「飲むサラダ」とも呼ばれるマテ茶。南米では何百年もの歴史を持つ伝統的なお茶ですが、日本でも健康志向の高まりとともに注目を集めています。
本記事では、マテ茶の基本知識から健康効果、カフェイン量、コーヒーや緑茶との比較まで、初心者にもわかりやすく詳しく解説します。マテ茶を試してみたい方、すでに飲んでいる方にも役立つ情報が満載です。
マテ茶とは?その歴史と特徴
マテ茶(英語:Yerba Mate/スペイン語:Mate)は、南米原産の植物「イェルバ・マテ(学名:Ilex paraguariensis)」の葉や茎を乾燥・粉砕して作るお茶です。モチノキ科に属するこの植物は、パラグアイ・アルゼンチン・ブラジルにまたがる亜熱帯雨林を原産地とします。
もともとは南米先住民のグアラニー族が長年にわたり使用してきたもので、16世紀にスペイン人入植者に伝わって以来、南米全土に広まりました。現在では南米を中心に世界中で親しまれており、日本でもスーパーや通販で手軽に購入できるようになっています。
マテ茶の見た目と味
マテ茶の葉は緑色で、乾燥させると独特の草っぽい香りを持ちます。味は「草のような風味」「ほのかな苦み」「スモーキーさ」が特徴で、慣れるまで少し個性的に感じる方もいます。最近ではティーバッグタイプや粉末タイプも普及し、飲みやすいものも増えています。
「飲むサラダ」と呼ばれる理由
マテ茶が「飲むサラダ」と称される最大の理由は、その豊富な栄養素にあります。ビタミン・ミネラル・ポリフェノールなど、野菜から摂るような栄養素を効率よく補給できることから、この愛称がついたとされています。
マテ茶の栄養成分
マテ茶には多種多様な栄養素が含まれており、その幅広さが他のお茶との大きな違いです。
主な栄養成分一覧
| 栄養成分 | 主な役割 |
|---|---|
| カフェイン | 覚醒作用、集中力アップ |
| テオブロミン | 穏やかな興奮作用、血管拡張 |
| クロロゲン酸(ポリフェノール) | 強力な抗酸化作用 |
| ビタミンB1・B2・B3(ナイアシン) | エネルギー代謝のサポート |
| ビタミンC | 免疫力維持、抗酸化 |
| カルシウム・マグネシウム・鉄 | 骨・筋肉・血液の健康維持 |
| カリウム | 血圧調整、むくみ対策 |
| 亜鉛 | 免疫機能・肌の健康 |
| サポニン | 抗炎症作用、コレステロール低下 |
| 食物繊維 | 腸内環境の改善 |
特筆すべきは、お茶類でありながらミネラル類が非常に豊富な点です。カルシウムや鉄分など、日本人が不足しがちな栄養素を手軽に補えるのはマテ茶ならではの強みです。
マテ茶が飲まれている地域・国
マテ茶は南米を中心に、世界各地で愛飲されています。その文化圏ごとの特徴も興味深いです。
アルゼンチン
アルゼンチンはマテ茶消費量が世界最大の国です。国民一人ひとりが一日に何杯も飲む「国民的飲料」であり、2013年には国民的飲料(bebida nacional)として法律で正式に認定されました。家族や友人との団らんで、ひとつの容器を回し飲みする文化が根付いています。
パラグアイ
マテ茶の原産地に最も近い国で、冷たいマテ茶「テレレ(Tereré)」が特に好まれます。テレレは冷水やハーブウォーターにマテ茶を浸したもので、2020年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されました。
ブラジル
ブラジル南部(リオグランデ・ド・スル州など)でも盛んに飲まれており、独特の飲み方や風味があります。また「シマロン(chimarrão)」と呼ばれる伝統的なスタイルが今も生き続けています。
ウルグアイ
一人あたりのマテ茶消費量はウルグアイが世界トップクラスとも言われます。街中でもマテ茶の容器とお湯を持ち歩く姿は日常的な光景です。
中東・欧州・その他
シリア・レバノンなど中東の一部地域でも、移民を通じてマテ茶文化が浸透しています。また、健康意識が高い欧州(ドイツ・スイスなど)や日本・北米でも、スポーツや健康目的で飲む人が増えています。
マテ茶の健康効果
マテ茶に期待できる健康効果を、研究や報告をもとに詳しくご紹介します。ただし、マテ茶はあくまで食品であり、病気の治療や予防を確約するものではありません。健康維持の一助として捉えてください。
① 抗酸化作用・老化防止
