読書の秋、何から読む?科学が証明する読書の効果とおすすめ本10冊

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はじめに 読書の秋、していますか?

「読書の秋」という言葉、毎年秋になるとあちこちで耳にしますよね。書店の店頭には特設コーナーができ、SNSでも「#読書の秋」というハッシュタグをよく見かけます。

でも、正直に聞いてみたいと思います。あなたは今、本を読んでいますか。

スマートフォンが手放せない時代になり、通勤時間も、寝る前のちょっとした時間も、気づけばSNSや動画を眺めて過ぎていく、そんな人は少なくないはずです。「読書の秋」という言葉は知っていても、実際に本を開く習慣がある人は意外と少ないのではないでしょうか。

そこでこの記事では、次の3つの疑問に順番にお答えしていきます。

  • なぜ「読書の秋」と言われるようになったのか
  • 読書には本当に効果があるのか
  • 効果があるなら、秋の夜長に読みたいおすすめの本はどれか

読み終わるころには、久しぶりに本を手に取りたくなっているはずです。ぜひ最後まで読んでみてください。

「読書の秋」って、そもそもなぜ秋なの

「読書の秋」という言葉の由来をたどっていくと、実は日本ではなく古代中国にたどり着きます。8世紀ごろに活躍した唐の詩人・韓愈(かんゆ)が詠んだ「符読書城南詩(ふどくしょじょうなんし)」という漢詩の一節が元になっているといわれています。

その一節を現代の言葉に置き換えると、おおよそ次のような意味になります。

秋になって長雨が上がり、空気が涼しくなってくると、ようやく夜の灯りに親しんで、書物を広げることができる。

涼しくなった秋の夜は、灯りをともしてゆっくり読書を楽しむのにぴったりだ、という考え方が、この漢詩をきっかけに広まっていったようです。

日本で「読書の秋」という言葉が定着したのは、明治時代がひとつのきっかけだったといわれています。夏目漱石が1908年に発表した小説『三四郎』の中で、この韓愈の詩が引用されたことで、日本でも「読書の秋」というイメージが徐々に広まっていったそうです。

古い言い伝えだけでなく、季節の特徴から見ても、秋が読書に向いている理由はいくつかあります。

  • 夏の蒸し暑さがやわらぎ、身体的にも精神的にもリラックスしやすい
  • 日照時間が短くなり、夜の時間が自然と長くなる
  • 涼しい風のおかげで、集中力を保ちやすい

さらに、毎年10月27日から11月9日までの2週間は「読書週間」として定められています。読書の秋というフレーズは、単なる語感の良さだけでなく、こうした季節の心地よさと歴史的な背景が重なって生まれた言葉だったのですね。

読書に科学的な効果はあるの? 6つのメリットを紹介

「読書の秋」と言われるくらいですから、読書には何かしらの良い効果があるはず、そう感じている人も多いと思います。ここでは、これまでに報告されているさまざまな研究をもとに、読書のメリットを6つに整理してご紹介します。

1.わずか6分でストレスが和らぐ可能性がある

読書のメリットとしてよく紹介されるのが、ストレス軽減の効果です。イギリスのサセックス大学が2009年に発表した研究では、心拍数や筋肉の緊張状態を測定したところ、6分ほど読書をするだけでストレスの度合いが最大68%ほど下がったという結果が報告されています。これは、音楽鑑賞やコーヒーを飲む、散歩をするといった他のリラックス方法と比べても高い数値だったそうです。物語の世界に意識が向かうことで、現実のストレスから少し距離を置けることが理由のひとつと考えられています。

2.寝る前の読書は、質の良い睡眠のサポートになりやすい

夜、寝る直前までスマートフォンを見ていると、画面の光の影響で寝つきが悪くなることがあるとよく言われます。その点、紙の本であれば強い光を浴びずに済みますし、物語に意識を向けることで、一日の緊張がゆるみやすくなります。寝る前の数分間を読書の時間にあてることは、心を落ち着けて眠りにつくための、手軽な習慣のひとつといえそうです。

3.語彙力や表現力が自然と身につく

本の中には、日常会話ではあまり使わない言葉や、丁寧に練られた表現がたくさん登場します。物語を追いながら読み進めるうちに、自然と語彙のストックが増え、自分の気持ちや考えを言葉にする力が育っていくといわれています。

