても好ましい兆候が見られたと結論づけられています。

これは単に「目が良い」「反射神経が良い」という話ではありません。上手いプレイヤーは、画面上の膨大な情報の中から「今まさに注目すべき箇所」を無意識レベルで素早く絞り込み、そこに認知資源を集中投下しています。一方で苦手な人は、注目すべきポイントを絞り込めず、視線や意識があちこちに分散してしまい、結果として反応が遅れたり、大事な情報を見逃したりしてしまうのです。つまり「反射神経が悪いから下手」というよりも、「どこを見るべきかを選ぶ力が育っていないから下手に見える」というケースが非常に多いということが、これらの研究から示唆されています。

第3章 空間認知能力の差 3D酔いする人としない人の脳

もうひとつ、上手い人と下手な人を分ける重要な要素が「空間認知能力」です。これは、三次元的な空間の中で自分の位置や向き、物体との距離感を頭の中で正確にイメージする能力のことです。3Dアクションゲームで方向感覚を失ってしまう、いわゆる「3D酔い」をしやすい人は、この空間認知の処理に負荷がかかりやすい傾向があると考えられています。

台湾の研究チームがMRIを用いて行った調査では、アクションゲームの熟練者は、そうでない人と比べて右脳の頭頂葉後部という空間認知に関わる領域の灰白質の体積が有意に大きいことが報告されました。しかも、この体積の大きさは視覚的なワーキングメモリの成績とも相関していたといいます。つまり、長期間にわたるゲームプレイの経験が、脳の構造そのものに変化をもたらしている可能性があるということです。

さらに興味深いのは、空間認知能力における性差に関する研究です。2007年に発表された研究では、アクションゲームを一定期間プレイさせることで、従来男女間で見られていた空間認知能力の差が縮小したという結果が報告されています。これは、空間認知能力が生まれつき固定されたものではなく、適切なトレーニングによって後天的に伸ばせる可能性を示す重要な発見でした。

ただし、空間認知能力への効果はゲームのジャンルによって差があることも分かっています。研究によれば、アクションゲームは空間的な注意力や心的回転(頭の中で物体を回転させてイメージする能力)といった基礎的な空間処理能力を高めやすい一方、アドベンチャーゲームやオープンワールドRPGのように広い仮想世界を探索するゲームは、地図の使い方や現実世界のナビゲーション能力とはまた別の種類の空間スキルを要求することが指摘されています。実際にある研究では、ファーストパーソン・シューティングゲームの経験は必ずしも現実の道案内能力の向上にはつながらず、むしろアドベンチャー系のゲーム経験のほうが実際のナビゲーション課題との関連が強かったと報告されています。空間認知能力とひとくちに言っても、その中身は決して一枚岩ではないのです。

第4章 ワーキングメモリと「同時に処理する力」の差

対戦系のオンラインゲームでは、複数の情報を同時に処理し続ける能力、いわゆるワーキングメモリの働きが勝敗を大きく左右します。先ほど紹介した「リーグ・オブ・レジェンド」の研究でも述べたように、このゲームでは自分の操作するキャラクターだけでなく、周囲の敵味方の位置、資源の状況、マップ全体の情報などを絶えず同時並行で把握し続けなければなりません。研究チームは、こうした複数タスクを同時にこなす負荷の高い状況において、熟練者ほど視空間ワーキングメモリと注意の切り替え能力に優れていたと報告しています。

また、eスポーツのジャンル間でも興味深い違いが報告されています。ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)のプレイヤーと、複数人が入り乱れて戦うマルチプレイヤー・オンライン・バトルアリーナ(MOBA)のプレイヤーを比較した研究では、FPSプレイヤーのほうが持続的な注意力や反応速度、抑制コントロール(誤った反応を我慢する力)において優れた成績を示したという結果が出ています。研究者たちは、この違いがそれぞれのゲームジャンルが要求する認知的な負荷の違いを反映している可能性を指摘しています。FPSは一瞬の判断と正確な照準が勝敗を分けるのに対し、MOBAはより長い時間軸での資源管理やチーム戦略の判断が重視されるため、鍛えられる認知能力の種類そのものが異なるというわけです。