マテ茶に豊富なクロロゲン酸などのポリフェノールは、体内の「活性酸素」を除去する強い抗酸化作用を持ちます。活性酸素は細胞を傷つけ、老化や生活習慣病の原因になるとされているため、抗酸化物質の積極的な摂取は日々の健康維持に役立ちます。研究によると、マテ茶の抗酸化力は緑茶と同等かそれ以上とも言われています。
② 集中力・疲労回復
カフェインとテオブロミンが相乗効果を発揮し、適度な覚醒と集中力の向上が期待できます。コーヒーのように急激な覚醒ではなく、穏やかで持続的なエネルギー感を得られると感じる人が多いのも特徴のひとつです。
③ 代謝アップ・ダイエットサポート
マテ茶に含まれるカフェインやクロロゲン酸は、脂肪の燃焼を助ける「脂肪分解酵素」の活性化を促すと言われています。食欲を穏やかに抑える効果も報告されており、ダイエット中の方にも人気があります。ただし、摂取だけで痩せるものではなく、バランスのよい食事・運動との組み合わせが大切です。
④ 血糖値・コレステロールの管理
いくつかの研究で、マテ茶の定期的な摂取が血糖値の上昇を緩やかにし、悪玉コレステロール(LDL)を下げる可能性が示されています。サポニンがコレステロールの吸収を抑える作用があるとも考えられています。
⑤ 腸内環境の改善・便秘解消
食物繊維と腸の蠕動(ぜんどう)運動を促す成分が、腸内環境の改善に役立つと言われています。便秘が気になる方にもマテ茶が選ばれる理由のひとつです。
⑥ 骨・筋肉の強化
カルシウム・マグネシウム・リンなど骨や筋肉に必要なミネラルが豊富なため、骨粗しょう症の予防や筋肉機能のサポートにも期待されています。特に日本人は乳製品以外でカルシウムを摂りにくいため、マテ茶は有効な補給源になりえます。
⑦ 免疫力の向上
ビタミンCや亜鉛、抗炎症作用を持つサポニンなどが免疫機能を支えます。季節の変わり目や疲れが溜まっているときに、マテ茶を習慣にするのもよいでしょう。
⚠️ 注意:健康効果に関する研究はまだ進行中のものも多く、個人差があります。持病のある方や妊娠中の方は、摂取前に医師に相談することをおすすめします。
カフェインは入っている?量と注意点
マテ茶にはカフェインが含まれています。その量は製品や抽出方法によって異なりますが、一般的なマテ茶(200〜250ml)には約30〜50mg程度のカフェインが含まれるとされています。
コーヒーと比べると少なめですが、緑茶とはほぼ同等か、やや多い程度です。カフェインに敏感な方や就寝前の摂取は避けることをおすすめします。また、妊娠中・授乳中の方は1日の摂取量に注意が必要です。
一方で、マテ茶に含まれるテオブロミンという成分がカフェインの働きを穏やかにするとも言われており、コーヒーより「ガツンとした覚醒感が少ない」と感じる人が多いようです。
コーヒー・緑茶・紅茶との比較表
マテ茶と他の代表的なお茶・飲料を栄養成分・カフェイン量で比較してみましょう(いずれも200〜240mlあたりの目安値)。
| 項目 | マテ茶 | コーヒー | 緑茶 | 紅茶 |
|---|---|---|---|---|
| カフェイン量 | 約30〜50mg | 約60〜100mg | 約20〜40mg | 約25〜50mg |
| カロリー | 約2〜5kcal | 約4〜8kcal | 約2〜4kcal | 約2〜4kcal |
| ポリフェノール | ◎ 非常に豊富 | ○ 豊富 | ◎ 非常に豊富 | ○ 豊富 |
| ビタミン類 | ◎ 豊富(B群・C) | △ 少ない | ○ ビタミンC含む | △ 少ない |
| ミネラル類 | ◎ 非常に豊富 | △ 少ない | △〜○ 少なめ | △ 少ない |
| テオブロミン | ○ 含む | × ほぼ含まない | × ほぼ含まない | × ほぼ含まない |
| テアニン(リラックス成分) | × ほぼ含まない | × ほぼ含まない | ◎ 豊富 | ○ 含む |
| 食物繊維 | ○ 少量含む | × ほぼなし | × ほぼなし | × ほぼなし |
| タンニン(渋み成分) | △ 少なめ | △ 少なめ | ○ 含む | ◎ 多い |
比較からわかるように、マテ茶はビタミン・ミネラル・ポリフェノールをバランスよく含む点で他の飲料に比べて栄養価が高いと言えます。カフェイン量はコーヒーより少なく、緑茶と同程度のため、コーヒーを控えたい方の代替としても人気があります。
マテ茶の飲み方
マテ茶にはいくつかの飲み方があります。伝統的なスタイルから、日本でも気軽に試せる方法まで幅広くご紹介します。