4.登場人物の気持ちを想像することで、共感力が育まれる

小説を読んでいると、自分とはまったく違う立場や境遇の登場人物の気持ちに、自然と寄り添う場面が出てきます。この「他人の視点に立って想像する」という経験の積み重ねが、日常生活における共感力にもつながっていくと考えられています。

5.物語に没頭することで、集中力が鍛えられる

スマートフォンの通知やSNSのタイムラインは、数秒単位で私たちの注意を引きつけようとしてきます。それに対して読書は、ページをめくりながら一つの物語をじっくり追いかける行為です。この「じっくり向き合う」時間を持つことが、細切れになりがちな集中力を鍛え直すきっかけになるとも言われています。

6.新しい知識や視点が手に入る

本は、著者が時間をかけて調べ、練り上げた情報や考えがまとまったものです。インターネット上の断片的な情報とは違い、一冊を通してひとつのテーマをじっくり学べるのも読書ならではの魅力です。小説であっても、時代背景や専門的な世界(音楽、科学、歴史など)を知るきっかけになることは少なくありません。

こうして見てみると、「読書の秋」という言葉は、単なる季節の風物詩ではなく、実際に体や心にうれしい変化をもたらしてくれる習慣だということが分かります。

秋の夜長が読書に向いている理由

読書そのものに効果があるとして、それではなぜ「秋の夜長」がとくにおすすめなのでしょうか。

ひとつは、単純に夜の時間そのものが長くなるからです。日が暮れるのが早くなる分、家で過ごす時間が自然と増え、テレビやスマートフォンをひとまず置いて、静かに本と向き合う時間をつくりやすくなります。

もうひとつは、気温や湿度の心地よさです。夏の寝苦しさや蒸し暑さから解放され、少しひんやりとした空気の中で読書をすると、驚くほど集中力が続くことがあります。エアコンの音や暑さで気が散ることも少ないため、物語の世界に入り込みやすい季節だといえるでしょう。

秋の夜長の読書をより心地よくするために、次のような工夫もおすすめです。

  • 部屋の照明を少し落として、手元だけを照らす読書灯を使う
  • 温かいお茶やハーブティーを用意してから本を開く
  • 就寝の30分前にはスマートフォンを置き、紙の本に持ち替える

こうした小さな工夫の積み重ねが、「今日はよく眠れた」「気持ちが落ち着いた」という実感につながっていきます。

秋の夜長にピッタリ!おすすめ本10冊

ここからは、実際に秋の夜長に読みたいおすすめの本を10冊、ジャンル別にご紹介します。いずれも日本国内で高い評価を受けているベストセラーばかりなので、書店や電子書籍ストアで手に入りやすいのも安心なポイントです。

1.『博士の愛した数式』小川洋子

記憶が80分しかもたない年老いた数学博士と、彼のもとで働く家政婦、そしてその息子との、静かで温かい交流を描いた物語です。数式という一見難しそうなモチーフが、人と人との優しい関係を伝える言葉として描かれているのが印象的です。第1回本屋大賞を受賞した作品で、読書に慣れていない人でもすっと物語に入り込める読みやすさも魅力です。

2.『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈

まっすぐで型破りな女子中学生・成瀬あかりが、地元の閉店間近な百貨店に「この夏を捧げる」と宣言するところから始まる連作短編集です。テンポの良い文章と、思わずクスッと笑ってしまうユーモアが詰まっていて、読書初心者でもあっという間に読み終えられます。2024年の本屋大賞を受賞した話題作です。

3.『汝、星のごとく』凪良ゆう

瀬戸内の島で育った高校生の暁海と、複雑な家庭環境を抱えて島に転校してきた櫂。孤独を抱えたふたりが惹かれ合い、すれ違いながらも成長していく姿を描いた恋愛小説です。切なさの中にも力強さが感じられるストーリーで、2023年の本屋大賞を受賞しています。

4.『傲慢と善良』辻村深月

結婚間近だった婚約者が突然姿を消したことをきっかけに、婚約者の「過去」と向き合っていく主人公の物語です。恋愛や結婚に対する誰もが抱く不安や本音を丁寧に描いた作品で、100万部を超えるベストセラーとなりました。読み終えた後、自分自身の人との向き合い方を振り返りたくなる一冊です。

5.『かがみの孤城』辻村深月

学校に行けなくなった少女が、鏡の向こうの不思議な城に招かれ、同じように居場所を失った子どもたちと出会う物語です。ファンタジーの設定でありながら、読み進めるうちに現実の問題と重なっていく構成が見事で、2018年の本屋大賞を受賞しています。少し長めの作品ですが、秋の夜長にじっくり向き合いたい一冊です。