さらに、サッカーゲーム「FIFA」を用いた大学生対象の研究では、わずか8週間のプレイでもワーキングメモリと思考の柔軟性が向上し、特に協力プレイをした場合にその効果が大きかったことが報告されています。これは、ゲームというものが単なる娯楽にとどまらず、短期間であっても認知機能に影響を与えうる可能性を示す興味深い結果です。

第5章 なぜジャンルによって得意不得意が分かれるのか

ここまで見てきたように、ゲームが要求する認知能力はジャンルごとに大きく異なります。アクションゲームは瞬間的な注意コントロールと空間認知、パズルゲームは論理的推論とパターン認識、RPGは計画性と長期的な資源管理、対戦ゲームはワーキングメモリと状況判断力といったように、それぞれのジャンルは異なる「筋肉」を鍛えているようなものです。ある人が特定のジャンルで得意な認知能力を持っていても、別のジャンルが要求する能力とは一致しないことは十分にありえます。これが「アクションゲームは得意だけどパズルは苦手」といった現象が起こる大きな理由のひとつです。

この現象をより深く理解するうえで参考になるのが、アメリカの教育学者ジェームズ・ポール・ジーが提唱した「記号論的領域(セミオティック・ドメイン)」という考え方です。ジーは著書『ゲームが教えてくれる学びのしくみ』の中で、ゲームのジャンルはそれぞれが独自の記号やルール、価値観の体系を持つ、いわば独立した「言語」のようなものだと論じています。FPSにおける立ち回りの作法、RPGにおけるキャラクター育成の考え方、パズルゲームにおける論理の組み立て方は、それぞれまったく異なる「文法」を持っており、あるジャンルの文法に習熟すること(=そのジャンルにおいて「リテラシー」を身につけること)は、必ずしも別ジャンルの文法の習得を意味しないというのです。

また、ジーはよくできたゲームには、プレイヤーを常に「今の実力ぎりぎりのレベル(コンピテンスの縁)」に置き続ける設計上の工夫があると指摘しています。あるジャンルで長年その縁に立ち続けてきた人は、そのジャンル固有の判断パターンや直感を非常に高いレベルまで磨き上げています。しかし、まったく異なる文法を持つジャンルに移ると、そうした蓄積された直感の多くがそのままでは通用せず、また一から新しい「言語」を学び直す必要が出てくるのです。長年FPSで鳴らしたプレイヤーが、複雑な戦略シミュレーションでは初心者同然になってしまうことがあるのは、決して珍しい話ではありません。

第6章 それでも「ゲーム全般が上手い人」がいるのはなぜか

一方で、ジャンルを問わず何をやらせても平均以上にこなせてしまう、いわゆる「万能型」のゲーマーが存在するのも事実です。これはどう説明されるのでしょうか。

ひとつの有力な仮説は、先に紹介した「注意コントロール能力」が、特定のジャンルを超えて幅広く応用できる、いわば汎用的な土台になっているというものです。バヴェリエ教授とグリーン教授は2025年に発表した論文の中で、アクションゲームの経験がまず注意コントロール能力を高め、それによって新しい課題に触れたときにより多くの情報を効率よく取り込めるようになり、結果として未経験の課題であっても学習スピードそのものが速くなるという「学習の仕方を学ぶ」効果を提唱しています。つまり、特定のゲームがうまいのではなく、新しいゲームのルールや操作感を素早く飲み込む力そのものが鍛えられている、という考え方です。これが「初めてやるゲームでもすぐ勘所をつかむ人」の正体である可能性があります。

ただし、この点については研究者の間でも慎重な意見があることを付け加えておく必要があります。一部の研究者は、ゲーム経験と幅広い認知能力の関連を示す研究の中には、方法論上の課題(比較対象の選び方や、もともと認知能力が高い人がゲームを好んで選んでいるだけという可能性)が残っていることを指摘しています。したがって、「ゲームをやれば誰でも自動的に万能な認知能力が身につく」と単純化するのは早計であり、あくまで「注意コントロールという土台の強さが、複数のジャンルへの適応の速さに関係している可能性が高い」という、やや慎重な表現にとどめておくのが誠実な理解の仕方だと言えるでしょう。

第7章 「センス」の正体は生まれつきか、練習の質か

「あの人はセンスがあるから上手い」という言い方をよく耳にしますが、この「センス」の中身を科学的に分解しようとしたのが、エキスパート研究の世界的権威であるアンダース・エリクソンです。エリクソンが提唱した「デリバレート・プラクティス(意図的練習)」という理論は、単なるプレイ時間の長さではなく、練習の「質」こそが熟達の速度を決めるという考え方です。