① 伝統的な飲み方(グアンポ+ボンビージャ)

南米で最も伝統的な飲み方は、「グアンポ(guampo/ひょうたんや木製の容器)」にマテ茶の葉を入れ、「ボンビージャ(bombilla)」と呼ばれる金属製のストローで飲む方法です。葉をこすためのフィルターがストローに付いており、お湯を注いで繰り返し飲み続けます。南米では家族や友人で一つのグアンポを回し飲みする「シェアマテ」も文化のひとつです。
② ティーバッグタイプ
日本で最も手軽に試せるのがティーバッグタイプです。カップにティーバッグを入れ、80〜90℃のお湯を注いで2〜3分蒸らすだけで完成します。スーパーや通販でも購入でき、緑茶感覚で取り入れられるのが魅力です。
③ 粉末タイプ(インスタント)
粉末タイプは水やお湯に溶かすだけで飲めます。スムージーやヨーグルトに混ぜて取り入れるアレンジも人気で、マテ茶独特の草っぽさが苦手な方でも飲みやすい方法です。
④ テレレ(冷たいマテ茶)
パラグアイ発祥の「テレレ」は、冷水やハーブウォーターにマテ茶を浸した冷たい飲み物です。暑い夏にぴったりで、レモンやミントを加えるとさらに飲みやすくなります。日本でも夏場に試す人が増えています。
⑤ ミルクマテ茶・アレンジドリンク
牛乳や豆乳で割ったミルクマテ茶や、蜂蜜を加えたアレンジも人気です。マテ茶の苦みがまろやかになり、初心者でも飲みやすくなります。
飲む量の目安
一般的には1日2〜4杯程度(計400〜800ml)が適量とされています。カフェインの摂りすぎになる可能性があるため、1日6杯以上の過剰摂取は避けるようにしましょう。
飲むタイミング
朝の目覚めに1杯・食後の脂肪分解サポートとして・運動前のエネルギー補給などに向いています。就寝前や夕方以降は、カフェインの影響で睡眠の質が下がる可能性があるため控えることをおすすめします。
マテ茶の注意点・副作用
健康に良いとされるマテ茶ですが、飲み過ぎや特定の状況下では注意が必要です。
飲み過ぎに注意
カフェインを含むため、大量に摂取すると頭痛・動悸・不眠・胃腸の不調などが現れることがあります。1日4〜6杯程度を上限の目安としましょう。
妊娠中・授乳中の方
カフェインは胎児や乳児に影響を与える可能性があります。妊娠中・授乳中の方はマテ茶の摂取量を制限し、医師に相談することを強くおすすめします。
高温での多量摂取と食道がんリスク
いくつかの疫学研究で、非常に熱いマテ茶を大量に長期間飲み続けることが食道がんのリスクと関連する可能性が報告されています。これは「高温の液体そのものによる食道への刺激」が主な要因とされており、60℃以下に冷ましてから飲むことで回避できると考えられています。適切な温度・量を守ることが大切です。
鉄分の吸収を阻害する可能性
マテ茶に含まれるタンニンは、食事から摂る非ヘム鉄(植物性の鉄分)の吸収を妨げる場合があります。鉄欠乏性貧血がある方は、食事と一緒に飲むことは控え、食間に飲むほうが望ましいです。
まとめ
マテ茶は、「飲むサラダ」と呼ばれるだけあって、ビタミン・ミネラル・ポリフェノールを豊富に含む栄養価の高いお茶です。南米では国民的な飲み物として何百年もの歴史を持ち、近年は日本でも健康・ダイエット目的で注目を集めています。
コーヒーより穏やかなカフェイン感で集中力をサポートしつつ、代謝アップ・抗酸化・骨の強化など幅広い健康効果が期待できます。ティーバッグタイプなら手軽に始められるため、まずは朝の一杯から試してみてはいかがでしょうか。
ただし、飲み過ぎや高温摂取には注意が必要です。適切な量を守りながら日常に取り入れることで、その恩恵を最大限に活かしましょう。
📌 この記事のポイントまとめ
- マテ茶はビタミン・ミネラル・ポリフェノールを豊富に含む「飲むサラダ」
- 主な産地はアルゼンチン・パラグアイ・ブラジルなど南米
- カフェインはコーヒーより少なく、緑茶と同程度
- 抗酸化・代謝アップ・骨強化・集中力向上などの健康効果が期待できる
- 1日2〜4杯を目安に、60℃以下で飲むのが安心
- 妊娠中や鉄欠乏の方は摂取量に注意
※本記事の内容は一般的な健康情報であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。持病のある方は医師にご相談ください。


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