6.『蜜蜂と遠雷』恩田陸

国際ピアノコンクールに挑む若きピアニストたちの姿を描いた音楽小説です。文章だけで音楽が聴こえてくるような描写力が高く評価され、直木賞と本屋大賞を同時受賞した名作として知られています。芸術の秋にもぴったりの一冊です。

7.『羊と鋼の森』宮下奈都

ピアノの調律師という仕事に出会った青年が、ひとつの音を探求していく過程を描いた物語です。派手な事件は起きませんが、静かに丁寧に紡がれる言葉が心に染み渡ります。落ち着いた気持ちで本と向き合いたい夜に読みたい一冊で、2016年の本屋大賞を受賞しています。

8.『海賊とよばれた男』百田尚樹

戦後の日本で、石油会社を一代で築き上げた実業家をモデルにした物語です。史実をもとにしたスケールの大きなストーリーで、困難に立ち向かう主人公の生き方に励まされる読者も多い作品です。2013年の本屋大賞を受賞しており、ボリュームはありますが、読み始めると止まらなくなるという声も多く聞かれます。

9.『図書館戦争』有川浩

本を守るために戦う図書隊員と、不器用な上官との関係を軸に描かれるSF青春小説です。設定こそ壮大ですが、物語のテンポが良く、恋愛要素も楽しめるため、読書初心者に長く支持されてきた作品でもあります。「まずは1冊読み切ってみたい」という人の入り口としておすすめです。

10.『イン・ザ・メガチャーチ』朝井リョウ

2026年の本屋大賞を受賞した最新作です。現代社会の空気感を鋭くとらえた作品づくりに定評のある著者による意欲作で、今もっとも話題になっている一冊のひとつといえます。最新の話題作から読書を始めてみたいという人にぴったりです。

いずれの作品も、多くの書店員やたくさんの読者から支持されてきたベストセラーです。気になるタイトルがあれば、ぜひ手に取ってみてください。

読書習慣を無理なく続けるための3つのコツ

「よし、読むぞ」と意気込んでも、続かなければ意味がありません。ここでは、読書を無理なく習慣にするためのコツを3つご紹介します。

コツ1.1日6分でいいと考える

先ほど紹介したサセックス大学の研究では、わずか6分の読書でもストレス軽減の効果が見られたと報告されています。「毎日1時間読まなければ」と気負う必要はありません。寝る前の数分だけでも本を開く、それだけで十分に読書習慣のスタートになります。

コツ2.読んだ記録を簡単に残す

読み終えた本のタイトルや、印象に残った一言をスマートフォンのメモやノートに書き留めておくのもおすすめです。「今月はこんなに読めた」という記録が、次の本を手に取るモチベーションにつながります。

コツ3.読みやすいジャンルや形式から始める

長編小説にいきなり挑戦するのが不安な場合は、短編集やエッセイ、あるいは電子書籍やオーディオブックから始めるのも良い方法です。自分に合った形で本と向き合える環境を選ぶことが、習慣を長続きさせるいちばんのコツです。

まとめ 読書の秋は「読みやすい本」から始めよう

ここまで、「読書の秋」という言葉の由来から、読書が心と体にもたらす効果、そして秋の夜長にぴったりのおすすめ本10冊まで、まとめてご紹介してきました。

改めて振り返ると、読書の秋というのは、涼しい気候と長い夜という季節の特徴と、読書がもたらすリラックス効果や集中力向上といった科学的なメリットが、うまく重なり合った習慣だということが分かります。

とはいえ、久しぶりに本を読む場合、いきなり分厚い名作に挑戦する必要はありません。まずは、今回紹介した『博士の愛した数式』や『図書館戦争』のような、読みやすくて評価の高い作品から手に取ってみてください。1冊読み終えたときの「読み切れた」という達成感が、次の1冊、そのまた次の1冊へとつながっていくはずです。

10月27日から始まる読書週間をひとつのきっかけに、今年の秋は久しぶりに本のページをめくってみませんか。

参考文献・参照元

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この記事を書いた人

手帳が続かない・考えすぎて動けない、そんな時期を何度も経験してきました。
手帳歴20年以上、GTD・振り返り・小さな習慣を実践しながら、少しずつ自分なりの整理術を見つけてきた人間です。
「頑張りすぎない改善」をテーマに、手帳・習慣化・心理・オカルト・日常の気になることを丁寧に発信しています。

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