デリバレート・プラクティスには、いくつかの重要な条件があるとされています。明確で具体的な目標が設定されていること、その場ですぐにフィードバックが得られること、そして自分の弱点にはっきりと焦点を当てて反復すること、さらに単に体を動かすだけでなく高い集中力をもって取り組むことです。エリクソンとブート教授らの研究チームは、実験用ビデオゲーム「スペースフォーテレス」を用いた研究の中で、トップスコアを記録したプレイヤーの行動を詳細に分析し、その卓越したパフォーマンスがどのような具体的な行動パターンによって支えられているかを解明しようとしました。さらに別の研究では、成績の振るわないプレイヤーに対して、デモンストレーション映像と継続的な音声フィードバックを組み合わせたわずか90分の介入セッションを行っただけで、操作スキルが有意に改善したことも報告されています。

これが意味するのは、単純に「たくさんプレイした人が上手くなる」という単線的な関係ではないということです。何となく漫然とプレイを繰り返すだけでは、ある程度のところで上達が頭打ちになってしまいます。実際に上手い人の多くは、自分のプレイ動画を見返して弱点を洗い出したり、特定の場面だけを繰り返し練習したり、エイムトレーナーのような専用ツールで基礎動作を鍛えたりと、目的意識を持った練習を積み重ねています。「センスがある」ように見える人の裏側には、実はこうした地道で構造化された練習の蓄積が隠れているケースが少なくないのです。

第8章 上手い人と下手な人を分けるもう一つの要因 マインドセットの差

認知能力や練習方法と並んで見過ごせないのが、心理学者キャロル・ドゥエックが提唱した「マインドセット」の違いです。ドゥエックの理論では、人の考え方は大きく「成長マインドセット(能力は努力によって伸ばせるという信念)」と「固定マインドセット(能力は生まれつき決まっているという信念)」の2つに分けられるとされています。

この違いはゲームにおいても顕著に表れます。成長マインドセットを持つプレイヤーは、負けたり失敗したりしたときにそれを「まだ改善の余地があるというデータ」として受け止め、次の一戦に向けてすぐに修正を試みます。一方、固定マインドセットを持つプレイヤーは、失敗を「自分の能力の限界を示す証拠」だと捉えてしまいがちで、感情的になって冷静な判断ができなくなったり、途中で練習や挑戦そのものをやめてしまったりする傾向が指摘されています。

興味深いことに、ある研究チームは100万件を超えるゲームレビューのテキストを分析し、ジャンルごとに「成長マインドセット」に関連する言葉(目標設定、努力、失敗からの学びなど)の出現頻度を調べました。その結果、パズルゲームやローグライクゲーム、プラットフォーマーゲームといった、繰り返しの試行錯誤が前提となるジャンルでは、こうした成長マインドセット関連の表現が有意に多く見られた一方、いわゆる「ゆったり系」ゲームや散策系ゲームではその傾向が弱かったと報告されています。同じ認知能力を持つ2人のプレイヤーがいたとしても、失敗をどう受け止めるかという心の姿勢の違いによって、半年後、1年後の実力には大きな差が生まれてくるのです。

第9章 ゲーム会社は「実力の差」をどう数値化しているのか

ここまで見てきた「上手さ」の違いは、実は各ゲーム会社自身が業務として日々測定し、数値化しているものでもあります。多くのオンライン対戦ゲームでは、プレイヤーの実力を推定するための独自の内部評価システムが導入されています。

例えば「リーグ・オブ・レジェンド」や「VALORANT」を展開するライアットゲームズは、プレイヤーごとに「MMR(マッチメイキング・レーティング)」と呼ばれる非公開の内部評価値を保持しています。これは画面上に表示される「ランク」とは別に管理されている数値で、勝てば上昇し、負ければ下降する仕組みになっています。同社は公式に、マッチメイキングの目標として、対戦する両チームの勝率がおおむね50パーセント前後になるよう組み合わせを調整していると説明しています。つまり、実力差というものは「上手い・下手」という二択ではなく、連続的な数値として扱われ、対戦相手も常にその数値をもとに動的に選ばれているのです。

さらに高度な仕組みとして知られているのが「グリコ2」というレーティングシステムです。これはチェスの実力評価に使われてきた古典的な「イロレーティング」を発展させたもので、統計学者マーク・グリックマンによって考案されました。イロレーティングが勝敗の結果だけをもとに評価値を上下させるのに対し、グリコ2は「その評価値がどれだけ信頼できるか(レーティング偏差)」や「最近の成績の振れ幅(ボラティリティ)」といった要素まで加味して評価を行います。この仕組みは「カウンターストライク」シリーズや「Dota 2」、「スプラトゥーン2」、チェス対戦サイトのリチェスなど、世界中の数多くのオンライン対戦ゲームで採用されていることが知られています。

ゲーム会社がこれほど精緻な数理モデルを実装してまで実力差を測定しているという事実そのものが、「ゲームの上手さ」というものが単なる主観や印象ではなく、統計的に検出可能で、しかも連続的なグラデーションを持つ実在の差であることを裏付けていると言えるでしょう。

第10章 苦手でも大丈夫 誰にでも伸ばせる部分がある

ここまで紹介してきた研究の多くに共通する重要なメッセージは、注意コントロール能力や空間認知能力、ワーキングメモリといった認知的な土台は、決して生まれつき固定されたものではなく、適切な経験や訓練によって変化しうるという点です。アクションゲームのトレーニングが男女間の空間認知能力の差を縮小させたという研究や、短期間の介入セッションでも操作スキルが改善したという研究は、いずれも「今の実力は今後もずっと変わらない」という思い込みを覆すものです。

もし今、特定のゲームやジャンルが苦手だと感じているなら、次のような視点を持ってみることをおすすめします。

  • そのゲームがどんな認知能力(反射神経なのか、記憶力なのか、計画性なのか)を要求しているのかを冷静に分析してみる
  • 漫然とプレイするのではなく、直前の失敗の原因を一つずつ振り返り、次のプレイで意識的に修正する「デリバレート・プラクティス」を取り入れてみる
  • 負けや失敗を「才能がない証拠」ではなく「次に活かせるデータ」として捉える成長マインドセットを意識してみる
  • あえて普段プレイしないジャンルに触れることで、そのジャンル固有の「文法」に慣れる時間を作ってみる

こうした地道な積み重ねは、必ずしもすぐにプロレベルの実力をもたらすわけではありませんが、少なくとも「自分には向いていない」とあきらめてしまう前に試す価値のあるアプローチだと言えます。

まとめ ゲームの上手い下手は、特別な才能だけでは説明できない

ここまで、ゲームが上手い人と下手な人の違いについて、海外の脳科学・心理学研究をもとにさまざまな角度から見てきました。改めて振り返ると、その違いは単一の「才能」や「センス」といった曖昧な言葉ではなく、注意コントロール能力、空間認知能力、ワーキングメモリといった複数の認知的要素の組み合わせ、ジャンルごとに異なる「文法」への習熟度、練習の質、そして失敗をどう受け止めるかというマインドセットといった、いくつもの要因が絡み合って生まれていることが見えてきました。

そして、ゲーム会社自身がMMRやグリコ2のような精緻な数理モデルを使って日々このグラデーションを計測しているという事実は、「上手い・下手」が決して単純な二択ではなく、誰もがどこかしらの位置に連続的に分布している、ごく自然な個人差であることを裏付けています。

もしあなたが今、あるジャンルのゲームを苦手だと感じているとしても、それは決して能力の限界を意味するわけではありません。求められている認知能力を理解し、練習の質を見直し、失敗を糧にする姿勢を持つことで、多くの部分は後からでも伸ばしていくことができます。とはいえ、最終的にゲームというものは、上手い下手にかかわらず楽しむためにあるものです。この記事で紹介した知見を頭の片隅に置きながら、ぜひ肩の力を抜いて、自分のペースでゲームというメディアを楽しんでいただければと思います。

参考文献・参照元

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この記事を書いた人

手帳が続かない・考えすぎて動けない、そんな時期を何度も経験してきました。
手帳歴20年以上、GTD・振り返り・小さな習慣を実践しながら、少しずつ自分なりの整理術を見つけてきた人間です。
「頑張りすぎない改善」をテーマに、手帳・習慣化・心理・オカルト・日常の気になることを丁寧に発信しています。

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